はじめに
「ワタシラガを活躍させたい!」
今回の構築は、ただその思いを実現することだけを考えて組みました。
改めましてこんにちは!コウです。ワタシラガと共にランクバトル最終5位を達成した構築を紹介していきます。
構築経緯
面白い構築を作りたいなと思ってポケモン図鑑を眺めていたら、目に留まったのが、
ワタシラガ
だった。特性のわたげは、攻撃技を受けると問答無用で味方も含めた自分以外のすばやさを下げるというとんでもない迷惑特性。伝説ポケモンに囲まれたワタシラガがわたげをまき散らしてたら面白そうだなと思った。
そこで、強さや勝てるかどうかは置いといて、ワタシラガの特徴を活かして最大限活躍させられるような構築を作りたいと考えた。僕は対戦相手を驚かせられるような構築が好きなので、とてもわくわくしていた。
まずはワタシラガの長所を整理してみた。
- 攻撃されたら自分以外のすばやさを下げる唯一無二の特性わたげ
- ねむりごな、てだすけ、かふんだんごと有用な変化技を覚える
- 耐久力はまあまあ高く、水・電気・地面耐性がある
これらの長所を踏まえたワタシラガならではの最大の特徴は、特性わたげの発動 or ねむりごな被弾リスクの2択を常に相手に押し付けられることだと考えた。攻撃してわたげによるすばやさダウンを受け入れるか、放置してねむりごなで1体眠らされて2対1の盤面を作られるか、相手視点だと厄介な2択である。
また、カイオーガのしおふきやグラードンのだんがいのつるぎに耐性がありつつ、これらは全体技なので確実にわたげを発動させられるのも大きな強みだと考えた。
ここからはワタシラガの特徴を活かして活躍させるための味方を考えていった。
まず、わたげを活かすためには相手のすばやさだけを一方的に下げたい。そこで特性メタルプロテクトでわたげのすばやさダウンを無効化できるソルガレオ の採用を決めた。ソルガレオは伝説ポケモンの中でも特に耐久が高く、ダイマックスしていれば集中攻撃も耐えられるので、相手がワタシラガを放置してきたりダイサンダーを使ってきたりする場合にも強い。ワタシラガにとっては最高の相方である。
ワタシラガとソルガレオを軸に据えたとき、黒馬バドレックス、イベルタル、リザードンが苦手なので、それらに対してある程度強くワタシラガ・ソルガレオと相性の良い2体目の伝説を考えた。ホウオウ、カイオーガ、グラードン、ゼルネアスなどが候補に挙がった。ワタシラガはほぼ攻撃ができないため、ワタシラガと並んだときにどんな相手にも打点がある伝説がいいと考え、メインウェポンの炎 × 飛行でほとんどの相手に等倍以上でダメージを与えられるホウオウ に決めた。
次にここまでの3体で重めなランドロス、ガオガエン、一撃ウーラオス、ポリゴン2に強い連撃ウーラオス を採用した。ワタシラガのねむりごなを活かすためには、眠っていない方のポケモンに攻撃したいが、まもるで横のポケモンの眠りターンを稼がれてしまうことがある。ウーラオスは特性ふかしのこぶしでまもるを貫通してその動きを許さないため、ねむりごなの価値を高める。
ここまでワタシラガを中心に考えてきたが、黒馬バドレックス+ザシアン軸、白馬バドレックス軸、ソルガレオ軸に対してワタシラガを選出するのは難しいと考えた。これらの相手に対しては、リフレクター・ひかりのかべ+高耐久なソルガレオ・ホウオウの組み合わせが強いと考え、オーロンゲ を採用した。さらにオーロンゲはこうこうのしっぽトリックによって、ワタシラガを選出しないことで重くなるレジエレキ、カイオーガ、パルキアや、弱点保険ソルガレオの圧を緩和できるのも強い。
最後にレジエレキ・ボルトロス・サンダーといった電気タイプ入りのザシアン軸に対して連撃ウーラオスが動きにくいので、代わりに選出できるガブリアスを採用した。
しかし、連撃ウーラオスを選出しないことで特性いかくのランドロス・ガオガエンがきつかったので、マンムー に変更した。マンムーはソルガレオとの相性が悪いので当初採用を躊躇していたが、ホウオウとの相性はとてもいいので、先発ソルガレオ+ワタシラガ(オーロンゲ)で後発ホウオウ+マンムーの選出なら活躍できると考えた。
コンセプト
「ワタシラガ or オーロンゲのサポートを絡めて、常に有利な盤面を維持する」
具体的には、
- ワタシラガの特性わたげやオーロンゲのこうこうのしっぽトリックで、相手の行動順を遅らせる。
- ワタシラガのねむりごなで相手を眠らせて攻撃させない、オーロンゲのリフレクター・ひかりのかべ+ダイマックスの耐久力で相手の攻撃を受け流す。
このようなサポートによって有利な盤面を維持し続けるのがこの構築の勝ちパターン。
個体解説
(H:HP, A:攻撃, B:防御, C:特攻, D:特防, S:素早さと表す。選出率は体感)
ワタシラガ
ワタシラガ@バコウのみ(わたげ・おだやか)
167(252)-×( )-142(252)-100( )-155(4)-80( )
リーフストーム/てだすけ/ねむりごな/かふんだんご
ぽけっとふぁんくしょん!
〈調整〉
構築の中心であるサポート要員。選出率は7割弱で、カイオーガ軸・グラードン軸・イベルタル軸相手にはほとんど選出していた。
飛行タイプに対しても先発で出したかったので、ダイジェットを一回耐えるバコウのみを持たせた。リーフストームはトリトドンや削れたカイオーガ・カメックスを倒すために採用。
相手をねむりごなで眠らせた後は、てだすけやかふんだんごを使うのも強いが、即交換してアタッカー2枚を並べる選択肢を常に考えるようにしていた。
ソルガレオ
ソルガレオ@とつげきチョッキ(メタルプロテクト・いじっぱり)
239(212)-207(252)-131(28)-×( )-110(4)-119(12)
メテオドライブ/サイコファング/ストーンエッジ/ワイルドボルト
ぽけっとふぁんくしょん!
〈調整〉
- A特化一撃ウーラオスのあんこくきょうだを13/16耐え
- C252振り黒馬バドレックスのC+1アストラルビットダブルダメを確定耐え
- C252振り神秘の雫カイオーガの雨ダイストリームを確定耐え
- C特化命の珠ディアルガのダイアースを確定耐え
- Sは味方のホウオウ+1で、ソルガレオと相手のカイオーガやグラードンとのS関係が分かれば、ホウオウと相手とのS関係も分かる。S120調整のカイオーガと同速にならないようにS119にしたが、これだとS-1ボルトロスと同速なのでSラインは悩ましいところ
選出率は9割強で最も高く、全対戦の約7割でダイマックスするメインエース。そのうち初手ダイマと後からダイマの割合は6 : 4くらい。
とつげきチョッキによって非ダイマ状態でも強く戦える。ダイマックスすればワタシラガやオーロンゲのサポート込みで、カイオーガや黒馬バドレックス、イベルタルとも撃ち合える。
〈技の採用理由〉
サイコファング:ダイサイコはカイオーガ+ランドロス+モロバレルに一貫する打点。ダイサイコ+てだすけフィールドダイサイコで大体のダイマカイオーガを倒せる。相手のダイサンダーを張り替えてねむりごなを通せる、相手のねこだましなどの先制技を防げるのも強い。非ダイマで両壁を破壊できるのも強い。
ストーンエッジ:ガオガエン、イベルタル、ボルトロス、リザードン、トルネロスなどへの打点。ダイロックはダイアースより一貫性が高く、雨や晴れの天候を変えられるのも強い。
ワイルドボルト:カイオーガへの最高打点。お互いダイマターンが終わった後、耐久振りカイオーガを半分以上削れる。ワタシラガが浮いている相手にねむりごなを撃つ場合、ダイサンダーをカイオーガに撃つことが多い。また、あくび展開を無理やりカットできる。
ほぼ打点を持たないワタシラガと組み合わせる上で、技範囲と一貫性、威力を確保するためにメテオドライブ・サイコファング・ストーンエッジは必須である。対ダイマレジエレキなどを考えるとじしん(ダイアース)も欲しかったが、カイオーガを他の味方が倒しにくいのでワイルドボルトを優先した。
ホウオウ
〈調整〉
- B無振りカイオーガをダイジェットで確定一発
- A252振りザシアンのきょじゅうざん2回+ダイマックス状態で命の珠反動ダメ1回を大体耐える
- C252振り命の珠レジエレキの10万ボルトを14/16耐え
- Sは遅めのグラードンを抜けるライン。S+2でスカーフカイオーガ抜き
選出率は約9割で、全対戦の約3割でダイマックスする第2のエース。
火力が足りないのでいのちのたまを持たせたが、HPが削れるのも痛いので一長一短。耐久ラインがぎりぎりなのでHPを維持するために特性さいせいりょく+じこさいせい。
連撃ウーラオス
対戦を締めるスイーパー。選出率は5割強で、グラードン軸と白馬バドレックス軸相手にはほとんど選出していた。
構築で唯一の高速アタッカーとして最後に残った相手を上から倒してほしいので、持ち物はこだわりスカーフ。厄介なリザードンの初手ダイマをスカーフがんせきふうじ+ソルガレオの岩技で対策している(リザードンの後発ダイマはホウオウで撃ち合える)。
ワタシラガのてだすけによって、実質スカーフ鉢巻ウーラオスでまもるさえ許さずに倒していく動きが強い。
オーロンゲ
〈調整〉
- C252振りカイオーガの雨しおふきダブルダメを確定耐えまでDに振って、残りB
選出率は3割強で、黒馬バドレックス軸・白馬バドレックス軸・ソルガレオ軸に対してワタシラガの代わりに選出するサポート要員。
バドレックスとソルガレオが役割対象なのでイカサマを採用した。イベルタル相手に選出することはないのでソウルクラッシュは不採用。
こうこうのしっぽを押し付ける相手とタイミングの見極めが重要。
マンムー
第2のスイーパー。選出率は6割強で、イベルタル軸相手にはほとんど選出していた。
ホウオウやワタシラガと並ぶことが多く、全体技が欲しかったので、じしんを採用した。10まんばりきが欲しい場面もあったが、4つの技はどれも外せないため不採用。
きあいのタスキを持っているので、どの相手にも選出したくなるが、トリックルーム軸や壁構築などの高耐久ポケモンが揃っている構築には刺さらない。
選出
①基本選出
先発: + or
後発:、、 のうち2体
②トルネロスや高速電気タイプを採用していない構築に対する選出。対リザードンもこの選出。
先発: +
後発:、、 のうち2体
③エレキ黒馬オーガなどの一部のアグロ構築に対する選出。
先発: +
後発: + α
全対戦のうち、7割近くが①の基本選出で、約2割が②の選出で、1割弱が③の選出。これら以外の選出をする割合は5%以下だった。
結果
最終5位 レート1957 73勝24敗
(別構築を含めたシーズントータルでは79勝28敗)
最終日には瞬間1位&レート2000超えを達成することもできた。最後は集中力が切れてプレイングミスを連発してレートを溶かしてしまったが、それでも最終5位になれた。
この構築を考えているときにはまさかここまで勝てるとは夢にも思っていなかった。ワタシラガを活躍させることだけを意識して構築を組んだので、それで勝てるかどうかはワタシラガのポテンシャルにかかっていた。つまりこの結果は、ワタシラガのポテンシャルが僕の想像よりも遥かに高かったことを示していると思う。
ワタシラガありがとう!
おわりに
ここまで読んでいただきありがとうございました!
今回の構築を使いこなすには、かなりの構築理解度とプレイング精度が要求されます。僕自身も高い集中力を保っているときでないと使いこなせませんでした。でも上手く動かせた対戦は、感動するくらい気持ちよかったので、ぜひ使ってみてください!