【s13ダブル 10位】ファイヤグロス
1. はじめに
こんにちは、コウです。
今回はs13ダブルで最終10位となったガラルファイヤー軸の構築の紹介をします。(以下常体)
2. コンセプト
エースバーンの技で相手の弱点を突けることが多いので、その圧力を活かしてミロカロスやニンフィアの範囲技で削る。相手のダイマックスは襷エースバーンと壁やあくびで受ける。相手がダイマックスしなければダメージレースを有利に進めやすく、相手の先行ダイマックスに対しても隙を見せにくい。
- 後発ガラルファイヤーorメタグロス+ゴリランダー
後発ダイマックスエースのファイヤーまたはメタグロスは安定行動で相手に大ダメージを与えられる。ゴリランダーのグラススライダーも強力で、味方が削った相手を先制攻撃で倒せる。ファイヤーとゴリランダーはどちらも積み技を持つため高耐久ポケモンにも強いが、積み構築ではない。
3. 構築経緯
まず、ガラルファイヤーを軸にした構築を作ろうと考えた。ファイヤーの長所は、
- ダイジェットとダイアークの通りが良く、追加効果との相性が良い
- もともとの耐久の高さに加え、特性ぎゃくじょうによって実質的な耐久力がかなり高い
- 範囲技もえあがるいかりは威力・追加効果ともに優秀
- わるだくみを覚えるので耐久ポケモンに詰まされない
控えめに言ってめちゃくちゃ強い。ここに挙げた4つの長所は僕の好みにドンピシャで最高。ファイヤーは先発ダイマだと対策が容易なので、後発ダイマで使おうと考えた。
ファイヤー展開につなげる先発として、エースバーンとミロカロスを採用した。この2体の強みは先月の記事で書いたのでぜひ読んでください。
次にファイヤーとともに後発で選出するポケモンとしてゴリランダーを採用した。ゴリランダーはファイヤーが苦手なカプ・レヒレやレジエレキに強く、強力な先制技グラススライダーは削り性能の高い先発2体と相性が良い。ここまでは前シーズンの基本選出と一緒。
基本選出の4体では、使用率トップ100のポケモンのうち、ブリザポス・サンダー・ボルトロス・セキタンザン・レジギガス・レジドラゴ・パッチラゴンへの対応が難しいと考えた。そこでニンフィアとメタグロスを採用した。
ニンフィアは、ドラゴン技無効なのでレジドラゴに強く、サンダー・ボルトロス・セキタンザン・レジギガスに対してあくびが非常に有効である。
メタグロスは、ブリザポスのダイマターンをしのぐことと、レジギガス・マタドガスの並びに強いことという6枠目に求められた二つの条件を満たす。
- 対サンダー、対ボルトロス
前シーズンではダイマレジロックで相手していたが、今回はサンダーやボルトロス相手でもファイヤーを選出したいと考えた。そこで非ダイマでこれらを対策するために、ウツロイドのメテオビーム、ポリゴン2のトリックルーム、レジエレキのかいでんぱとリフレクター、モロバレルのキノコのほうしなどの様々な方法を考えたが、その中で「ニンフィアのあくび」が最も今回の構築に合っていると判断した。ニンフィアに確固たる決め手があったわけではなく、消去法で唯一残ったため採用した。
4. 個体解説
H:HP、A:攻撃、B:防御、C:特攻、D:特防、S:素早さとする。
エースバーン@きあいのタスキ リベロ
かえんボール/ダストシュート/とびひざげり/ふいうち
実数値:155-168(252)-95-*-98(20)-185(236+)
調整:Sはエルフーン抜きで最速エースバーンとの同速回避。D振りに意味はない。
選出率は最も高く、ほとんどの対戦で先発した。ダイマックスしたのは1回だけだった。技外し1回まではケアできることが多いが、2回外したらかなり苦しいのでそこは割り切って使った。ふいうちはかなり警戒されるので、相手の交換をケアできるときだけ使うほうがいい。適当に使っても普通に強いので、なぜ襷エースバーンが全然使われないのか不思議。
技の採用理由
かえんボール:メインウェポン。モロバレルやカミツルギへの打点。
ダストシュート:カプ・レヒレ、ピッピ、トゲキッスなどフェアリーへの打点。
ふいうち:威力の高い先制技。HPの少ない相手に攻撃技を使わせないのが強い。
とびはねる、まもる、アイアンヘッドも採用候補だが、4つの技よりは優先度が下だと思った。
ミロカロス@ソクノのみ かちき
だくりゅう/ふぶき/ひかりのかべ/まもる
実数値:196(204)-*-111(92)-156(172+)-146(4)-106(36)
調整:S+1で最速ランドロス抜き、C+2だくりゅうでASチョッキランドロスを乱数1発(75%)、HBは鉢巻陽気ウーラオスのあんこくきょうだ93.7%耐えで、総合耐久指数が最大になるように振り分けた。
サンダーやボルトロスに対して選出しなくなったので、前シーズンよりは選出率が低くなった。ニンフィアとどっちを出すかで迷うことが多い。基本は先発だが、後発で選出することもある。ダイマックスする機会はファイヤーとメタグロスに次いで多い。ターン数が長くなる遅い展開の対戦では強いが、高速展開の対戦は少し苦手。特殊エースにはひかりのかべがとても有効で、ひかりのかべミロカロスはぜひ一度使ってみてほしい。オボンのみやウイのみも試したが、現環境ではソクノが一番安定すると感じた。
技の採用理由
だくりゅう:メインウェポン。最大威力。
ふぶき:水技と相性補完の良いサブウェポン。
ひかりのかべ:特殊アタッカーを止める。ポリゴン2などの高耐久ポケモンの火力を削いで味方が積み技を使いやすくする。
まもる:ダイマターンやトリルターンなどを稼ぐ。
メインエースがダイアースやダイスチルを使う場合はじこさいせいの採用を考えると思うが、基本的にはミロカロスだけが残り続けても勝てないので不採用。さいみんじゅつ使うくらいならふぶきで凍らせよう。
ゴリランダー@きせきのタネ グラスメイカー
グラススライダー/ばかぢから/つるぎのまい/まもる
実数値:199(188)-190(220+)-110-*-103(100)-105
調整:AはグラススライダーでH振りカプ・レヒレを乱数1発(87.5%)、HBは鉢巻陽気ウーラオスのあんこくきょうだ93.7%耐えで、総合耐久指数が最大になるようにHDに振り分けた。
最強のスイーパー。相手にコータスさえいなければ選出できる。ダイマックスすることは稀にある。きせきのタネにしたのは、グラススライダーで倒せる範囲を広くすることがとても重要だからで、いのちのたまでないのは反動ダメージが大きいから。オボンのみを持たせてつるぎのまいを積極的に積む型も試したが、初動のグラススライダーの威力のほうが大切だと感じた。つるぎのまいによってポリゴン2などの高耐久ポケモンで詰むことがなくなり、いかくやおにびを受けても置物にならず、あくびで眠らした相手を起点にすることもできる。
技の採用理由
グラススライダー:メインウェポン。最強の先制技。
ばかぢから:ガオガエン、ポリゴン2、ヒードランへの打点。アームハンマーやドレインパンチでは威力が足りない。10まんばりきよりも格闘打点が欲しかった。
つるぎのまい:ポリゴン2などの高耐久ポケモンを倒す。いかくやおにびを受けても置物にならない。
まもる:味方の行動でゴリランダーの苦手な相手を倒すとき、ダイマターンを稼ぐときなどに必要。鉢巻やチョッキを使いたくないのはまもるを使えないからというほどに重要な技。
ねこだましはチョッキゴリランダーとの相性は良いが、今回は上の4つの技のほうが優先度が高い。はたきおとすやとんぼがえりは先発型やサイクル型なら有効だが、スイーパー型では優先度が低い。
ファイヤー@くろいメガネ ぎゃくじょう
もえあがるいかり/エアスラッシュ/わるだくみ/まもる
実数値:189(188)-*-111(4)-165(236)-146(4)-120(76)
調整:S+1でボルトロス抜き、Cは167と165でほとんど火力が変わらないので11nまで振って、余りは総合耐久指数が最大になるように。
エース。長所は構築経緯に書いた通り。選出は、他の5体の組み合わせでは対応できないときに選出するという本来エースとしてはあり得ない決め方をしていた。ファイヤーはどんな相手にも出せるがどんな相手にも大活躍はしにくいためである。この構築はファイヤーを中心に組んでいるので、この決め方でも選出率は高かった。ダイマックス率は1位。ちなみにわるだくみを積んでからダイマックスすることはほぼない。持ち物はダイアークともえあがるいかりの威力が若干足りないのでくろいメガネにした。いのちのたまは、反動ダメージが痛いのと持ち物がバレると相手がじゃくてんほけんを警戒しなくなる。じゃくてんほけんは、発動しなければ火力が足りない。
技の採用理由
もえあがるいかり:メインウェポン。
エアスラッシュ:ダイジェットの媒体。ぼうふうの方がダイジェットの威力は高いが、非ダイマ状態でウーラオスなどを安全に削れる方が大切だと思った。
わるだくみ:高耐久ポケモンやダイアースで特防を上げた相手を崩すため。
まもる:ダイマターンやトリルターンなどを稼ぐ
ニンフィア@オボンのみ フェアリースキン
ハイパーボイス/あくび/リフレクター/まもる
実数値:194(188)-*-112(212)-154(76+)-150(4)-84(28)
調整:S+1で最速60族、S+2で最速100族抜き。CはハイパーボイスでH振りファイヤーを乱数2発(96.5%)、HBは珠陽気ランドロスのダイアース87.5%耐えで、総合耐久指数が最大になるように振り分けた。D個体値30の妥協個体。
この構築のMVP。選出率は後半になるにつれて上がっていった。ミロカロスよりも高かったかもしれない。あくびとリフレクターで盤面をコントロールしていく。基本的に先発だが、後発で選出することもある。たべのこしを持たせていたときもあったが、集中攻撃を耐えられるようにオボンのみにした。
技の採用理由
ハイパーボイス:メインウェポン。もえあがるいかりと同様、高火力命中安定の範囲技は強い。
あくび:命の珠・弱点保険ダイマックス対策。ファイヤーやロトムのわるだくみ対策。
リフレクター:ブリザポスなどの後発ダイマックス対策。
まもる:場に残っていれば常に何かしら役割を持てるポケモンなので、HPを残すためにまもるは必要。
マジカルフレイム、ねがいごと、めいそう、でんこうせっかは採用候補だが、4つの技はいずれも外せないと感じた。
メタグロス@ラムのみ クリアボディ
実数値:187(252)-198(196+)-153(20)-*-115(36)-91(4)
調整:HBは陽気ウーラオスのあんこくきょうだ87.5%耐え。Aは11nで余りD。A特化にしたほうが良かったかもしれない。
裏エース。クロバットに次いで僕が2番目に好きなポケモン。最終日はメタグロスが大活躍だった。ブリザポスがいたら必ず選出する。レジギガスマタドガス相手には先発するが、それ以外は後発で選出した。ダイマックスすることが多い。持ち物はおにびやキノコのほうし対策のラムのみで、発動機会はかなり多かった。
技の採用理由
アイアンヘッド:メインウェポン。ダイスチルの防御上昇が強い。命中安定技が1つ欲しかったのと、怯みの追加効果が強い。
しねんのずつき:メインウェポン。マタドガスやモロバレルへの打点。ダイサイコは火力強化に加えて、ミストフィールド下で使ったあくびを通すために使うこともあった。
いわなだれ:ダイロックはサンダー+ガオガエンなどの飛行+炎のサイクルに一貫するのが強く、襷潰しやスリップダメージのために使うこともあった。
まもる:ダイウォールの媒体。ダイマックスターンを稼ぐのに使う。
ダイアイス、ダイサンダー、ダイアースを使いたい相手は味方と合わせて今回の3つの攻撃技でも十分対応できると考えた。
5. 選出
①先発+or 後発+
基本選出。ブリザポスかレジギガス・マタドガス入り以外の相手にはほとんどこの選出。
②先発+or 後発+α
基本選出。主にブリザポス入りに対する選出。
その他さまざまな選出パターンがあるが、その場で考えて試行錯誤しながら選出していた。正直まだまとまっておらず何がベストな選出か僕もよくわかっていない。困ったら上の2つのどちらかを出しておけばよいと思うが、僕が使っているときは柔軟に柔軟にと自分に言い聞かせていた。
6. 結果
ランクバトルシーズン13 ダブル
最終10位 レート2008 47-17(他の構築を使った結果を含めたシーズン全体では76-27)
7. 苦手な相手
- パッチラゴン
でんげきくちばしが受からないので最も戦いたくない相手。使用率が低いので対策は切った。
先発で出してくれればいいんだけど後発から出されるときつい。最終日前半にかなり負けて最終日後半は先発エースバーンニンフィア後発ミロカロス+αという選出にしたら勝てたけど…。後発にゴリランダーを選出すると大体後悔する。
- ウオノラゴン
エラがみの火力が高すぎる。ニンフィアが耐えないのがきつい。ゴリランダーとダイマポケモンでなんとかなることも多いけど選出歪まされるのが面倒。
8. おわりに
久しぶりに納得できるいい構築が作れて良かったです。目標としていたレート2000と最終トップテンも7カ月ぶりに達成できて嬉しかったです。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!