【日本一決定戦2020 本戦】チームダイ
1.はじめに
こんにちは、コウです。
今回は日本一決定戦本戦で使った構築の紹介をします。
構築名はバンバドロのニックネーム「ダイ」から取りました。このバンバドロは、ランクバトルs1、s2、s4の構築でも使っていた、思い入れのあるポケモンです。
2.コンセプト
(以下常体)
先発のミロカロス・パッチラゴン・サマヨールで形をつくり、後発ダイマックスエースのトゲキッスかバンバドロを展開する。
(追記:レンタルチームは削除しました)
3.結果
日本一決定戦本戦 8-4 最終1555 28位
4.構築経緯
初手ダイマックス構築はあまり使ったことがなく、使いこなすにはかなり立ち回りの練習が必要だが、そんな時間はないので却下。ということで、後発ダイマックス構築に決めた。
後発ダイマックスのエースは、すばやさを上げられて通りが良いダイジェットをタイプ一致で使えるポケモンが良い。ダイマックスをしなくても強いポケモンを採用したほうが構築の柔軟性が増すため、トゲキッスに決めた。
先発としては、おいかぜやダイジェットを使ってすばやさ有利をとる構築が環境に多いため、トリックルームを覚えるポケモンが良い。そこで耐久が高く、相手に使われると嫌なサマヨールを採用した。
サマヨールと並べる先発としては、特性かちきによってとくこうを下げられることなく常に安定した火力を出せるミロカロスを採用した。サマヨールが苦手なダイホロウやダイアークを牽制できるのも良い。大会では、ガオガエンやウインディを使って盤面をコントロールする構築が多いと予想し、ミロカロスは刺さると思った。
次にトゲキッスとともに後発で選出するポケモンとして、先発のミロカロスが苦手なゴリランダーに受けだしができるガオガエンを採用した。いかく+ねこだまし+まもるによって相手のダイマックスターンをしのぐことができて、火力も高い。
この4体だとラプラスが重く、相手のみずタイプへの有効打が少ないため、先制すれば超火力のでんげきくちばしを使えるパッチラゴンを採用した。みずタイプに対してはゴリランダーも強いが、みずタイプと一緒にガオガエンやトゲキッスが選出されることが多いため、パッチラゴンのほうが良いと考えた。
最後にほのお・でんき・どく・いわタイプのダイマックスエースに対して、トゲキッスが不利であるため、それらに強いバンバドロを第2のエースとして採用した。バンバドロは、自身と味方の耐久をダイアースやダイスチルで上げることで、ダイマックスターンが切れたあとも高い耐久を維持できるのが強い。
5.戦略
これからの部分が今回の構築記事で最も伝えたい内容です。他の出場者との構築の完成度の差を埋めるために考えた戦略を紹介します。
7月24日。他の出場者が7月の初めからさまざまな構築を試し、ランクバトルなどで練習する中で、プレイングミスの多い僕がこれから1週間で作った構築で勝てる確率は低い。普通にやったら負ける。何か独特な策を講じた構築をつくろうと思った。
そこで浮かんだのが、
選出誘導と行動誘導
シン・タンザンがわかりやすい例だと思うが、僕は強い圧力をかけて相手を誘導するような戦い方が好きだ。
日本一決定戦は予選の上位合計150人で競う大会なので、ダブルバトルの知識や経験が豊富で、構築もプレイングもレベルが高いプレイヤーばかりが参加する。そのため、選出誘導や行動誘導をするのにはもってこいである。今回仕込んだ誘導は以下の通り
1はどう見てもトリックルーム軸に見える6体を採用しているため、対トリックルーム軸の動きを誘導できる。
2はエースっぽいポケモンが、ミロカロス、パッチラゴン、バンバドロといるため、トゲキッスがエースだと読まれにくい。
3は初手ミロカロス+サマヨールという基本選出が、INCFebruaryでカ・エールさんが使っていた、いのちのたまミロカロスがダイマックスする動きを警戒させられる。
4はミロカロスとバンバドロが相手視点ではエースに見えるため、ゴリランダーを選出したくなる。
5は特性かちきのミロカロスがいることで、先発にウインディやガオガエンは出しにくい。しかし、パッチラゴンを止めるためにはいかくがないと厳しいため、基本的に後発に置かれる。
もう一つ勝つための戦略として考えたことが、
相手が想定しない技
を構築に組み込むことである。
ミロカロスのひかりのかべやバンバドロのねむるは、有効に決まれば直接勝ちに結びつく可能性がある技であり、相手から見えにくい勝ち筋や動きがあるのは強い。実際に大会では、それぞれ4回ずつ使う機会があり、これらの技を使った4戦はいずれも勝っている。
6.個体解説
便宜上、H:HP, A:こうげき, B:ぼうぎょ, C:とくこう, D:とくぼう, S:すばやさとする。
- 実数値 202-72-99-158-145-110
- 努力値 252-0-0-188-0-68
- 性格補正 C↑ A↓
Sは+1でウインディ・ミミッキュ・ウーラオス抜き。ガオガエンをほぼ確実に抜けて、イエッサンと被りにくいラインにした。もともとS無振りだったのを大会当日の朝に変えた。物理耐久はいのちのたまリベロA特化エースバーンのとびひざげり75%耐え。
持ち物は行動回数を増やすために回復きのみ。たべのこしだとすぐに持ち物がバレてしまうのが嫌で、オボンのみはガオガエンに取られていた。
<技の採用理由>
- だくりゅう:メインウェポン。
- れいとうビーム:くさタイプやドラゴンタイプへの打点。
- ひかりのかべ:CとDが高いアシレーヌ、ラプラス、ヌメルゴンなどが場にいるときに使う。ミロカロスが放置される場面で、隣のポケモンへのダメージを軽減できる。
- まもる:相手のダイマックスターンをしのぐ。
<不採用技>
- 実数値 147-75-187-80-163-27
- 努力値 252-0-156-0-100-0
- 性格補正 B↑ S↓
A252振りいのちのたまドラパルトの物理ダイホロウを少し余裕をもって耐える。フシギバナやコータスを意識してとくぼうにも振った。
<技の採用理由>
- ナイトヘッド:安定して相手を削れる。
- いたみわけ:実質的な回復技。残数不利にならない+相手を削るコンセプトにも沿う。
- てだすけ:主にトゲキッスをサポートして上からワンパンするため。遅いサマヨールを非トリル下で活躍させるために先制技が欲しかった。
- トリックルーム:構築経緯に書いた。
<不採用技>
- くろいきり:一見相性が悪そうなバンバドロと相性が良い。トリックルーム下で、相手の能力上昇や味方の能力下降を打ち消してからダイアースやダイスチルを使うのが強い。しかし、メインエースのトゲキッスをサポートするてだすけのほうが重要だと思い、大会前日の夜に変えた。この変更は成功だった。
- 実数値 173-63-115-189-135-120
- 努力値 100-0-0-252-0-156
- 性格補正 C↑ A↓
Sは+1で聖剣士・ゲンガー抜き。
持ち物はCを下げられたり壁を貼られたりしても、特性きょううんと合わせて50%の確率でそれを無視して急所に当てられるピントレンズ。いのちのたまやじゃくてんほけんも試したが、能力を下げられるだけで相手を倒せなくなるのが嫌だった。大会当日の深夜のランクバトルで、壁構築に勝てなかったのが決め手になった(その時点ではじゃくてんほけん)。
<技の採用理由>
<不採用技>
- 実数値 202-176-111-90-116-82
- 努力値 252-196-4-0-44-12
- 性格補正 A↑ C↓
Sは+2でミミッキュ抜き。Dはなんとなく少し振りたくなった。
持ち物は確定数を変えるためにオボンのみ。ミロカロスよりHP管理がシビアなのでこっちを優先。
<技の採用理由>
- フレアドライブ:メインウェポン。
- DDラリアット:イエッサンやサマヨールへの打点。うっぷんばらしとの威力の差が勝負を左右することが割とある。
- ねこだまし:トゲキッスを通すときのサポートや、ダイマックス横のポケモンの行動を止める。
- まもる:相手のダイマックスターンをしのぐ。ガオガエンを一撃で倒すダイマックス技を使われることは多く、残数不利になってダイマックスを切らされる展開にされたくなかった。
<不採用技>
- すてゼリフ:サイクル戦で強い技であり、採用したかったが、4つの技はどれも絶対に外せなかった。
- 実数値 178-167-111-90-92-113
- 努力値 100-252-4-0-12-140
- 性格補正 A↑ C↓
Sは準速ラプラスやアシレーヌ抜き。準速バンギラス抜きにするべきだった。
持ち物はエルフーンラプラスのおいかぜ+キョダイセンリツで倒されないように、きあいのタスキ。
<技の採用理由>
<不採用技>
- ちょうはつとでんじは:先発で相手の行動を妨害できる。後発で選出することを意識して技範囲を広げようと思い、当日の朝にドラゴンクローと10まんばりきに変えた。この変更は失敗だった。
- 実数値 207-194-120-70-106-36
- 努力値 252-252-0-0-4-0
- 性格補正 A↑ S↓
持ち物はダイマックス中のやけど・ねむりで機能停止するのが嫌なのでラムのみ。
<技の採用理由>
- 10まんばりき:メインウェポン。
- ヘビーボンバー:トゲキッスやゴリランダーへの打点でダイスチルの元技。相手のダイマックスポケモンにはがね技を使う場面はほぼないのでヘビーボンバー。
- ボディプレス:特性と相性がよく、こうげきが下がっても安定して相手を削れるので終盤に強くなる。
- ねむる:回復技。バンバドロで相手を詰ませることや、ターン稼ぎに有効。
<不採用技>
- インファイト:火力はインファイト≒B+3ボディプレスなので、持ち物とつげきチョッキならインファイトのほうが好きだが、この構築ではボディプレスが優先。
- いわなだれ:仮想敵のリザードンが大会ではバンバドロとパッチラゴンを警戒されて選出されないと考えた。選出されてもパッチラゴンで対応しようと割り切った。
7.日本一決定戦本戦の対戦レポート
今回の構築は選出パターンが多いため、実際の大会の対戦を紹介することで、選出や立ち回りの説明の代わりにします。選出以外はメモを残していないので、もしかしたら記憶違いがあるかもしれません。
(*左2体が先発で、アイコンが大きいポケモンはダイマックス)
第一戦 負け
対
序盤、相手のトリル始動からラプラスを着地させられたところまでは厳しかった。ただ、トリルターンとラプラスのダイマターンは、ガオガエンの守るを使って最小限の被害でしのげた。しかし終盤に、パッチラゴンをダイマックスさせる、サマヨールがてだすけを使わないという2つの大きなプレイングミスをして、最後はほろびのうたで負けた。
第二戦 勝ち
対
初手ダイマポリゴンZに一撃でミロカロスを倒されるが、サマヨールのトリックルームは成功した。パッチラゴンの圧力で、この指とまれやダイウォールを使わせて相手のダイマターンをしのぎ、トゲキッスを通す展開になった。最後はこちらもダイマックスが切れてどれだけ急所に当てられるかという勝負になり、半分くらいは急所に当てて勝ち。
第三戦 勝ち
対
初手ダイマヌメルゴンをひかりのかべでしのいで、トリックルームからバンバドロをダイマックスさせた。しかし、ダイアースをうまくすかされ、アーマーガアにてっぺきを積まれる。バンバドロのダイマックスが切れた後は、ねむるでアーマーガアのボディプレスを受けて、その間に横のポケモンをナイトヘッドで削る展開になる。最後は、バンバドロを倒されて出したトゲキッスが、ガオガエンとアーマーガアの急所に当てて勝ち。
第四戦 負け
対
先発で完全に出し負けた時点で勝負あり。ドラパルト交換読みでDDラリアットを使うか迷ったが押せなかった。そこが唯一の勝ち筋だった。ダイマドラパルトとテラキオンに押し切られて負け。
第五戦 勝ち
対
PJCS二連覇中のカ・エールさんとの対戦。先発は迷った末にミロサマヨを出した。初手うそなき+珠ダイストリームを、ひかりのかべの効果でサマヨールが耐えたのが大きかった。トリックルームはせず、相手のダイマターンをしのいだ後、ダイマトゲキッスを通して勝ち。
第六戦 負け
対
初手てだすけでんげきくちばしを選択したが、相手のいわなだれでパッチラゴンが怯んだ。ダメージ量からパッチラゴンとバンギラスが同速だと考え、2ターン目も同じ行動を選択した。今度はパッチラゴンが先に動いたが、でんげきくちばしを外して負け。裏はおそらくフシギバナコータスなので、バンギラスさえ倒せば勝てると思っていたが、そもそもパッチラゴンが準速バンギラスと同速だったのが敗因。
第七戦 負け
対
初手で相手は両交換で、こちらはトリル始動。相手ラプラスのダイマターンを最小限の被害でしのいだ後、ラプラス方向に使ったでんげきくちばしが交換で出てきたガオガエンに外れた。当てれば絶対に勝ちだった技を外したことと、前の対戦のこともあって動揺してしまった。その結果、ダイマックスを切れるタイミングで切らずに負けるという最悪のプレイングミスをした。
第八戦 勝ち
対
初手でロトムにわるだくみを決められた上に、こちらのトゲキッスよりもロトムが速いことがほぼ確実になった。トリックルームはちょうはつされて使えないので、ねこだまし+ダイジェットを使える盤面をつくることを考えた。サマヨールが倒されそうなターンにミロカロスをガオガエンに交換してそれを実現した。その後はダイジェットでミロカロスを加速して、最後はミロカロスで3タテして勝ち。
第九戦 勝ち
対
初手ダイマラプラスを上手く通された上に、サマヨールがロトムのトリックでこだわりメガネを渡されてトリックルームで技が固定されてしまう厳しい展開になった。しかし相手のラプラスがハイドロポンプを外し、ガオガエンがロトムのかみなりで麻痺したことで状況が好転した。ガオガエンはトリル下でラプラスより先に動けるようになり、バンバドロのダイナックル+DDラリアット集中でラプラスを倒せた。最後はロトムとサマヨールの1対1になってギリギリ勝ち。
第十戦 勝ち
対
初手ダイマラプラスに対してトリックルームを決めて、どのポケモンも倒されずにダイマターンをしのいだ。その後、ミロカロスのれいとうビームでニンフィアが凍り、全く溶けなかったのでこちらはダイマックスを切らずに勝ち。ダイマバンバドロを通すためにラプラスを倒すことを意識していた。
第十一戦 勝ち
対
初手ダイマドラパルトがダイジェットをミロカロスに、こちらはてだすけれいとうビームをドラパルトに選択。その後は、まもるや交換で相手のダイマターンをしのぎ、トゲキッスをダイマックスさせた。しかし、バコウのみを失念してモロバレルへのダイジェットをてだすけしなかったため、トゲキッスがキノコのほうしで眠らされた。負けたと思ったが、チョッキ(だと思う)ウインディに使ったエアスラッシュが急所+怯みを引くなど、強運を発揮して勝ち。
第十二戦 勝ち
対
2ターン目に相手にトリル始動された。バンバドロを先にダイマックスさせて相手3体を倒し、ドサイドンの後発ダイマックスをねむるなどでしのいで、サマヨールのナイトヘッドで倒して勝ち。
8.おわりに
来年のPJCS出場権の獲得ラインである上位50位に入ることができて嬉しいです。しかし、自信の持てる構築を作れず、今年の王者決定戦出場権を狙うことすらできなかったという悔しい気持ちもあります。あまりランクバトルには向いていない構築かもしれませんが、興味があればレンタルパーティを使ってみてください。ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
【s7ダブル】バイバニラマタドガス
1.はじめに
こんにちは、コウです。
今回はs7ダブルで使ったバイバニラマタドガスという並びの紹介をします。
前半はこの2体の並びの考察、後半はs7ダブルで最終54位の構築の紹介をします。
目次
前半 バイバニラマタドガスの紹介
2.マタドガス(ガラルのすがた)
(以下常体)
僕がマタドガスを初めて使ったのは2019年12月。
バンバドロ軸の構築を考えていて、特性ふゆうのロトムに対してバンバドロのじめん技を通すためにマタドガスを採用した。
この構築を使ってs1とs2では最終69位という結果を残すことができた。
s2からは、ドラパルトやインテレオンのダイジェット+最速マタドガスで、相手の最速エルフーンを50%の確率(こだわりスカーフマタドガスであれば100%)で行動させずに倒す動きが少しずつ増えてきた。
s3からは、エルフーンより速いポケモンのこごえるかぜやダイアタック+マタドガスで、エルフーンを確実に行動させずに倒す動きも出てきた。
*すばやさ(S)関係は、S+1最速マタドガス=最速エルフーン、最速マタドガス>S-1最速エルフーン
INC Februaryでは、僕が当時Twitterでフォローしていたダブル勢約100人のうち4人がインテレオン+マタドガスを使っていた。
しかし、s4でキョダイラプラス、フシギバナ、アシレーヌが解禁されて、インテレオンが相対的に弱体化すると同時にマタドガスもあまり使われなくなった。マタドガス自体もとくぼうが低いため、特殊エースの解禁は逆風だった。
僕がマタドガスを再び使ったのはs5の最終日。セキタンザン軸を使っていてエルフーンやオーロンゲ入りの相手が厄介だったため、インテレオンとともに採用した。s2以来の最終2桁(76位)に入ることができた。
s6でもセキタンザン軸の裏選出としてマタドガスを使った。このとき初めてバイバニラと組み合わせて使った。
そしてs7を迎えた。
3.バイバニラとマタドガス
もしバイバニラとマタドガスを相手が先発させてきたらどう思うか?
「あれ?あられが降らない?ああ、かがくへんかガスがあるからか。でも味方のゆきふらしまで消しちゃっていいの?はがね一貫してるし、なんとなく弱そう。」
第一印象はこんな感じかなと思う。
ただ、バイバニラの持ち物がこだわりスカーフだと知れば、インテレオンマタドガスやドラパルトマタドガスを知っている人には意図がわかると思う。
こだわりスカーフのこごえるかぜ+かがくへんかガスで行動順に影響する特性を無効化
→常にすばやさ関係で有利を維持する先発である
4.長所
①すばやさ関係で有利になる
採用理由であり、一番の長所であり、この組み合わせのすごいところ。
具体例をあげて紹介していく。
【対エルフーン】
- エルフーンの特性いたずらごころを無効化して、こだわりスカーフバイバニラはエルフーンの行動より先にこごえるかぜを使える
- こごえるかぜの効果でエルフーンのすばやさが下がると、そのターンからマタドガスがエルフーンより先に行動できるようになる(最速マタドガスはS-1最速エルフーンより速いため)
つまり、エルフーンがきあいのタスキを持っていてもこごえるかぜ+ヘドロばくだんで行動させずに倒せるので、相手のおいかぜを防げる。
【対ドラパルト】
ドラパルトの特性クリアボディを無効化して、先行こごえるかぜですばやさを下げられる。
【対ダイジェットエース】
先行こごえるかぜでダイジェットのすばやさ上昇を打ち消せる。
ちなみに先制技でバイバニラを倒しながらダイジェットをされるとすばやさ上昇を許してしまうが、ゴリランダーのグラスメイカー、エースバーンのリベロ、ローブシンのてつのこぶしは無効化できるため、強力な先制技は被弾しにくい。
バンギラスの特性すなおこしもドリュウズの特性すなかきも無効化して、こごえるかぜを先に使ってすばやさを下げられる。
コータスの特性ひでりもフシギバナの特性ようりょくそも無効化して、上と同様。
②効率良く相手にダメージを与えられる
メイン戦術で使うこごえるかぜの威力は55である。追加効果は優秀だが威力は低い技という印象が強い。しかし、この威力はシングルバトルでのものである。
ダブルバトルでのこごえるかぜの実質的な威力は約82である。
*そもそもダブルバトルでは、相手2体を攻撃する技の威力は0.75倍される。しかし2体を攻撃するため、(元の威力)×0.75×2で実質的な威力は元の威力の1.5倍である。
こごえるかぜの場合、相手1体に対する威力は約41で、2体を攻撃するため実質的に82だといえる。
これは同じこおりタイプ技でよく使われるフリーズドライをしのぐ威力であり、高いとはいえないが低くはない。
マタドガスはタイプ一致でマジカルシャインが使える。これも相手2体を攻撃する技なので、実質的な威力は120である。
このような相手2体を攻撃する技と自分以外を攻撃するじしんなどを含めて一般的に範囲技と呼ぶ。範囲技は実質的に元の威力の1.5倍であることに加えて、まもるやこのゆびとまれなどの特定のポケモンへの攻撃を防ぐ技を使う相手にも有効である。
バイバニラマタドガスは、単体攻撃の高火力技は覚えないが、範囲技を使って効率的にダメージを与えることができるため、後発のエースが簡単に相手を倒せるようになる。
③相手のプランを崩せる
これこそがかがくへんかガスマタドガスの真骨頂。
s7使用率上位のポケモンを例にあげて紹介する。
1位トゲキッス:きょううんを無効化するため、急所に当てられる可能性が低い。てんのめぐみを無効化するため、エアスラッシュの怯みなどの追加効果を引きにくい。
2位エースバーン:リベロを無効化するため、ほのお技以外の被ダメージを抑えられる上に、こちらが攻撃するときにタイプ変化を考慮しなくていい。
3位エルフーン:いたずらごころを無効化する。詳しくは①に述べた通り。
4位ドラパルト:クリアボディを無効化するため、能力を下げられる。
5位サマヨール:道具をおみとおしされない。
6位バンギラス:すなおこしを無効化するため、天候が砂嵐にならず、砂嵐のスリップダメージや厄介なとくぼう上昇がない。
7位ゴリランダー:グラスメイカーを無効化するため、くさ技の威力上昇がなく、グラススライダーを先制で使えない。
8位ドリュウズ:すなかきを無効化するため、砂嵐下でもすばやさ上昇しない。
9位ガオガエン:いかくを無効化するため、味方のこうげきを下げられない。
10位アシレーヌ:うるおいボイスを無効化するため、ハイパーボイスがノーマル技のままである。
11位ミロカロス:かちきを無効化するため、躊躇せずにこごえるかぜなどで能力を下げられる。
12位ウインディ:いかくを無効化するため、味方のこうげきを下げられない。
13位ローブシン:てつのこぶしを無効化するためパンチ技の威力が上がらない。こんじょうを無効化するため、かえんだま持ちはやけどによって攻撃が下がる。
14位イエッサン:サイコメイカーを無効化するため、エスパー技の威力上昇がなく、ワイドフォースを範囲技として使えない。先制技が自由に使える。
15位ウォッシュロトム:ふゆうを無効化するため、じめん技が効果抜群。
16位ラプラス:ちょすいを無効化するため、みず技でもダメージを与えられる。
17位フシギバナ:ようりょくそを無効化するため、晴れ下でもすばやさ上昇しない。
18位コータス:ひでりを無効化するため、天候が晴れにならず、ほのお技の威力上昇や、みず技の威力半減が起こらない。
19位ジュラルドン:すじがねいりを無効化する。
20位ミミッキュ:ばけのかわは無効化されない。
その他
ウオノラゴンのがんじょうあご、ニンフィアのフェアリースキン、トリトドンのよびみず、カビゴンのくいしんぼう、セキタンザンのじょうききかん、ウォーグルのまけんき、アーマーガアのミラーアーマー、ピッピのフレンドガード、パッチラゴンのはりきり、ヒヒダルマのごりむちゅう、ペリッパーのあめふらし、ストリンダーのパンクロックの無効化も非常に有効である。
使用率上位には特性が採用理由であるポケモンが多く、ほとんどのプレイヤーは特性が発動することを前提に構築を組んでいる。そのため、特性が発動しなければ事前に考えたプラン通りにはならない。
相手の特性を消すことで相手の強みを消せるため、火力や耐久が中途半端なマタドガスでもダメージレースで不利にならない。
5.短所
火力が足りない。耐久を上げるダイアースやダイスチルを相手に使われやすい。
攻撃的な相手には強いものの、相手の先発が耐久が高いポケモンや耐久を上げるポケモンだとダメージレースで不利になりがちである。
6.バイバニラの採用理由
こごえるかぜを覚えて、こだわりスカーフを持たせてドラパルトを抜けるポケモンは、シリーズ4で使えるポケモンの中で30匹以上いた。その中でバイバニラを採用した一番の理由は、こごえるかぜを使ったときに相手に与えるダメージ量が最も大きいからである。
なぜこごえるかぜに威力を求めるのか?
バイバニラマタドガスは、すばやさ関係で有利を維持することで、後発のエースが相手に先行して攻撃できるようにする先発である。しかし、仮に相手にほとんどダメージを与えられていない状態で後発のエースを出すことになれば、すばやさ関係では有利でも状況としては不利である。
つまり、先発2体で相手に多くダメージを与えることはとても重要である。特にこごえるかぜを連打するポケモンの火力が低いと放置されてしまい、実質2対1で戦うことにもなりかねない。
後半 s7ダブルの構築紹介
7.構築の概要と結果
ここからはs7ダブルで最終54位となったバイバニラマタドガス入りの構築紹介。やっとここまできたということで、良かったらもう少し付き合ってください。
(追記:レンタルチームは削除しました)
先発バイバニラマタドガスから展開して、後発のダイマックスドラパルトとハチマキウインディで相手を一掃していく。対トリックルーム構築やバイバニラマタドガスの先発を出す意味がない相手には、アシレーヌやナットレイを含めた柔軟な選出をする。
結果
s7ダブル 最終レート1913 最終54位
日本一決定戦予選 最終レート1735 最終180位
8.構築経緯
バイバニラマタドガスの先発で序盤を有利に進めて、後発のダイマックスエースを通す構築を組みたいと考えたため、バイバニラとマタドガスは採用確定。
エース枠としては、すばやさが相手のダイマックスエースより速く、すばやさ有利を維持するためにダイジェットを使えるポケモンが適していると考え、ドラパルトを採用した。
ドラパルトとともに後発から出すサブアタッカーとしては、削れた相手を倒していくスイープ能力が高いポケモンが適していると考え、ウインディを採用した。ウインディは、ドラパルトのダイホロウと相性がよく、先制技のしんそくも強い。
残り2枠は、ここまでの4体で対応できないトリックルーム軸やキョダイラプラス軸などの相手に出すポケモンとして、アシレーヌとナットレイを採用した。
この2枠の条件は、トリックルーム下のラプラス、アシレーヌ、ドサイドン、ブリムオンなどのエースに対して強く、トリックルーム軸によく採用されるトゲキッスやイエッサンに対して弱くないポケモンであること。
アシレーヌとナットレイを採用したのは、なんとなくドラパルトウインディと相性が良さそうで使い慣れているポケモンだから。
ドラパルトウインディアシレーヌナットレイの採用理由は決め手に欠けており、この4枠はいずれも考察不足である。シーズン最終2桁という結果は残せたが、構築の完成度はあまり高くないと思う。
9.個体紹介
H:HP、A:こうげき、B:ぼうぎょ、C:とくこう、D:とくぼう、S:すばやさと表記する。
- 性格 おくびょう
- 努力値 H4 C252 S252
- 実数値 141-95-140-137-90-123
この構築の肝。かがくへんかガスはものすごく強い。今回はこのポケモンが場に残ることが大切なので、きあいのタスキを持たせた。ねっぷうはなくてもいいけど、ほのお技がないと使いにくい印象がある。
- 性格 おくびょう
- 努力値 H4 C252 S252
- 実数値 146-95-105-162-115-144
ふぶきを使わなくてもバイバニラは強い。こごえるかぜの蓄積ダメージは意外と大きい。
- 性格 ようき
- 努力値 H172 A252 S190
- 実数値 185-172-95-108-95-190
エースバーンより速いアタッカー。バイバニラマタドガスの後発エースとしては強かったが、基本選出以外ではあまり活躍しなかった。うっぷんばらしはやめてほしい。
- 性格 ようき
- 努力値 H4 A252 S252
- 実数値 166-162-100-108-100-161
こだわりハチマキウインディは初めて使ったが、強かった。ドラパルトのダイホロウと合わせてごり押しで相手を倒せる。
めいそうアシレーヌはトリックルーム軸に対して強かった。物理耐久ラインは、いのちのたまエースバーンのダイジェット耐え。なぜか努力値が余ってることに記事を書いていて気づいた。
- 性格 ゆうかん
- 努力値 H252 A252 B4
- 実数値 181-160-151-66-136-22
みずタイプに困ったらとりあえずナットレイ。トゲキッスやイエッサンに強くするためにオッカのみを持たせた。
10.選出
①基本選出
先発
後発
トリックルームを使うポケモンがいなければ大体この選出。ほとんど交換はせず、バイバニラかマタドガスが倒れたらドラパルトを出す展開が多い。先発2体のうちできればバイバニラが先に倒れてほしい。(シン・タンザンの裏選出の場合はマタドガスが先に倒れてほしかったのでそこは後発2体次第)
先発または
後発または
バイバニラとマタドガスを出しにくいトリックルーム軸やラプラス軸に選出する。基本選出の次に多い選出。
③マタドガス入り
先発
後発
マタドガスのかがくへんかガスは有効にはたらくが、バイバニラは出しにくいセキタンザン軸や一部のスイッチトリル軸などの相手に対する選出。ドラパルトが初手ダイマックスする。
④バイバニラ入り
先発
後発
ドラパルトバイバニラの先発で押していけそうな相手に選出する。
11.おわりに
バイバニラマタドガスの並びは想像より強かったです。あまり完成度が高くないこの構築でも最終2桁を達成できたので、周りの組み合わせをよく考えればもっと勝てると思います。この記事を読んでマタドガスに興味をもってくれる人が増えたら嬉しいです。ここまで読んでくださりありがとうございました!
【INCMay・s6ダブル】シン・タンザン
1.はじめに
こんにちは、コウです。
今回は、先日行われたINCMayで使った構築の紹介をしていきたいと思います。
目次
2.概要
今回紹介する構築の名前は「シン・タンザン」です。
「シン」には、「新」や「進」や「信」などの意味を込めました。(全く関係ないことですが僕はシン・ゴジラが好きです。)
「タンザン」は、構築の軸であるセキタンザンのことです。
従来のセキタンザン軸とは大きく異なる新しさがあり、何度も改良を重ねて進化した、とても信頼している構築です。
(追記:レンタルチームは削除しました)
メインの戦い方は、アシレーヌのアクアジェットで味方のセキタンザンの特性じょうききかんと持ち物じゃくてんほけんを発動させて、すばやさが6段階・こうげきが2段階上昇したセキタンザンが相手を倒していくことです。
他のセキタンザン軸ではあまり見られない大きな特徴として、
- 基本的に相手より先にダイマックスをしないこと
- メインの選出ではサイクル戦をすること
があげられます。この2点については構築経緯の中で詳しく紹介します。
3.結果
INCMay
最終30位 30‐8 レート1807
ランクバトルシーズン6
最終10位 77-31 レート2034
4.構築経緯
(以下常体)
[4月下旬 シン・タンザン第1形態]
INCMayからさかのぼること約3週間、ランクバトルシーズン5最終日には以下の構築を使っていた。(追記:以下のレンタルチームは削除しました)
とを先発で並べて、がなみのりを使い、キョダイマックスしたの特性じょうききかんと持ち物じゃくてんほけんを発動させるコンボを軸としている。
とは、セキタンザンが苦手とする相手に強く、ここまでの4匹が基本選出である。
とは、基本選出では対応が難しい、特性いたずらごころのエルフーンやオーロンゲ入りの一部の構築に対して強い裏選出の先発要員として採用していた。
この構築を使ってシーズン5では最終76位という結果を残すことができた。
[5月上旬 第1形態の見直し]
5月になってシーズン6が始まり、まずはこの前期の構築を見直してみようと思った。
まずはいいところから
- +++という基本選出の4匹の並びの相性が非常に良い。
- のキョダイマックス技であるキョダイフンセキが強すぎる。(*キョダイフンセキの追加効果は、4ターンの間、いわタイプを除く相手の場にいるポケモンに、ターン終了後最大HPの6分の1のダメージを与える)
- ほとんどの相手に対してはを暴れさせることができれば勝てるので、初めから勝ち筋を意識してプレイングすることができる
- 基本選出と裏選出の2つの選出パターンの対応範囲が非常に広く、ほとんどの相手に大きく不利をとることがないので、選出で迷わない
- 相手の特性いたずらごころのポケモンに対して、の特性かがくへんかガスがとても有効にはたらく。
次に課題点
- という先発が有名になりすぎたため、対策されることが増え、1ターン目になみのりでじょうききかんとじゃくてんほけんを発動させる動きが滅多にできない。
- サイドチェンジを有効に使わないと勝てない対戦が多く、択勝負になって勝率が安定しない。
- 相手のバンギラスやドリュウズなどの物理アタッカーに対して、のおにびを当てられないと厳しい展開になる。おにびの命中率は85%であることに加え、このゆびとまれなどで引き寄せられて目的の相手に当てられないことがよくあった。
- に、相手のラプラスやアシレーヌなどのみず技を受けてもらうためにとつげきチョッキを持たせたため、まもるを採用できず、相手のおいかぜやトリックルームターンをしのぎきれないことがよくあった。
- の攻撃技が、1ターン攻撃するまでにラグがあるゴーストダイブと、ほとんどダメージが期待できないなみのりのみで、使いづらかった。
- 相手のドラパルトの攻撃で、が行動する前に一撃で倒されると厳しい展開になる。
- の先発で出した際に、相手のトリトドン、ウォッシュロトムなどのみずタイプのポケモンを倒すのが難しい。
[5月9日 シン・タンザン第2形態]
まず、課題点6と7を解決するためにをに変えた。
もともとは、エルフーンより速くこごえるかぜを使えることが主な採用理由だった。エルフーンより速いポケモンのこごえるかぜ+特性かがくへんかガスののヘドロばくだんで、相手のエルフーンを行動させずに倒すことができる。
こごえるかぜと同じく相手のすばやさを下げる追加効果がある、がんせきふうじやエレキネット、もしくは味方のすばやさを上げるダイジェットでは同じ役割は果たせない。
例えば相手の先発がエルフーンとドリュウズの場合、がんせきふうじやエレキネットではエルフーンのすばやさは下げられてもドリュウズのすばやさは下げられないため、ドリュウズの攻撃で、が行動する前に倒される可能性が高い。
ダイジェットは、すばやさが1段階上がった最速は最速エルフーンと同速であるため、2分の1の確率で先に行動できない。
すばやさがエルフーンより速くこごえるかぜを使えるポケモンは、とのみである。しかしこの両者は6と7の課題点を解決できない。そこでこだわりスカーフを持たせればエルフーンより速くこごえるかぜを使えて、6と7の課題を解決できるポケモンを探した。
この条件を満たすポケモンは複数いたが、そのなかで最もこごえるかぜの威力が高く、耐久もそれなりに高いポケモンとしてを採用した。こだわりスカーフを持つことでドラパルトよりも先に行動することができ、みずタイプに対してフリーズドライで弱点をつくことができる。
課題6と7解決!!!
[5月10日 シン・タンザン第3形態]
次に1~4の課題点を解決するためにの技を変えた。
課題1のなみのりでじょうききかんとじゃくてんほけん発動することが難しいということ、課題2のサイドチェンジを有効に使わないと勝てないということを踏まえて、これらの技をメインで使うことをやめようと思った。
もともとを軸にした構築は、なみのりでじょうききかんとじゃくてんほけんが発動したの攻撃を通していく対面的な動きがメインであることが多い。先発の2匹で数的有利をとって、後発の対面性能や詰め性能が高いポケモンで残った相手を倒していくという戦い方である。
しかし対策が進んだ環境でこの動きを通すためにはサイドチェンジが不可欠であり、それが択勝負を生むことになり、安定して勝つのが難しくなる。
そこで、対面的に戦うのではなく、交代を駆使したサイクル戦ができる構築を作ろうと考えた。
もともとシーズン5でも、に対して飛んでくるダイストリームをに交換して受けて、相手のダイマックスターンが切れたあとにのアクアジェットでのじょうききかんとじゃくてんほけんを発動させて相手を倒していくという動きはときどきやっていた。
そもそもの先発が相手に与える圧力は非常に大きく、じゃくてんほけんが発動したセキタンザンのダイバーン、キョダイフンセキ、だいばくはつなどの攻撃全てをダイマックスせずに耐えられるポケモンは、サマヨールなどのごく一部のポケモンのみである。
そのため、は相手にダイマックスを強いることができる先発であるといえる。
例外としてエルフーン、オーロンゲ、サマヨールを相手が先発させてきた場合は、初手ダイマックスを強いることができない。
しかし、エルフーンやオーロンゲに対しては、の先発をすることで、相手が初手ダイマックスするかどうかにかかわらず有利をとれることが多い。
サマヨールは攻撃性能が非常に低いので、放置しておけば実質2対1で戦えるので問題ない。そもそもサマヨールは、HP上昇によって倒しづらいダイマックスしたポケモンが横に並ぶ場合や、こちらがダイマックスをしている状態では、厄介な相手である。しかし、互いにダイマックスしていないポケモンが並ぶ場面では全く怖くない。
ダブルバトルでは、これまで初手ダイマックスが多かったが、最近は相手のダイマックスをしのいだあとの後発ダイマックス構築が増えている。しかし後発ダイマックス構築の大きな課題は、相手に先にダイマックスを切らせることである。現在の後発ダイマックス構築は、相手が先行ダイマックスを切ってくることを前提に組まれているものが多く、後発ダイマックス構築同士の対戦における回答を用意できていないものも多い。
という先発は、多くの後発ダイマックス構築の課題である、相手に先にダイマックスを切らせることができるという大きなメリットがある。
それに加えて、のアクアジェットでじょうききかんとじゃくてんほけんが発動したの後発ダイマックスを、ダイマックス権が残っていない状態で受けきることは非常に難しい。
つまり、1ターン目に相手にダイマックスを切らせて、それをしのぎきり、その後とが並ぶ盤面を作って後発ダイマックスをしていくことが、この構築の勝ちパターンである。
ここで問題となるのが、相手のダイマックスターンをいかにしのいで、後発ダイマックスの展開につなぐかということであり、それは課題3~5と関係してくる。
まず、相手のダイマックスターンをしのぐことについて。シーズン5の構築でセキタンザンが初手ダイマックスしないときは、のおにびと、とつげきチョッキをもったでしのいでいた。
相手のダイマックスターンをしのぐポケモンとして、みずタイプの技のみを受けるのであれば特性よびみずのトリトドン、じめんタイプの技のみを受けるのであれば飛行タイプがより適している。しかし、剣盾ダブルの構築ではみずタイプとじめんタイプのアタッカーがどちらも採用されていることが多い。そこで、みずタイプとじめんタイプ両方の攻撃技を受けられるポケモンであるが適していると考えた。
追記:トリトドンや飛行タイプを採用すると相手がダイストリームやダイアースを使いにくくなるが、こちらとしてはむしろ使ってほしいのであえてじめんの一貫をつくっている。
しかし、おにびを目的の相手に当てられないと厳しいという課題3と、みずタイプのポケモンの技を受けるためにとつげきチョッキをナットレイに持たせると、まもるが使えないため、他のタイプの攻撃技を受けきれないことがあるという課題4がある。
この二つの課題を解決するためにリフレクターとひかりのかべを覚えたを採用した。INCAprilで1位だったWolfe Glickさんの構築に採用されていたのを参考にした。
リフレクターは味方全体のぼうぎょを実質的に1.5倍にする(ダブルバトルでは相手の技の威力を3分の2倍にする)技で、このゆびとまれなどに邪魔されない。ひかりのかべは味方全体のとくぼうを実質的に1.5倍にするため、とつげきチョッキを持たせたときと同等の耐久をに与えることができ、これによって持ち物が自由になって、まもるを採用することができた。
この時のの技は、ドラゴンアロー、なみのり、リフレクター、ひかりのかべである。課題5については、本来攻撃したい相手にトゲキッスなどのフェアリータイプが含まれるため、解決はしていない。
[5月15日 シン・タンザン第4形態]
第3形態からこの第4形態になる間にゴーストダイブ、ワイドブレイカー、なみのり、ひかりのかべを覚えたドラパルトを使っていたが、強くなかったので詳しく解説はしない。
まだ残っている課題5を解決するためにの技を再び見直そうと考えた。ワイドブレイカーが想像以上に使いづらかったため、相手のダイマックスをしのぎきるためにリフレクターとひかりのかべは必要だと結論付けた。
残る技の枠は2つだが、ここでなみのりがいらないのではないかと考えた。もともと構築の軸であった技だが、このころにはほとんど使うことがなくなっていた。しかし、なみのりがないと困る相手はいる。例えば、先発のドラパルト+ルカリオまたはミミッキュの通称ホロウビート、このゆびとまれを使うイエッサン+はらだいこを使うカビゴンに対しては、なみのりによるじょうききかんとじゃくてんほけんの発動をしたい。
ただ、これらの相手の先発はなみのりとじゃくてんほけんの並びを苦手としているため、それを警戒されて別の先発をされることが多い。
僕はなみのりを採用するメリットより、トゲキッス、ドリュウズ、サマヨールなどの被選出率が高いポケモンに対して瞬間打点があるメリットのほうが大きいと考えた。
そもそもなぜこれらのポケモンに対して瞬間打点が欲しいのかというと、と(と)には、相手のダイマックスをしのぐだけでなく、後発ダイマックスにつなげるという役割があるからである。トゲキッスが残っているとアクアジェットをこのゆびとまれで吸われてしまう、ドリュウズのきあいのタスキを潰しておかないとダイバーンで倒せないということになるため、これらのポケモンを削ることが必要である。
そこで、の残りの2つの技はシャドーボールと10まんボルトを採用した。
[5月22日 シン・タンザン第5形態]
INCMay初日である。第4形態で第1形態の課題はクリアできたが、少しだけ懸念材料があった。それはドラパルトのなみのりを切ったことでカビゴン+このゆびとまれに弱いこと、おにびを切ったことでバンギラスドリュウズの並びに対する動きに不安が残ることである。
また、INCの目標はレート1800だったが、ランクバトルと異なり対戦数の上限が決まっているINCでこの目標を達成するには、最低でも勝率75%は必要である。第4形態を使っても勝率65%はいける自信があったが、それ以上はプレイングと運が噛みあわないと難しいと考えていた。
以上の懸念材料から、の10まんボルトをサイドチェンジに変えた。
もともと相性補完に優れるこの構築とサイドチェンジの相性はとても良い。はらだいこを使うカビゴンを軸とした構築は攻撃ソースが単体技に偏っているためサイドチェンジに弱く、バンギラスドリュウズに対してはサイドチェンジを使うことでの行動回数を増やせると考えた。
また1勝の価値が大きいINCでは、負け試合をひっくり返せる可能性があるサイドチェンジは上振れ要素になると考えた。
5.個体紹介
H:HP、A:こうげき、B:ぼうぎょ、C:とくこう、D:とくぼう、S:すばやさと表記する。
選出率とダイマックス率はINCMayのときの記録である。
セキタンザン(キョダイマックス個体)
この構築の絶対的なエース。
基本的にはこのポケモンが後発ダイマックスをして、味方のアクアジェットでじょうききかんとじゃくてんほけんを発動させて、残っている相手のポケモンをすべて倒す。
選出誘導力と初手の相手の行動に与える影響がものすごく大きい。
持ち物は構築のコンセプトでもあるじゃくてんほけん。
技の採用理由
いわなだれ:いわタイプのメインウェポンで、範囲技であり怯みの追加効果も優秀。
フレアドライブ:ほのおタイプのメインウェポンで物理技最大火力。
10まんばりき:A+2ダイアースでバンギラスを倒すことができ、ジュラルドンにも強い。あまり使わないので他の技でも良い。
まもる:サイクル戦の中で相手の攻撃をしのぐために必要で、キョダイフンセキのダメージ蓄積とも相性が良い。
今回物理型を採用した理由は、
- 相手の先行ダイマックスで、こちらのポケモンに一貫するダイアースを使われることが多く、特殊型だととくぼうが上がった相手に技を耐えられる可能性が高まるから。
- キョダイフンセキの威力が、物理最高130(いわなだれベース)、特殊最高110(げんしのちからベース)とかなり差があるから。
- ダイマックスしていないときのいわタイプの攻撃技として、いわなだれのほうが威力や追加効果がげんしのちからより大きく優れているから。
- 特殊型のメリットとされるソーラービームを採用する必要性を感じなかったから。
後発ダイマックスからのキョダイフンセキはものすごく強い!!!
ドラパルト
先発で出して相手の攻撃をしのぐためにリフレクターやひかりのかべを使う。
先発で壁を張って倒されて退場というケースが多いが、対トリックルーム軸では壁を張ったあと一度引いておくとトリックルームが切れた後にシャドーボールが有効にはたらく。
特性はキョダイセンリツによって張られたオーロラベールの影響を受けずにシャドーボールを通せるすりぬけ。特殊型のきあいのタスキ持ちでは、相手から受ける能力ダウンはそれほど影響がないため、クリアボディは必要ないと考えた。
持ち物は相手の攻撃を一度は必ず耐えられるようにきあいのタスキ。
技の採用理由
シャドーボール:メインウェポン。命中安定でゴーストダイブのような行動ラグもなく、トゲキッスなどのフェアリータイプも削れる。
リフレクター:相手の攻撃をしのぐという役割を果たすために欠かせない技。
ひかりのかべ:リフレクターと同様。
サイドチェンジ:横に並ぶの技を相手に通したいが、ナットレイが行動する前に倒されてしまう可能性があるときに使う。
のじょうききかんとじゃくてんほけんの起動要員。
採用理由は、簡単に言うとアクアジェットを使えるポケモンの中で、火力耐久がどちらも高くタイプも優秀だから。
実はこの構築における最重要ポケモンで、を展開する前にが倒されると勝てないので、HP管理が重要。
持ち物は、場持ちをよくするためのオボンのみ。たべのこしだと相手の集中攻撃が耐えられないことがある、混乱実だと発動せずに倒されることがあるため。
努力値はいのちのたま持ちドラパルトのダイホロウ(ゴーストダイブベース)を耐えるようHとBに振って、残りC。他の記事を真似しただけの調整だが、なんとなく使い勝手が良かったためそのまま使った。
技の採用理由
ねっとう:命中安定のみずタイプのメインウェポン。うるおいボイスハイパーボイスはダイマックスしたときにみずタイプではなく、ダイストリームを打ちたい場面があるためこちらを採用。
ムーンフォース:フェアリータイプのメインウェポン。ダメージを蓄積させるよりも相手を倒す役割が大きいため、範囲技のマジカルシャインではなくこちらを採用。
まもる:このポケモンのHPを残すことは非常に重要であり、キョダイフンセキのダメージを稼ぐためにも有用である。おそらくこの構築で最も多く使った技。
ダイマックス率はに続いて高い。ただしがダイマックスするのは、すれば絶対に勝てるときか、しなければ絶対に負けるとき。前者は、ドサイドンやコータスがエースのトリックルーム軸に対してすることがある。後者は苦しい展開だが、アシレーヌのダイマックスは強いので、意外と逆転できることがある。ただしがダイマックスすることを前提に構築を組んでいないので、いずれの場合も「絶対に」という条件が大切である。
後発から相手の技を受けるために繰り出す。相手のトゲキッスやみずタイプのポケモンを倒すという役割もある。縁の下の力持ち的な存在。
と並んで戦う場面では、倒されても展開につながるので強気に動かす。
特に対トリックルーム軸で重要で、相手のアシレーヌやラプラスといったエースの技を受けきり、パワーウィップやはたきおとすで相手に負荷をかけていく。
持ち物は、場持ちをよくするためにたべのこし。場に出ているターン数が多いため、たべのこしの回復は有効にはたらく。
技の採用理由
ジャイロボール:すばやさの遅さと相性が良いはがねタイプのメインウェポン。相手のトゲキッスやドラパルトへの有効打。
パワーウィップ:くさタイプのメインウェポン。命中安定のタネばくだんでは火力が不足しているので、くさ技最大火力のこちらを採用。
はたきおとす:サマヨールのしんかのきせき、ドサイドンのじゃくてんほけん、カビゴンのたべのこしなどの厄介なもちものをはたきおとすことで、結果的にダメージレースで有利をとるため。
まもる:相手のダイマックスターンをしのぐためや、コータス入りのトリックルーム軸のトリックルームターンを稼ぐため。
裏選出の先発要員で、こごえるかぜを連打する。
と並んでいると、かちき、まけんき、クリアボディなどの特性を無視して相手のすばやさを下げることができる。
フリーズドライはトリトドン以外に対して初手から使うことはあまりない。
特性のゆきふらしは、が先に倒れると発動してその後のキョダイフンセキと合わせたスリップダメージが意外と大きい。
持ち物はエルフーンやドラパルトより速く行動するためにこだわりスカーフ。
技の採用理由
こごえるかぜ:このポケモンの採用理由となる技。
フリーズドライ:トリトドンやウォッシュロトムなど重めなみずタイプへの有効打。
ふぶき:あられ下で非常に強い最高火力の範囲技。
ちょうはつ:役に立つことがあるかもしれない。使わない。
マタドガス(ガラルのすがた)
特性のかがくへんかガスが強い。
ピッピ入りの構築に対してダイマックスすることがある。
僕がランクバトル最終2桁をとったシーズン1,2,5,6全ての構築に入っている勝利の女神(♂)
持ち物は、足りない火力を補うためにいのちのたま。このポケモンにずっと残ってほしいという展開は少ないので、反動ダメージはプラスにはたらくこともある。
技の採用理由
ヘドロばくだん:どくタイプのメインウェポンで、エルフーンやオーロンゲを倒すため。トゲキッスにも有効。
マジカルシャイン:フェアリータイプのメインウェポン。相手を雑に削りたいときに使う。範囲技のため、ワンダースチームよりもダメージ効率が良い。
まもる:かがくへんかガスを維持したいときに使う。
6.選出
基本選出
先発
後発
6割以上の相手にこの選出。裏選出以外はほぼすべてこの選出。
1ターン目はドラパルトが壁を張って、セキタンザンをナットレイに交代することが多い。
裏選出
先発
後発
3割以上の相手にこの先発。特定の相手にのみする選出。
具体的には、エルフーン、オーロンゲ、その他特性いたずらごころのポケモン、ピッピ、雨パ、晴れパが入っている構築に対して選出を考える。
特にエルフーン+ウオノラゴンや、オーロンゲ+みずタイプなどのダイマックスを切らずにセキタンザンを処理できる並びや、エルフーン+アイアントのように高圧的な並びに対して選出することが多い。
ただし、ラプラス、サマヨール、その他高耐久トリックルーム要員がいた場合は絶対にこの選出はしない。
7.苦手な相手
・先発のドラパルト+サマヨール
サマヨール+速いじゃくてんほけん持ちダイマックスポケモンの並びは受けにくい。こちらのドラパルトが高速処理される上に、ダイホロウを半減以下に抑えるポケモンがいないため厳しい。ドラパルトがダイマックスせずにサマヨールがトリックルームすることもあるため、安定した勝ち方がない。
・カビゴン
型が多いポケモンで、高速処理できる技がないため苦手な相手である。はらだいこやのろいを積まれるのも、ダイマックスされるのも厄介である。ただ、最近増えているあくびカビゴンはそれほど苦手ではない。
・ネギガナイト、キョダイカイリキー
リフレクターを張っても急所で突破されるので厳しい。ネギガナイトは特性きもったまのため、かくとう技をドラパルトのサイドチェンジで受けることもできない。カイリキーはキョダイシンゲキで横のポケモンの急所ランクも上げてくるので、トリックルームと組まれていると攻撃をしのぎきることが難しい。
8.おわりに
久しぶりに納得ができるいい構築がつくれて嬉しいです。プレイングミスや不運を引くこと以外で負けた対戦はかなり少なかったです。プレイングミスがとても多い僕がこれだけの結果を残せたのは、構築が強かったからだと思います。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
印エルフーンと襷シャンデラでトリックルーム
1.はじめに
こんにちは。コウ(@kououp)です。
今回は剣盾ダブルのエルフーンとシャンデラによるトリックルーム始動を紹介します。(以下常体)
2.剣盾のトリックルーム始動
まず剣盾ダブルでよく使用されているトリックルーム始動方法について簡単に紹介する。
【A このゆびとまれ+トリックルーム】
剣盾のトリックルーム始動で最も有名な方法。
イエッサンやバタフリーでこのゆびとまれやいかりのこなをして相手の攻撃を引き寄せて、ブリムオンやサマヨールなどがトリックルームを使う。
【B ねこだまし+トリックルーム】
オーロンゲなどがねこだましを使って相手1体をひるませ、ミミッキュやシャンデラなどがトリックルームを使う。
【C トリックルーム持ち2匹並べる】
ゴチルゼル+シャンデラなどトリックルームを覚えるポケモンを2匹並べて先発させることで、どちらがトリックルームを使うか相手を迷わせる。
【D 高速高火力ポケモン+トリックルーム】
ヒヒダルマやドラパルトなどの高速高火力のポケモンで相手に圧力をかけて、サマヨールなどがトリックルームを使う。
3.エルフーン+シャンデラとは
ここからが本題。僕が考えたトリックルーム始動要員は・・・
おうじゃのしるしをなげつけるエルフーン+きあいのタスキシャンデラ
おうじゃのしるしなげつけるで相手をひるませてトリックルームをサポートする。かなり前からある戦い方だが、剣盾でダブルを始めた、トリックルームパーティを使い始めたという人など知らない人も多いはず!しかもこれかなり強い。
①トリックルームを成功させやすい
は、素早さが非常に高いので相手より早く動いておうじゃのしるしをなげつけてひるませる。つまりねこだましに近い。
ねこだまし+トリックルームと比べて良いところは、読まれないこと。
おいかぜやうそなきを使う+アタッカーという並びが強いので、相手からするとその対処をまず考えなければならない。
②トリックルーム始動後すぐにエースを展開できる
はおきみやげを覚えるので、トリックルームが成功したあとすぐに自主退場できる。
さらに自身も強力なアタッカーであるため、相手からすると放置できない。
③1ターン目の動き方が多様
がおきみやげを1ターン目に使って、トリックルームをサポートしても良い。
おいかぜを使いつつで攻撃したり、後発のエースを繰り出したりしても良い。
の技次第で様々な動き方ができる。
④使いやすい
トリックルームパーティ全般に言えることだが、あらかじめ考えた基本的な動きをするだけで勝てる。スタンダードパーティでは重要な、経験や知識に基づく、高度なプレイングや読みはあまり必要ない。
5.構築例
エルフーン+シャンデラを軸にしたパーティで、僕が所属しているポケモンサークルの対戦企画で使用した構築を簡単に紹介する。
@おうじゃのしるし いたずらごころ
なげつける おきみやげ マジカルシャイン おいかぜ
努力値 HP4 特攻252 素早さ252
性格 素早さ↑ 攻撃↓
@きあいのタスキ もらいび
トリックルーム ねっぷう シャドーボール まもる
努力値 HP252 防御4 特攻252
性格 特攻↑ 素早さ↓
@いのちのたま マイペース
じしん いわなだれ ヘビーボンバー インファイト
努力値 HP252 攻撃252 特防4
性格 攻撃↑ 素早さ↓
@オボンのみ ふゆう
10まんボルト ハイドロポンプ わるだくみ ひかりのかべ
努力値 HP252 防御4 特攻252
性格 特攻↑ 攻撃↓
@ラムのみ ミラーアーマー
ブレイブバード アイアンヘッド ビルドアップ はねやすめ
努力値 HP252 攻撃140 特防116
性格 特防↑ 特攻↓
@こだわりメガネ ふゆう
あくのはどう りゅうせいぐん かえんほうしゃ だいちのちから
努力値 HP4 特攻252 素早さ252
性格 素早さ↑ 攻撃↓
基本選出は、
先発:エルフーン+シャンデラ
後発:バンバドロ+ロトムorアーマーガア
トリックルームを使わない選出として、
先発:ロトム+アーマーガア
後発:サザンドラ+α
というメンバーを見てトリックルームは警戒されにくい。
6.おわりに
トリックルーム構築の使用は剣盾になって増えましたが、まだまだ開拓されていない部分があると思います。この記事がINCやランクバトルを戦うプレイヤーの参考になれば嬉しいです。
カルフール杯2位 月食ネクロオーガ
1.はじめに
こんにちは。コウ(@kououp)です。
今回は2月15日に開かれた仲間大会「カルフールはい」(usumウルトラルール)の使用構築を紹介します!
2.構築の概要
今回使った構築は「月食ネクロオーガ」です。
名前の通りネクロズマ(あかつきのつばさ)とゲンシカイオーガを軸とした、伝説ルールらしい豪快なパーティです!
以前ウルトラサンムーンのwcsレートで使っていた構築です。
3.結果
カルフールはい 10勝2敗 最終1603 2位
参考:usumシーズン17 最終1806 23位
4.1構築の始まり(ちょっとした余談)
2019年8月30日。所属しているポケモンサークルの六大学交流会に参加した僕は、ウルトラルールの対戦企画でパルキア+ソルガレオを軸にしたパーティを使った。結果2勝3敗で、好きを理由に使ってきたパルキアの強さに限界を感じた。
9月7日。usumレートシーズン17が始まってすぐの頃。ツイッターのTLに、あるウルトラルール用のQRレンタルパーティのツイートが流れてきたので、いいねを押してレートで使ってみた。これがとても良いパーティで、1週間使って26勝9敗でレート1700に到達。しかも毎試合楽しかった。
9月18日。とあることに気がついた僕は、自分が使ったQRパーティの作成者のツイッターのDMにメッセージを送った。
はじめまして
コウといいます
レートでこげぱんさんのqrパを使っていて、フォローしましたが、六大学交流会で草zアマージョを使っていた人ですか?
違ってたらすみません
気になったのでDMしました
僕の記憶は正しかった(気づくの遅いけど)。
そしてこげぱん君のQRパーティを参考に新しいパーティを考えようと決意した。正直このQRパーティに出会えてなければ、ウルトラルールはもういいやと諦めていたと思う。
4.2構築経緯
参考にした前述のQRパーティは、トリックルームを覚えた月食ネクロズマとゲンシグラードン、メガクチートを軸にしたパーティだった。
月食ネクロズマが非常に強かったので、このポケモンを軸にしようと決めた。
2枠目の伝説としてグラードンではなくカイオーガを使おうと考えた。理由は4世代伝説ルールからのイメージで最強のポケモンだから。
メガ枠としてメガクチートを入れようと思ったが、トリックルームを軸にするとグラードンに勝てないのでやめた。代わりにトリックルームをしなくてもゼルネアスやレックウザに強く大好きな色違いメガメタグロスを採用。
次にサイコフィールドでネクロズマの火力を強化し、イベルタル、レックウザ、ウルトラネクロズマなど多くの伝説ポケモンに大ダメージを与えられるカプ・テテフ。
ここまでゴーストタイプやあくタイプの攻撃に非常に弱く、トリックルーム下のグラードンも止められないため、タイプと特性いかくでこれらを受けられるズルズキン。
最後に上の5匹では苦手なカプ・テテフ+ルナアーラor月食ネクロズマ、ゼルネアス+ルナアーラorネクロズマ、イベルタル入り構築に強いナットレイ。
5.個体解説
H:HP、A:攻撃、B:防御、C:特攻、D:特防、S:素早さとする。
175(20)-×( )-130(4)-206(228)-148(4)-141(252)
フォトンゲイザー/シャドーレイ/だいちのちから/まもる
H-D
ウルトラバースト状態でC特化ゲンシカイオーガのれいとうビーム確定耐え
エスパー、ゴースト、じめんという技範囲はとても通りがいい。Z技は超火力でサイコフィールドがあればゲンシカイオーガを一撃で倒せるほど。
なんといっても天焦がす滅亡の光
193(140)-×( )-125(116)-220( )-180( )-142(252)
しおふき/こんげんのはどう/れいとうビーム/まもる
H-B
A252振り珠メガレックウザのガリョウテンセイ確定耐え
H-D
C特化+2ゼルネアスのムーンフォース確定耐え
しおふきの火力は桁違い。相手にグラードンがいないときは、しおふきとこんげんのはどうを連打していればそれだけで勝てる。
素早さを高くしている理由は、相手のカイオーガやグラードン、日食ネクロズマ、ドーブルに先手をとるため。
170(116)-216(252)-170( )-×( )-148(140)-130( )
コメットパンチ/かみなりパンチ/アームハンマー/みがわり
〈コメットパンチ〉
H4振り-1メガレックウザ 87.5%乱数一発
H4振りカプ・コケコ 56.3%乱数一発
A特化ハチマキメガレックウザのガリョウテンセイ耐え調整ゼルネアス 62.5%乱数一発
〈アームハンマー〉
H252振りガオガエン 75.0%乱数一発
H-B
A252振りゲンシグラードンだんがいのつるぎダブルダメ 確定耐え
H-D
C特化カイオーガ雨下しおふきダブルダメ93.7%耐え
C252振りカプ・コケコEF下10まんボルトZ 87.5%耐え
僕が2番目に好きなポケモンのメタグロス。カイオーガ軸に非常に強い。ゼルネアスをアイアンヘッド+バレットパンチで倒すのは悠長すぎると思うので、攻撃特化コメットパンチ!
157(92)-×( )-96(4)-182(252)-136(4)-148(156)
サイコキネシス/マジカルシャイン/マジックルーム/スキルスワップ
H-B
A特化ゲンシグラードンだんがいのつるぎダブルダメ 93.7%耐え
H-D
C特化ゲンシカイオーガ雨下こんげんのはどうダブルダメ 確定耐え
S S252振りスカーフカプ・テテフ抜き
マジックルームで相手のゼルネアスのパワフルハーブを無効化したり、スキルスワップを味方のゲンシカイオーガに使って天候を変えたりトリッキーな動きもできる。スカーフカプ・テテフは強い。
H-B
A252振り-1メガレックウザガリョウテンセイ 確定耐え
H-D
C特化ゲンシカイオーガ雨下しおふきダブルダメ 確定耐え
フェアリー技以外ではまず倒れない。天候の取り合いに強く、いかくして相手の攻撃を飄々と受けていく。よこどりが決まると気持ちいい。かわいい。
H-B
A252イベルタルイカサマZ 93.7%耐え
A特化ゲンシグラードンだんがいのつるぎダブルダメ たべのこし込みで98.4%2回耐え
H-D
C252イベルタルあくのはどうZ 確定耐え
C252ルナアーラムーンライトブラスター 確定耐え
C特化ゲンシカイオーガ雨下しおふきダブルダメ たべのこし込みで97.8%2回耐え
C特化+2ゼルネアスのムーンフォース+マジカルシャインダブルダメ たべのこし込みで確定耐え
影のMVP。役割対象はルナアーラ、イベルタル、ネクロズマ、ゼルネアス、カイオーガ。カイオーガズルズキンと組み合わせることで、グラードン軸にも弱くない。
6.選出パターン
A
先発:カプ・テテフ+ネクロズマ
後発:カイオーガ+α
基本選出。多くのグラードン軸にこの選出。
B
先発:カプ・テテフ+メタグロス
後発:ネクロズマ+カイオーガ
グラードン、ルナアーラ、イベルタル、ネクロズマがいない相手に出す。最もパワーの高い選出。対オーガレックにはほぼ負けない。
C
先発:カイオーガ+カプ・テテフorメタグロス
後発:ネクロズマ+α
グラードンがいない相手への選出その2。
D
先発:カプ・テテフ+ナットレイ
後発:カイオーガ+ズルズキン
対イベルタル専用選出。五分五分。
7.おわりに
カルフール杯2位になれて嬉しかった。プレイングミスがかなりあっても勝てたから強い構築だと思う(この形になってからレートでは無敗)。ウルトラルールがもうすぐできなくなるのは少し寂しいけど、最後に楽しめて良かった。
仲間大会を開催してくださったカルフールさん、
ウルトラルールへのやる気を与えてくれたこげぱん君、構築相談に付き合って頂いたナポルトさん、本当にありがとうございました!
usumダブル リザナシバンバ
1.はじめに
こんにちは。コウ(@kououp)です。
はじめての構築記事を書きました。
記念すべき?はじめての記事はusum全国ダブルのパーティです!(今更)
2.構築の概要
今回紹介するのは「リザナシバンバ」です。
7世代で僕が約1年間使ったパーティで、とても思い入れがあります!(以下常体)
メンバーはコチラ
3.戦績
<usumレート>
シーズン11 最高1701 最終1572 1860位
シーズン14 最高1728 最終1701 254位
シーズン15 最高1812 最終1812 35位
シーズン16 最高1814 最終1814 44位
シーズン17 最高1841 最終1750 110位
4.1構築経緯(ナッシー)
僕は2012年のwcsでWolfe Glick選手がナッシーを使っていたのを見てから、対戦でナッシーをよく使うようになり、同時にナッシーのことをどんどん好きになっていった。6世代とサンムーンの対戦をあまりプレイしていなかったので、7世代のナッシーがどの程度強いかはわからなかったが、好きなので活躍させたいと思っていた。
まずメガリザードンYを軸にしたパーティに、オボンのみを持たせた特性しゅうかくのナッシーをクッション要員として採用したが、7世代の火力インフレ環境においては全く活躍できなかった。
(※しゅうかく:ターン終了後2分の1の確率で使用済みのきのみを拾ってくる。晴れていれば必ず拾ってくる。)
よし今度はこのナッシーをトリックルーム要員として採用しようと考えたのが「リザナシバンバ」の始まり。
4.2構築経緯(ナッシーの仲間たち)
まずはトリックルーム下でのエースアタッカー。そこで思いついた(たまたまボックスにいた)のがバンバドロ。
バンバドロは攻撃耐久ともに高く、ダブルバトルで強力な範囲技であるじしんを覚える。ナッシーはこのじしんを半減できるため、相性がいいと思った。
(※範囲技:ダブルバトルで相手2体または自分以外味方も含めて3体を攻撃する技。それぞれに与えるダメージは威力が4分の3になるが、相手2体を攻撃できるので、実質威力は1.5倍)
次に非トリックルーム下で強いアタッカーとして、ナッシーバンバドロと相性が良く圧倒的な火力を誇るメガリザードンYを採用した。
特性ひでりにより、しゅうかくナッシーとの相性はもちろんいいが、ナッシーの別の特性であるようりょくそを相手に警戒させられるのもいい。またリザードンランドロスという組み合わせが強いので、ランドロスと同じ地面タイプであるバンバドロとは間違いなく相性が良いと思った。
ここでナッシーがクッション要員として厳しかったことを思いだし、トリックルームを使う前に倒されないように、サポート要員としてズルズキンを採用した。
ズルズキンは特性いかくとねこだましによるサポート性能が高く、使用率が高くてナッシーが苦手なガオガエンに強いことが特長である。
残り2枠は、ここまでの4匹が苦手なジャラランガ、ランドロス、ボーマンダ、リザードンなどを対策できるポケモンを考えた。サンダー、カプ・レヒレ、シャワーズ、ギャラドス、ボルトロスなども試したが、最終的にはカプ・コケコとミロカロスに決めた。
5.個体解説
h:HP a:攻撃 b:防御 c:特攻 d:特防 s:素早さ とする。
h-b いかく込a特化ガオガエンフレアドライブ 75.2~90.1%
いかく込a特化ランドロスとんぼがえり 69.3~83.2%
a特化バンギラスかみくだく 83.2~99.0%
h-d c特化ウツロイドヘドロばくだん 83.2~99.0%
c特化ギルガルドシャドーボール 83.2~99.0%
c特化ペリッパーぼうふう 83.2~99.0%
基本的には先発で出してトリックルーム。
トリックルーム要員としては特性のしゅうかくが優秀で、オボンのみを使っては拾うを繰り返して簡単には倒れないので、トリックルームを1試合で2回決めることもよくある。
技は採用理由のトリックルーム、しゅうかくと相性が良く集中攻撃を防ぐまもる、トリトドンやラグラージなどに有効なエナジーボール、ウツロイドなどに有効なサイコショックを採用。
h-d メガゲンガーシャドーボール 2回耐え(93.7%)
s 最遅
トリックルームエース。7世代のハチマキバンバドロは相手のHPを削ることにおいてトップクラスの強さがあると思う。
ランドロスと比べて、4倍弱点がない、特性じきゅうりょくによって居座り性能が高いという特長がある。
技はメインウェポンのじしん、飛行タイプに有効ないわなだれ、味方を巻き込まないタイプ一致技の10まんばりき、フェアリータイプに有効なヘビーボンバーを採用。
s 最速
バンバドロと共にパーティのエース。非トリル選出ではリザードンが何回攻撃技を打てるかが勝利へのカギとなる。
技はメインウェポンのねっぷう、最大火力のオーバーヒート、ジャラランガや非晴れ下でみずタイプに有効なエアスラッシュ、まもるを採用。
かえんほうしゃやだいもんじでは相手を仕留めそこなう恐れがあるため、ソーラービームについては晴れ下ではみずタイプに対してねっぷうを選択するほうが強いと考えたため、おいかぜは味方で恩恵を受けられるポケモンが少ないため不採用。
調整忘れた
s 最遅
トリックルームサポート要員でありパーティのクッション要員。攻撃的なパーティを支える縁の下の力持ち的な存在で基本的に後発。
ガオガエンと比べて、みず、じめん、いわタイプが弱点ではないところが特徴である。シーズン15ではこの枠にガオガエンを採用していたが、このパーティにはズルズキンのほうが合っていると思う。
持ち物のカクトウzはカミツルギやガルーラなどを倒すためで、僕はトリックルームパーティのサポート役はある程度火力があるほうがいいと思っているのでzクリスタルを持たせた。
技はねこだまし、z技のベースとなるとびひざげり、回復きのみ対策のはたきおとす、トリックルーム返しやカビゴン+クレセリア、ツボツボ+ラッキー対策のちょうはつを採用。
157(92)-×( )-106(4)-135(156)-96(4)-200(252)
10まんボルト/マジカルシャイン/ほうでん/ボルトチェンジ
c d+1ジャラランガをダブルダメージのマジカルシャインで倒せる(87.5%)
s 最速
役割対象はジャラランガ、ボーマンダ、リザードン、高耐久みずタイプなど。
先発からボルトチェンジで帰って、最後に他のポケモンが削った相手を上から倒していくというパターンが強い。
技はメインウェポンの10まんボルトとマジカルシャインとほうでん、サイクル戦に強いボルトチェンジを採用。
調整忘れた
役割対象はランドロス、ボーマンダ、ヒードラン、ガオガエンなど。ランドロスがあまりにも重すぎるために採用。選出誘導力がものすごい。
もちものは場持ちをよくするためマゴのみ。
技はメインウェポンのねっとう、ボーマンダや晴れ下のランドロスを倒せるれいとうビーム、サイクル戦に強いひかりのかべ、z技を受けることが多いのでまもるを採用。
こごえるかぜはトリックルーム下で使いにくいため不採用。じこさいせいはミロカロスだけが残っても勝てないことが多いので、味方の耐久を実質的に強化できるひかりのかべのほうがいいと思った。
6.選出パターン
A先発:ナッシー+α
後発:ズルズキン+バンバドロ
αを交換してズルズキンを出し、いかくやねこだましのサポートによってトリックルームを展開する。基本選出であり、対メタグロス軸や対雨パに強い。
B先発:リザードン+バンバドロ
後発:カプ・コケコ+α
対ゲンガー軸や対サーナイト軸、対トリルへの基本選出。カプ・コケコとランドロス入りのリザードン軸にもこの選出。
C先発:カプ・コケコ+ミロカロス
後発:リザードン+α
対リザードン軸や対ガルーラ軸、対ボーマンダ軸において相手にでんきタイプがいないときにこの選出
D先発:カプ・コケコ+リザードン
後発:バンバドロ+α
対リザードン軸や対ガルーラ軸、対ボーマンダ軸において相手にランドロスがいないときにこの選出
7.感想
ナッシーが活躍してレート1800を超えられたのはとても嬉しかった。楽しいパーティで、改良を繰り返しながら約1年間使っていても全く飽きることがなかった。自分にとって最高のパーティ!