【s12ダブル】エースバーンミロカロス
1. はじめに
こんにちは、コウです。
今回は、ランクバトルシーズン12で使ったエースバーンミロカロスという並びの紹介をします。前半はこの2体の並びの考察、後半はs12ダブルで最終66位の構築の紹介をします。
2. エースバーンミロカロスの紹介
・ダブルでのエースバーンの課題
(以下常体)
エースバーンは、シーズン12シングルにおいて、冠の雪原で解禁されたいわゆる準伝説たちを差し置いて採用率1位となった。しかし、シーズン12ダブルでの採用率は24位というなんとも微妙な位置である。
僕はエースバーンをシーズン12ダブルで使ってみたいと思い、まずはダブルで使う上での課題点を考えてみた。
【いのちのたまのダイマックス】
- 耐久が低めで、タイプ耐性もダイスチルを使ったとき以外は良くないので、1ターンで倒されることが多い
- 採用率の高いランドロスやガオガエンの特性いかくが苦手
- 高いすばやさを強みとしているため、相手のおいかぜやトリックルーム展開が苦手
【きあいのタスキ】
【こだわりスカーフ】
・エースバーンの型
- 耐久が低いポケモンを後発で選出するとサイクル戦がしにくいため、先発要員として使おうと考えた。
- ダイマックスを前提とするのは、課題点の克服が難しいのでやめた。
- 課題点のきあいのタスキの項で挙げたように、こだわりスカーフ以外だとレジエレキのエレキネットに対して非常に弱い。そこでまずはこだわりスカーフエースバーン入りの構築を組んでみたが、手ごたえが良くなかった。
- ここでレジエレキのエレキネットさえ対策すれば、きあいのタスキエースバーンは強いのではないかと思った。しろいハーブによるエレキネット対策は、持ち物こだわりメガネのレジエレキの10まんボルトで一撃で倒されるため、機能しない。
- 持ち物をきあいのタスキとして、隣のポケモンでエレキネットを対策するという方針が決まった。
・レジエレキのエレキネットの対策
エレキネットを対策する方法はいくつか考えた。
まず、エースバーンの隣で相手のレジエレキに対して初手から使う技として、ワイドガードは弱すぎるので却下。
ねこだましは相手のまもるなどを考えると、初手のエースバーンの行動で大きなアドバンテージを得ることは難しいので却下。ちなみにねこだましを使えるゴリランダーは、先制技グラススライダーを使えてレジエレキに強いため使ってみたが、エースバーンゴリランダーの並びは相手のいかくにかなり弱く安定しなかった。
そして残った選択肢が特性まけんきやかちきで牽制するという方法である。
・特性かちきのミロカロス
まけんきは能力が下げられるとこうげきが2段階上がる、かちきは能力が下げられるととくこうが2段階上がる特性である。
この特性を持つポケモンを先発で並べることで、相手のエレキネット+隣のポケモンの攻撃でエースバーンが行動する前に倒されても、こうげきまたはとくこうが2倍になったポケモンによって相手に大ダメージを与えられる。
現在のルールで使えるポケモンの中で特性まけんきやかちきのポケモンは進化前のポケモンを除くと15種類いる。この中からベストな相方を考えていく。
エレキネットを使われてエースバーンが行動する前に倒された場合、特性まけんきまたはかちきのポケモンの返しの技でレジエレキを倒すのがベストである。しかしレジエレキはきあいのタスキを持っている可能性も高いため、その場合を考えると相手2体にダメージを与えられる範囲技をメイン技として使えるポケモンが良い。(*範囲技とは、いわなだれなどの相手2体を攻撃する技やじしんなどの自分以外の3体を攻撃する技のことである)
15種類のポケモンのうち、メイン技として範囲技をもつのは、ハイパーボイスとマジカルシャインを使うプクリン、だくりゅうを使うミロカロスである。
両者を比較すると、相手に与えるダメージ期待値にはほとんど差がない。しかし、努力値256(とくこうに252振ると仮定)を耐久に割いたときの最大耐久指数がミロカロスはプクリンの約1.33倍であり、この差は非常に大きい。
そこで今回はミロカロスに決めた。
・ミロカロスの持ち物
結論から言うとミロカロスの持ち物は、でんきタイプの技のダメージを半減するソクノのみに決めた。
仮想敵であるレジエレキのこだわりメガネ10まんボルトを耐えるためには、ソクノのみかとつげきチョッキを持たせるしかない。しかし、とつげきチョッキを持たせるとまもるを使えないため、相手のダイマックスターンやトリックルームターンをしのぐのが難しくなって柔軟性が下がる。それが嫌なのでソクノのみにした。
なぜわざわざソクノのみを持たせてまでミロカロスをレジエレキ相手に先発させるのか?その理由はエレキネット対策以外に2つある。
2のほうは少し意味がわかりにくいと思うので説明する。
レジエレキは、苦手なじめんタイプの相手などが先発してきたらボルトチェンジを使ってダメージを与えながら交換できるのが強みである。ダブルでは2体のポケモンが並んでいるため、じめんタイプでないほうにボルトチェンジを使えるので、シングルよりも技の通りが良い。つまり、レジエレキ対策にじめんタイプを先発させても上手く逃げられてしまう。
ミロカロスは通りの良いみずタイプの範囲技であるだくりゅうを使える。つまり、レジエレキがボルトチェンジを使った場合、交換先のポケモンにそれなりにダメージを与えられる。実際はエースバーンのかえんボールやダストシュートを集中することも多いので交換先への負荷は大きい。その圧力によってボルトチェンジという強い動きを封じられる。
少し話が逸れるが、僕はレジエレキ対策としては、後発にじめんタイプやくさタイプを置くことが有効だと思う。そうすると仮にレジエレキがボルトチェンジで引っ込んでも最後にこちらが有利になるし、後発でレジエレキが選出されていても対応できる。
・長所①火力の高さ
ここからはエースバーンミロカロスの並びの長所を紹介していく。
まずなんといっても火力の高さが大きな魅力である。
- かえんボール(ほのお)の威力期待値は108、とびひざげり(かくとう)の期待値は117、ダストシュート(どく)の期待値は96と技威力が高い(*威力期待値とは、威力×命中率のことである)
- 技範囲が広いため、多くの相手の弱点を突くことができ、全ての技が半減されることはほぼない
- こうげき種族値が116と高い
- 特性リベロによって全ての技をタイプ一致で使える
- 範囲技のだくりゅうの実質威力期待値は121、同じく範囲技のふぶきの期待値は115と技威力が高い(*ダブルバトルで範囲技の威力は0.75倍される。しかし2体を攻撃するため、元の威力×0.75×2で実質的な威力は元の威力の1.5倍である。)
- みずタイプの技は通りが良く、半減されにくい
- とくこう種族値は100であり、すばやさを活かすために性格ようきで採用するエースバーンのこうげきは168であるのに対して、とくこうに特化できる性格ひかえめのミロカロスのとくこうは167とほぼ同程度の実数値になる
- 特性かちきによってデバフ技でとくこうを下げられることがなく、もし何かの能力を下げられたらとくこうが2段階上がる
そしてエースバーンミロカロスの並びの真価は次の通りである。
- ミロカロスの存在が特性いかくのポケモンを出しにくくして、エースバーンのこうげきが下げられるのを防ぐ
- 相手の弱点を突きやすい高火力単体技を使うエースバーン+相手に半減されにくい高火力範囲技を使うミロカロスという最高のコンビネーション
・長所②行動回数の保障
行動回数が保障されていることも大きな長所である。
- すばやさが高く、先制技のふいうちを使えるため、遅いポケモンと比べて行動回数が多くなりやすい
- きあいのタスキによってどんな攻撃も一度は耐えられる
- ミロカロスのおかげでエレキネットやバークアウトなどの能力を下げる範囲技を使われにくいため、きあいのタスキを活かしやすい
- もともと耐久が高く、弱点も少ない
- ソクノのみによってでんき技も耐えられる
- ひかりのかべによって味方全体の耐久を上げることができる
このように行動回数が保障されていると、先発で出し負けることがほとんどない。相手が初手ダイマックスでも、おいかぜやトリックルーム軸でも、天候パーティでも選出できる。実際にシーズン最終日の13試合のうち12試合でこの先発を出した。
また、少し余談になるが、「処理速度」という考え方を紹介する。処理速度とは、あるポケモンが相手をどれだけ早く倒せるか、相手にどれだけ早く倒されるかというスピード感を表すものである。ダブルバトルで隣に並ぶポケモンの処理速度が揃っていると、バランスが良いと僕は考えている。今回のエースバーンとミロカロスは火力も行動可能回数も同じくらいで、この処理速度が揃っていると思う。
・長所③ダイマックスの圧力
エースバーンもミロカロスもダイマックス適正が高く、相手にダイマックスを警戒させられる。特にダイマックスエースバーン+ミロカロスという並びは、シーズン7~9で使用率が高かったため、それを知っているプレイヤーはダイマックスをかなり警戒してくれる。ダイマックスの圧力は相手のプレイヤーにさまざまな影響をもたらす。
- ダイマックスエースバーンとの撃ち合いを想定して、初手ダイマックスする
- ダイマックスエースバーンを警戒して、てだすけ+ダイマックス技のように通常のエースバーンを倒すのには明らかに過剰火力の技を使う
- ねこだましを使いにくい
- 弱点保険持ちのメタグロスやテッカグヤが初手でまもるを使う
これらは実際に対戦していてあったことである。どれもこちらにとってありがたい方向に、ダイマックスの圧力が相手の行動を誘導するといえる。
また、エースバーンやミロカロスをダイマックスさせるという選択肢が常にあるということも長所である。ダイマックスしてもしなくても強いポケモンを採用することは構築全体の柔軟性を高める。実際にはエースバーンをダイマックスさせることはあまりなかったが、かちきが発動したミロカロスをダイマックスさせる場面は多かった。
3. 構築紹介
・構築のコンセプトと選出
先発エースバーンミロカロスから入って序盤戦で隙を見せず、終盤はダイマックスエースのファイヤーorレジロックorガオガエンを通していく。
選出①先発+ 後発+or
基本選出。スイープ能力の高いゴリランダーとダイマックスエースで押し切っていく。ボルトロスや原種サンダーがいなければファイヤー、いればレジロックを出す。
選出②先発+ 後発+or
ゴリランダーを選出する必要がないときに出す。具体的にはカプ・レヒレが相手に採用されておらず、フシギバナコータスやテッカグヤが採用されている場合など。どのポケモンをダイマックスさせるかは柔軟に。
①②以外の選出をしたのは1割以下だった。
・それぞれのポケモンの役割
*実数値や努力値は左から順にHP-こうげき-ぼうぎょ-とくこう-とくぼう-すばやさである。
- 実数値 156-168-95-74-95-188
- 努力値 4-252-0-0↓-0-252↑
きあいのタスキを盾に暴れる先発要員。
- 実数値 186-72-107-167-146-110
- 努力値 124-0↓-60-252↑-4-68
ソクノのみを盾に相手を削る先発要員。
- 実数値 182-194-110-58-116-105
- 努力値 52-252↑-0-0↓-204-0
先発2体が削った相手をグラススライダーで倒したり、最後に場に出してダイマックスエースとともに相手を倒していく後発要員。カプ・レヒレが相手に採用されていた場合の被選出率はほぼ100%なので、ゴリランダーで倒す。
- 実数値 196-94-111-167-146-111
- 努力値 244-0↓-4-252↑-4-4
この構築のメインエースで、後発ダイマックスから相手を倒していく。サンダー・ボルトロス・ブリザポス以外には強い。ダイマックス技の通りが良く、ダイアークからのもえあがるいかりは非常に強力。
- 実数値 187-167-220-63-121-70
- 努力値 252-252↑-0-0↓-4-0
ファイヤーが苦手なサンダー・ボルトロス・ブリザポスに強い第2のエース。ダイロックは通りが良く、クリアボディで能力を下げられないため、相手に与えるダメージは見た目の印象より大きい。ぼうぎょが尋常じゃなく高いため、物理技を受けるときは実質的に弱点がない。
- 実数値 202-183-110-90-111-80
- 努力値 252-252↑-0-0↓-4-0
フシギバナコータス+ブリザポスや、テッカグヤ軸などゴリランダーとレジロックが選出しにくい相手に出す。要検討枠。
・結果
シーズン12ダブル 最終66位 レート1965
ガオガエンの枠で別のポケモンを使っていたときも含めたこの構築での対戦成績は、29勝9敗だった。
4. おわりに
シーズン12の対戦は新しく解禁されたポケモンたちがたくさんいて楽しかったです。この記事を読んでエースバーンミロカロスに興味をもっていただけていたら嬉しいです。レンタルチームを公開しているので良かったら使ってみてください。ここまで読んでいただきありがとうございました!