【s21ダブル 82位】レヒレマゼンタ

はじめに

こんにちは、コウです。

今回は、ザマゼンタ(たてのおう)の考察と、シーズン21ダブルで最終82位となったザマゼンタ軸の構築の紹介をします。(以下常体)

 

前半 ザマゼンタ(たてのおう)の考察

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1. ザマゼンタの特徴

火力面

長所:攻撃種族値が130と高い。インファイトやきょじゅうだんが高威力。

短所:相手2体に当たる範囲技がない。つるぎのまいやビルドアップなどの強力な積み技がない。持ち物で強化できない。いかくで攻撃が下がる。

耐久面

長所:防御・特防ともに非常に高い。特に防御は特性ふくつのたて込みだと全ポケモンでもトップクラス。鋼タイプなので半減タイプが多い。

短所じこさいせいなどの強力な回復技がない。持ち物で回復ができない。弱点がメジャータイプ(炎、格闘、地面)。

その他

長所:素早さ種族値は128と高い。味方をサポートする技が豊富。

短所:ザシアン対策がそのままザマゼンタ対策としても当てはまりやすい。

  • ザマゼンタは、カイオーガ・黒馬バドレックス・ザシアン・ゼルネアスのような派手な強みはないが、対面的な撃ち合い性能やサイクル戦の適正を考えると伝説の中でも上位クラスの強さだと思う。

 

2. ザマゼンタがあまり使われない理由

ザマゼンタの型は大きく3つに分けられる。ここからはそれぞれの長所と課題点を述べていく。

1つ目は、ASorHA振りのアタッカー。火力と耐久のバランスに優れ、1対1の撃ち合いに強く、少ない攻撃回数で相手を倒せる。しかし、アタッカーとしては耐久振りザシアンのほうが強いのではないかと考えられる。

2つ目は、HSorHD振りのアタッカー。攻撃回数をより多く確保できることが魅力である。しかし、火力が低く相手を倒すのに時間がかかり、ザマゼンタよりも耐久力の低い味方のポケモンを狙われ続けると厳しい。

3つ目は、HSorHD振りのアタッカー兼サポーター。行動回数の多さを活かしてとおぼえ・ワイドガード・バークアウト・コーチングなどで味方をサポートする。しかし、今のルールで伝説枠をサポーターにするなら、かなり相性が良い一般枠のアタッカーが必要だが、超高耐久のザマゼンタの隣に並んで強いポケモンはなかなかいない。

3つの型いずれも課題点があり、その解決が難しいためザマゼンタはあまり使われないのだと思う。逆に考えると課題点さえ解決できればザマゼンタは強い。今回僕は1つ目のASorHA振りのアタッカー型を使いたいと思い、耐久振りザシアンと比べたときのザマゼンタの強みを考えた。

 

3. ザマゼンタならではの強み

HS(HD)振りザシアンとAS(HA)ザマゼンタを比較する。

火力面

・A無振りザシアンとA振りザマゼンタは攻撃実数値はほぼ同じだが、特性ふとうのけんを考慮した実質攻撃力はザシアンのほうが約1.5倍高い。

・ザマゼンタがタイプ一致で使えるインファイトの火力だけはほぼ同じ。

耐久面

・HS(HD)ザシアンとAS(HA)ザマゼンタでは、特殊耐久はほぼ同じ。

・特性ふくつのたてを考慮すると物理耐久はザマゼンタの方が約1.5倍高い。

・耐性はザシアンの方が弱点は1つ少なく、半減以下のタイプは2つ多い。

その他

・HS(HD)ザシアンとAS(HA)ザマゼンタでは、素早さはザシアンの方が高い。

 

まとめると、AS(HA)ザマゼンタがHS(HD)ザシアンに対して明らかに勝っているのは、物理耐久のみである。一見、火力面で勝るザシアンの方が強そうだが、ザマゼンタの物理耐久の高さは使い方次第で、大きな強みになるのではないかと考えた。シーズン21を戦う中で僕が感じたザマゼンタならではの強みは3つ挙げられる。

 

1つ目は、物理アタッカーとの撃ち合いに強いことである。例えば使用率トップクラスのガオガエンに対して、ザマゼンタはインファイトで防御が下がっても相手のフレアドライブを耐えられるため、余裕を持って強気に動かせる。ザシアンはインファイトで防御が下がったりHPを少し削られていたりするとフレアドライブで倒される。

 

2つ目は、先制技で倒されないことである。ゴリランダーのグラススライダーを筆頭に、しんそくアクアジェットなどの先制技はとても強い。特に自分のポケモンの残りHPが相手の先制技で倒される圏内(縛られている)だと、そのターンは実質1対2で戦うことになる。ザマゼンタは、物理先制技のダメージを非常に小さく抑えられるため、HPが削られていても先制技圏内に入ることはとても少ない。ザシアンも先制技に強いほうだが、ザマゼンタはそれ以上だ。

 

3つ目は、味方の盾となれることである。特性ふくつのたては自分への攻撃のみ低減できるいかくとも捉えられ、相手の物理技に対して受けだして切り返すというガオガエンや霊獣ランドロスのような使い方ができる。自らのHPを犠牲に味方のHPを温存する動きは、まさに盾の王の名にふさわしい。ザマゼンタならではの強みは、味方の盾となる動きと、アタッカーとして相手を攻撃する動きを両立できることであり、どちらの役割遂行能力もトップクラスを誇ることである。

 

後半 構築紹介

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1. 構築経緯

ここまでザマゼンタの話をしてきたが、s21ダブルで使った構築はザマゼンタから組んだわけではない。まず白馬バドレックス軸の構築を考えていたときに、カプ・レヒレモロバレルガオガエンランドロスという4体の組み合わせがふと頭に浮かんだ。この4体のうち3体+伝説ポケモンの選出の対応範囲が広く、強いのではないかと感じた。この4体と相性が良い伝説ポケモンとしてザシアンを採用したかったが、ポケットモンスターシールドしか持っていない僕はザマゼンタを採用した…

???「これまで散々ザマゼンタを持ちあげておいて、もともとはザシアンの代わりだったのか⁉」

僕「はい」

盾の王ザマゼンタの考察はここから始まり、これまで述べてきたようにザマゼンタならではの強みがあるという考えに行き着いた。

 

構築経緯に戻ると、6体目としてはカイオーガグラードン対策のタスキ枠としてエースバーンを採用した。

Pokémon-Icon 889a.pngPokémon-Icon 788.pngPokémon-Icon 591.pngPokémon-Icon 727.pngf:id:crobat:20201205203718p:plainf:id:crobat:20201205203221p:plain

その後スカーフランドロスを霊獣から化身に、タスキ枠をエースバーン→エンテイ→サンダーに変えていった。③と④の構築でレート1900を超えることができた。

Pokémon-Icon 889a.pngPokémon-Icon 788.pngPokémon-Icon 591.pngPokémon-Icon 727.pngPokémon-Icon 645.pngf:id:crobat:20201205203221p:plain

Pokémon-Icon 889a.pngPokémon-Icon 788.pngPokémon-Icon 591.pngPokémon-Icon 727.pngPokémon-Icon 645.pngPokémon-Icon 244.png

Pokémon-Icon 889a.pngPokémon-Icon 788.pngPokémon-Icon 591.pngPokémon-Icon 727.pngPokémon-Icon 645.pngPokémon-Icon 145.png

その後サンダーの持ち物をばんのうがさに変えるとレートを200溶かした。当然ばんのうがさサンダーは外したが、負けが続いた原因は他にもあると考え、ザマゼンタと役割や弱点が被るガオガエンも外した。その2枠をゴツメギャラドスとタスキエンテイに変えると、ザシアンやカイオーガ軸には強くなったが、黒馬バドレックスに全く勝てなくなった。

Pokémon-Icon 889a.pngPokémon-Icon 788.pngPokémon-Icon 591.pngPokémon-Icon 130.pngPokémon-Icon 645.pngPokémon-Icon 244.png

次にチョッキゴリランダー、ゴツメ霊獣ランドロス、スカーフエンテイ、タスキレジエレキを試したが、ゴリランダーとレジエレキは合わなかった。

Pokémon-Icon 889a.pngPokémon-Icon 788.pngPokémon-Icon 812.pngf:id:crobat:20201205203718p:plainPokémon-Icon 244.pngf:id:crobat:20201205203806p:plain

シーズン最終日になり、ランドロスエンテイは残してモロバレルを戻し、カイオーガグラードン意識のタスキ枠としてマニューラを採用した。

Pokémon-Icon 889a.pngPokémon-Icon 788.pngPokémon-Icon 591.pngf:id:crobat:20201205203718p:plainPokémon-Icon 244.pngPokémon-Icon 461.png

ここまでの構築経緯で分かる通り、今回の構築は相性が良さそうなポケモンの寄せ集めであり、明確なコンセプトはない。しかし、1か月の試行錯誤によって、タイプやイメージだけでなく、処理速度などを含めた様々な面で相性が「良い」構築になったのではないかと思う。

 

2. 個体解説

ザマゼンタPokémon-Icon 889a.png@くちたたて

きょじゅうだん/インファイト/みがわり/ワイドガード

特性:ふくつのたて

実数値:169(12)-198(236+)-166(4)-*-166(4)-180(252)

 

・いかくやねこだましを受けたくないので余裕がある対面ではみがわりを積極的に使う。

ワイドガードは黒馬&白馬バドレックス対策。

アローラキュウコンカミツルギライチュウラティアスを抜きたいのでAS振り。

 

カプ・レヒレPokémon-Icon 788.png@ミストシード

マジカルシャイン/ねっとう/シャドーボール/くろいきり

特性:ミストメイカ

実数値:176(244)-*-136(4)-161(252+)-151(4)-106(4)

 

・ザマゼンタと相性が良い第2のアタッカー

・相手のタスキ枠が鬱陶しいので範囲技のマジカルシャインを採用。

・ねっとうはウルガモスエンテイランドロスへの打点。

シャドーボールがないと黒馬バドレックス軸に勝てない。

くろいきりはゼルネアス、ウルガモス、ラッキーの積み技対策+ザマゼンタの能力低下解除のため。対ツボラキはモロバレルのキノコのほうしと合わせてTODで勝てる(全勝)。

・ミストシードは黒馬バドレックスに対して耐久とシャドーボールの火力を両立し、ゼルネアス意識のくろいきりを採用するため。

 

モロバレルPokémon-Icon 591.png@バコウのみ

くさむすび/ヘドロばくだん/キノコのほうし/まもる

特性:さいせいりょく

実数値:221(252)-*-91(4)-105-145(252+)-31(-)

 

・ザマゼンタやカプ・レヒレと相性が良い第3のアタッカー

くさむすびカイオーガや連撃ウーラオスランドロスへの打点。

ヘドロばくだんはゼルネアスやゴリランダーへの打点。

・キノコのほうしはイベルタルやムゲンダイナ、パルキアなどを眠らせられるのが強く、ザマゼンタのみがわりと相性が良い。

・アタッカーなので、いかりのこなよりも攻撃技が優先。

・調整や持ち物は対カイオーガ軸のトルネロスやサンダー意識。

 

ランドロス(霊獣)f:id:crobat:20201205203718p:plainゴツゴツメット

だいちのちから/いわなだれ/とんぼがえり/まもる

特性:いかく

実数値:196(252)-165-156(252+)-125-101(4)-99(-)

 

・ザマゼンタやカプ・レヒレと受けの相性補完が良く、レジエレキやザシアンなど様々なポケモンに受け出して、とんぼがえりでサイクルを回すために採用。

・味方が浮いていないのでだいちのちからを採用。

・調整はザシアンのきょじゅうざんを2耐え。

ゴツゴツメットは連撃ウーラオス対策で、エンテイやザマゼンタを交代してすいりゅうれんだを受ける場面は多かった。すいりゅうれんだでランドロスは倒れるか9割削られるが、相手も半分削れるので苦手なポケモンの対策としては十分。

 

エンテイPokémon-Icon 244.pngこだわりスカーフ

せいなるほのお/かみくだく/ストーンエッジ/フレアドライブ

特性:せいしんりょく

実数値:191(4)-167(252)-105-*-95-167(252+)

 

・ザシアンや黒馬バドレックスに先攻して大ダメージを与えるために採用。

・スカーフ化身ランドロスやレジエレキはねこだましで止まるが、エンテイは怯まないしいかくも効かない。

・スカーフウーラオスカプ・テテフ意識で最速。

 

マニューラPokémon-Icon 461.pngきあいのタスキ

トリプルアクセル/うっぷんばらし/ねこだまし/こおりのつぶて

特性:プレッシャー

実数値:145(4)-172(252)-85-*-105-194(252+)

 

カイオーガ軸のトルネロスアマージョエルフーン・サンダー・イエッサンや、グラードン軸のグラードン・サンダー・チェリムに強い打点があるため最終日に採用。

・ついでに苦手なムゲンダイナの対策にもなった。

・黒馬バドレックス相手にはほぼ選出しないが、見せ合いでプレッシャーをかけられる。

 

3. 選出例

【対カイオーガPokémon-Icon 382.png

先発Pokémon-Icon 461.pngPokémon-Icon 591.png

後発Pokémon-Icon 889a.pngPokémon-Icon 788.png

選出は対面的に戦うことを意識しているが、サイクルを回すこともある。最後にザマゼンタを通す盤面を作ることを意識する。

 

【対ザシアンPokémon-Icon 888a.png

先発Pokémon-Icon 889a.pngPokémon-Icon 591.pngPokémon-Icon 788.png

後発f:id:crobat:20201205203718p:plainPokémon-Icon 244.png

サイクルを回しながら戦う。みがわりザマゼンタかエンテイを通す盤面を作ることを意識する。

 

【対黒馬バドレックスPokémon-Icon 898b.png

先発Pokémon-Icon 889a.pngPokémon-Icon 788.png

後発Pokémon-Icon 244.pngf:id:crobat:20201205203718p:plainPokémon-Icon 591.pngPokémon-Icon 461.png

先発バドレックスなら、バドレックスにシャドーボール、隣にきょじゅうざんかインファイトから入る。後発バドレックスなら、一般ポケモンの技をランドロスに受けてもらう。おいかぜを枯らしてエンテイを通すことを意識する。

 

【対ゼルネアスPokémon-Icon 716.png

先発Pokémon-Icon 788.pngPokémon-Icon 889a.pngPokémon-Icon 244.png

後発Pokémon-Icon 591.pngPokémon-Icon 244.pngPokémon-Icon 889a.png

ゼルネアスが出てきたらカプ・レヒレは普通に攻撃しつつ隣をモロバレルに変える動きが安定しやすい。ジオコントロールを使われてからくろいきりを使うのが基本。

 

【対グラードンエンテイPokémon-Icon 383.pngPokémon-Icon 244.png

先発f:id:crobat:20201205203718p:plainPokémon-Icon 244.png

後発Pokémon-Icon 461.pngPokémon-Icon 889a.pngPokémon-Icon 591.pngPokémon-Icon 788.png

エンテイさえ倒せればなんとかなる。

 

4. 結果

シーズン21ダブル 最終82位 最終1925 139勝86敗

 

おわりに

とても楽しいシーズンでした。最終日9/1の午前0時の時点では4桁に落ちていましたが、そこから17勝3敗で2桁まで順位を上げられて嬉しかったです。また、この記事を読んでザマゼンタ構築に興味をもっていただけたら嬉しいです。ここまで読んでいただきありがとうございました。