【PJCS本戦 73位】トリル寿司
はじめに
久しぶりに構築記事を書きます。コウです。
今回はPJCS2023本戦(追加開催)で73位となった構築を紹介します。
今回の構築は、ヘイラッシャとシャリタツを合体させて戦う寿司構築であり、トリックルームを軸に戦うトリル構築でもあり、一風変わった独特な構成になっていると思います。
(以下常体)
コンセプト
「高速アタッカーや合体ヘイラッシャを警戒させて、トリックルームを通す」
「合体ヘイラッシャでゴリ押す」
【背景】ハバタクカミ+イーユイ+テツノツツミや、合体ヘイラッシャはレギュレーションCにおいてパワーが高く強い圧力をもつトップメタの並びである。これらのポケモンに対しては、素早さ操作を絡めることで先制して倒しにいく攻撃的な対策と、耐久の高いポケモンを使って状態異常やデバフを絡めてカウンターを狙うコントロール系の対策がある。
【方針】おいかぜやこごえるかぜなどの素早さ操作を使ってくる攻撃的な相手には、高速アタッカーや合体ヘイラッシャをちらつかせることでトリックルームへの警戒を薄れさせて、トリックルームで切り返す。
状態異常やデバフを使ってくるコントロール系の相手には、追加効果のある高威力の範囲技を多く採用することで合体ヘイラッシャを中心にゴリ押す。
構築経緯
予選第1回
イーユイを対策するのが難しいと思ったので、イーユイを使ってみることにした。相手の意表を突きたかったのでトリックルームと組み合わせようと考えた。相性の良いトリックルーム要員としてハバタクカミ、2体の低い防御を補うチオンジェン、ハバタクカミと並ぶ先発要員として圧力のあるヘイラッシャの採用を決めた。あと2体はヘイラッシャの見た目の圧力を高めるためにシャリタツ、トリルへの警戒を薄れさせることができて汎用性の高いテツノツツミを採用した。
予選第1回は最高レート1770で、45戦目に勝てば予選抜けというところまで行ったが、負けて終わった。
良かった点
- おいかぜやこごえるかぜを使って攻めてくる攻撃的な相手に対してトリックルームが有効だった
- 基本選出(先発:ハバタクカミ+ヘイラッシャ、後発:イーユイ+チオンジェン)のパワーが高く、対応範囲も広かった
反省点
- シャリタツとテツノツツミをほとんど選出できなかった上に、選出した試合の勝率が低かった
- まもるでトリルターンを凌がれるのが厳しかった
- モロバレルは草テラスイーユイで対応する予定だったが、イーユイにテラスタルを切ると相手の炎技がきつかった
予選第2回
上の反省点を踏まえて、まずシャリタツを強く使うためにヘイラッシャの持ち物を拘り鉢巻からオボンのみに変更して、合体選出を積極的に使えるようにした。また、テツノツツミに代えて選出誘導力が高く相性も良さそうなキラフロルを採用した。トリルターンをまもるで凌ぐ動きの対策としては、イーユイとハバタクカミにみがわりを採用した。モロバレル対策としては、イーユイに防塵ゴーグルを持たせた。
予選第2回は最終レート1782、最終116位で予選抜けできた。
良かった点
- ヘイラッシャの合体選出が想像以上に強かった
- ハバタクカミとイーユイのみがわりが、トリルターンをまもるや交換で凌ごうとしてくる相手に対して有効だった
- キラフロルでモロバレルの選出を誘導して防塵ゴーグルイーユイで迎え撃つのが強かった
反省点
- キラフロルの型が弱く、選出時の勝率が低かった
この後、本戦(5/14)に向けて、ランクバトルで練習する過程でさらに課題点が見えてきた。
- ハバタクカミとイーユイの持ち物が腐りやすい
- 飛行テラスカイリューが重い
- あくび展開がきつい
本戦(5/14)
キラフロルの型問題とこれらの課題点の解決に向けて様々なアイデアを試していたが、なかなかしっくりくるものがなかった。血迷った結果、本戦(5/14)では課題点の解決はおろか元々の良かった点を打ち消してしまうような酷い構築を使い、散々な結果に終わった。恥ずかしいので構築の公開はしないが、こんな構築を重要な大会に持っていくようではもう駄目だと思った。
本戦(5/14)後にミササギさんからDMをいただいて、僕の予選2回目の構築をアレンジして本戦に臨んでいたことを伺い、この構築に関して意見交換をした。その中でハバタクカミにルームサービスを持たせて使っていて使用感が良かったと伺い、面白い発想だと思い、久しぶりに構築作りのワクワク感を抱いた。
本戦(追加開催)に向けて
トリル展開と合体ヘイラッシャ展開の2つを軸として、前述した構築コンセプトを固め、予選2回目の構築をベースに以下の変更を行った。
- ハバタクカミの持ち物をルームサービスに変更➡中速ポケモンに対して積極的にトリックルームを展開できる
- ハバタクカミにミストフィールドを採用➡これまで状態異常対策に費やしてきたヘイラッシャの特性やイーユイの持ち物が自由になった。またどくびし回収用の毒タイプの採用優先度も下がった。
- イーユイの持ち物をゴツゴツメットに変更➡比較的汎用性が高く、発動時のリターンが大きい
- チオンジェンを電気テラスにしてテラバーストを採用➡飛行テラスカイリューを緩和
- ヘイラッシャにねごとを採用➡あくびを恐れることなく合体できる。ウェーブタックル・いわなだれ・じしんの3ウェポンなので、合体中に眠らされても高確率で相手のハバタクカミにみがわりを残させない
- キラフロルをテツノツツミに戻した
最後のテツノツツミの採用理由を解説する前に、ここまで触れてこなかった本構築の大きな弱点を紹介する。それはトリル選出をした際に、高火力アタッカー2枚でハバタクカミに集中攻撃をされると、トリル展開を阻止されてしまうことである。ヘイラッシャの圧力やまもるの存在から、ハバタクカミへの集中攻撃はかなりリスクがあるが、一定数集中攻撃を仕掛けてくるプレイヤーはいた。中でも特に嫌な先発が、初手でシビアな択を迫られるイーユイ+ハバタクカミと、合体ヘイラッシャ(所謂ミラー)であった。
そこで思い出したのが、予選第1回のときにはほとんどイーユイ+ハバタクカミや合体ヘイラッシャの選出をされなかったことである。その原因はテツノツツミの存在によって、先発イーユイ+ハバタクカミや初手合体ヘイラッシャを躊躇させる選出誘導が働いたためだと考えた。よって、テツノツツミを再び採用したいと思った。
しかし、6体目を見せポケにする余裕はなく、テツノツツミには役割を持ってもらう必要がある。具体的には、合体選出時の先発兼スイーパー、中速系の相手にトリル選出をするときの先発orスイーパーである。予選第1回で持たせていた気合の襷や、採用率の高いSブーストエナジーではスイーパーとして火力不足であるため、素早さを落とさずに火力を上げられる命の珠を持たせることにした。
個体紹介
ハバタクカミ
実数値:162(252)-*-117(252+)-155-156(4)-155
ルームサービスを持たせることで、トリルアタッカーとして使えるようになり、選出の自由度が上がった(トリル選出にテツノツツミやシャリタツを入れやすくなった)。イーユイの炎・イルカマンやヘイラッシャの水・弱点の鋼を半減できる水テラス。ワンウェポンなので範囲技のマジカルシャインよりも、単体打点として強いムーンフォースを採用した。
ヘイラッシャ
実数値:226(4)-167(252+)-136(4)-*-115(236)-57(12)
合体時も非合体時も強いオボンのみを持たせた。ギャラドスなどの威嚇を絡めたコントロール系の構築に合体選出をするために特性は鈍感。フェアリーテラスは弱点が少なく、パオジアンやトドロクツキに強く、使用感はとても良かった。構築経緯にも書いたが、ねごと+範囲技2つを採用することで、合体時に眠らされても相手に悠長な行動をさせないのが強かった。
イーユイ
実数値:162(252)-*-116(124)-187(116+)-141(4)-122(12)
- HB:陽気パオジアンの災いの剣せいなるつるぎを確定耐え
ゴツゴツメットを持たせることで、パオジアンなどの接触物理系との対面に強い。格闘半減で、元の弱点を消せるフェアリーテラスで採用(ゴーストだと格闘無効でゴツゴツメットが発動しない)。有利対面で相手がまもるや交換するターンに大きなアドバンテージが取れるみがわりを採用。
チオンジェン
実数値:191(244)-*-121(4)-161(252+)-156(4)-91(4)
アタッカーとして火力が不足気味なので拘り眼鏡を持たせた。飛行半減で、元の弱点を消せて、一貫性の高いテラバーストを使える電気テラスで採用。バークアウトは特攻ダウンの追加効果も強いが、そこそこ火力が出る範囲技としても強かった。リーフストームかかふんだんごの代わりにくさむすびを採用したほうが良かったかもしれない。
シャリタツ
実数値:175(252)-*-112(252)-154(+)-116(4)-102
シャリタツは能力が控えめなので、突撃チョッキ・拘り眼鏡・拘りスカーフなどの能力上昇幅が大きい持ち物でないと周りのポケモンとバランスが取りにくいと考え、今回は柔軟な技選択ができる突撃チョッキにした。合体選出時はシャリタツの行動回数が勝負の鍵を握るため耐久に振り、水テラス+イーユイで火力も出せるようにした。
テツノツツミ
実数値:132(4)-*-134-176(252)-80-206(252+)
スイーパーとしてできる限り火力が欲しいが、拘るのは弱いと考え、命の珠を持たせた。技はヘイラッシャやイーユイが呼ぶ水タイプ(テラス)に効果抜群のフリーズドライ、水技最大打点のハイドロポンプに加え、テツノツツミが覚える技の中でダブルでは最も威力期待値の高いふぶきを採用した。
【命中不安技に対する考え方】
「命中不安技を多く採用した構築のほうが連敗が少なく、勝率は安定する。」
今回の構築に採用した攻撃技17つのうち、9つが命中不安技である。命中不安技を多く採用すると勝率が安定しない、下振れしやすいという意見を目にすることがあるが、僕の感覚としてはむしろ逆である。
そもそも命中不安技は威力が高かったり、範囲技であったり、追加効果が優秀であったり、リターンが大きい技が多い。よって命中不安技を採用することはその構築の最大出力を高めることに繋がる。代替の命中安定技を採用した場合と比較すると(例えばねっぷう➡かえんほうしゃ、ふぶき➡れいとうビーム)、択や読みの勝負になることを回避しやすくなり、かつ終盤の逆転を狙いやすいために序盤の急所や追加効果の不運の影響を比較的抑えられる。命中不安技を当たる前提で採用したら下振れと感じるのは当然だが、命中率込みの期待値ベースで採用すれば全部当たったときは上振れになる。
僕は経験上、命中不安技が命中率を大きく下回って全然当たらず不運で負ける対戦が連続するよりも、読み負けや噛み合いの悪さで連敗する可能性の方が高いと考えている。実際に今回の構築は1戦当たり5~15回くらい命中判定があるため、基本的に1~3回は技を外すが、ランクバトルを含めても大型連敗はほとんどない。
選出
基本選出(トリル)
先発:+
後発:+()
先発にイーユイ、チオンジェン、テツノツツミを置いて後発にヘイラッシャを置くことも割と多い。
基本選出(寿司合体)
先発: or +
後発:+()
結果
PJCS本戦(追加開催):73位 1580 8勝2敗
ランクバトルs6ダブル:81位 1907 59勝28敗
【スペシャルサンクス】
ミササギさん
おわりに
PJCS決勝大会への出場権にはあと一歩届きませんでしたが、約2か月間構築の改良を重ねて本戦で8勝2敗という成績を残すところまで完成度を高められたのは良かったと思います。記事を読んでいただきありがとうございました。
【s31ダブル 最終5位】わたげパ
はじめに
「ワタシラガを活躍させたい!」
今回の構築は、ただその思いを実現することだけを考えて組みました。
改めましてこんにちは!コウです。ワタシラガと共にランクバトル最終5位を達成した構築を紹介していきます。
構築経緯
面白い構築を作りたいなと思ってポケモン図鑑を眺めていたら、目に留まったのが、
ワタシラガ
だった。特性のわたげは、攻撃技を受けると問答無用で味方も含めた自分以外のすばやさを下げるというとんでもない迷惑特性。伝説ポケモンに囲まれたワタシラガがわたげをまき散らしてたら面白そうだなと思った。
そこで、強さや勝てるかどうかは置いといて、ワタシラガの特徴を活かして最大限活躍させられるような構築を作りたいと考えた。僕は対戦相手を驚かせられるような構築が好きなので、とてもわくわくしていた。
まずはワタシラガの長所を整理してみた。
- 攻撃されたら自分以外のすばやさを下げる唯一無二の特性わたげ
- ねむりごな、てだすけ、かふんだんごと有用な変化技を覚える
- 耐久力はまあまあ高く、水・電気・地面耐性がある
これらの長所を踏まえたワタシラガならではの最大の特徴は、特性わたげの発動 or ねむりごな被弾リスクの2択を常に相手に押し付けられることだと考えた。攻撃してわたげによるすばやさダウンを受け入れるか、放置してねむりごなで1体眠らされて2対1の盤面を作られるか、相手視点だと厄介な2択である。
また、カイオーガのしおふきやグラードンのだんがいのつるぎに耐性がありつつ、これらは全体技なので確実にわたげを発動させられるのも大きな強みだと考えた。
ここからはワタシラガの特徴を活かして活躍させるための味方を考えていった。
まず、わたげを活かすためには相手のすばやさだけを一方的に下げたい。そこで特性メタルプロテクトでわたげのすばやさダウンを無効化できるソルガレオ の採用を決めた。ソルガレオは伝説ポケモンの中でも特に耐久が高く、ダイマックスしていれば集中攻撃も耐えられるので、相手がワタシラガを放置してきたりダイサンダーを使ってきたりする場合にも強い。ワタシラガにとっては最高の相方である。
ワタシラガとソルガレオを軸に据えたとき、黒馬バドレックス、イベルタル、リザードンが苦手なので、それらに対してある程度強くワタシラガ・ソルガレオと相性の良い2体目の伝説を考えた。ホウオウ、カイオーガ、グラードン、ゼルネアスなどが候補に挙がった。ワタシラガはほぼ攻撃ができないため、ワタシラガと並んだときにどんな相手にも打点がある伝説がいいと考え、メインウェポンの炎 × 飛行でほとんどの相手に等倍以上でダメージを与えられるホウオウ に決めた。
次にここまでの3体で重めなランドロス、ガオガエン、一撃ウーラオス、ポリゴン2に強い連撃ウーラオス を採用した。ワタシラガのねむりごなを活かすためには、眠っていない方のポケモンに攻撃したいが、まもるで横のポケモンの眠りターンを稼がれてしまうことがある。ウーラオスは特性ふかしのこぶしでまもるを貫通してその動きを許さないため、ねむりごなの価値を高める。
ここまでワタシラガを中心に考えてきたが、黒馬バドレックス+ザシアン軸、白馬バドレックス軸、ソルガレオ軸に対してワタシラガを選出するのは難しいと考えた。これらの相手に対しては、リフレクター・ひかりのかべ+高耐久なソルガレオ・ホウオウの組み合わせが強いと考え、オーロンゲ を採用した。さらにオーロンゲはこうこうのしっぽトリックによって、ワタシラガを選出しないことで重くなるレジエレキ、カイオーガ、パルキアや、弱点保険ソルガレオの圧を緩和できるのも強い。
最後にレジエレキ・ボルトロス・サンダーといった電気タイプ入りのザシアン軸に対して連撃ウーラオスが動きにくいので、代わりに選出できるガブリアスを採用した。
しかし、連撃ウーラオスを選出しないことで特性いかくのランドロス・ガオガエンがきつかったので、マンムー に変更した。マンムーはソルガレオとの相性が悪いので当初採用を躊躇していたが、ホウオウとの相性はとてもいいので、先発ソルガレオ+ワタシラガ(オーロンゲ)で後発ホウオウ+マンムーの選出なら活躍できると考えた。
コンセプト
「ワタシラガ or オーロンゲのサポートを絡めて、常に有利な盤面を維持する」
具体的には、
- ワタシラガの特性わたげやオーロンゲのこうこうのしっぽトリックで、相手の行動順を遅らせる。
- ワタシラガのねむりごなで相手を眠らせて攻撃させない、オーロンゲのリフレクター・ひかりのかべ+ダイマックスの耐久力で相手の攻撃を受け流す。
このようなサポートによって有利な盤面を維持し続けるのがこの構築の勝ちパターン。
個体解説
(H:HP, A:攻撃, B:防御, C:特攻, D:特防, S:素早さと表す。選出率は体感)
ワタシラガ
ワタシラガ@バコウのみ(わたげ・おだやか)
167(252)-×( )-142(252)-100( )-155(4)-80( )
リーフストーム/てだすけ/ねむりごな/かふんだんご
ぽけっとふぁんくしょん!
〈調整〉
構築の中心であるサポート要員。選出率は7割弱で、カイオーガ軸・グラードン軸・イベルタル軸相手にはほとんど選出していた。
飛行タイプに対しても先発で出したかったので、ダイジェットを一回耐えるバコウのみを持たせた。リーフストームはトリトドンや削れたカイオーガ・カメックスを倒すために採用。
相手をねむりごなで眠らせた後は、てだすけやかふんだんごを使うのも強いが、即交換してアタッカー2枚を並べる選択肢を常に考えるようにしていた。
ソルガレオ
ソルガレオ@とつげきチョッキ(メタルプロテクト・いじっぱり)
239(212)-207(252)-131(28)-×( )-110(4)-119(12)
メテオドライブ/サイコファング/ストーンエッジ/ワイルドボルト
ぽけっとふぁんくしょん!
〈調整〉
- A特化一撃ウーラオスのあんこくきょうだを13/16耐え
- C252振り黒馬バドレックスのC+1アストラルビットダブルダメを確定耐え
- C252振り神秘の雫カイオーガの雨ダイストリームを確定耐え
- C特化命の珠ディアルガのダイアースを確定耐え
- Sは味方のホウオウ+1で、ソルガレオと相手のカイオーガやグラードンとのS関係が分かれば、ホウオウと相手とのS関係も分かる。S120調整のカイオーガと同速にならないようにS119にしたが、これだとS-1ボルトロスと同速なのでSラインは悩ましいところ
選出率は9割強で最も高く、全対戦の約7割でダイマックスするメインエース。そのうち初手ダイマと後からダイマの割合は6 : 4くらい。
とつげきチョッキによって非ダイマ状態でも強く戦える。ダイマックスすればワタシラガやオーロンゲのサポート込みで、カイオーガや黒馬バドレックス、イベルタルとも撃ち合える。
〈技の採用理由〉
サイコファング:ダイサイコはカイオーガ+ランドロス+モロバレルに一貫する打点。ダイサイコ+てだすけフィールドダイサイコで大体のダイマカイオーガを倒せる。相手のダイサンダーを張り替えてねむりごなを通せる、相手のねこだましなどの先制技を防げるのも強い。非ダイマで両壁を破壊できるのも強い。
ストーンエッジ:ガオガエン、イベルタル、ボルトロス、リザードン、トルネロスなどへの打点。ダイロックはダイアースより一貫性が高く、雨や晴れの天候を変えられるのも強い。
ワイルドボルト:カイオーガへの最高打点。お互いダイマターンが終わった後、耐久振りカイオーガを半分以上削れる。ワタシラガが浮いている相手にねむりごなを撃つ場合、ダイサンダーをカイオーガに撃つことが多い。また、あくび展開を無理やりカットできる。
ほぼ打点を持たないワタシラガと組み合わせる上で、技範囲と一貫性、威力を確保するためにメテオドライブ・サイコファング・ストーンエッジは必須である。対ダイマレジエレキなどを考えるとじしん(ダイアース)も欲しかったが、カイオーガを他の味方が倒しにくいのでワイルドボルトを優先した。
ホウオウ
〈調整〉
- B無振りカイオーガをダイジェットで確定一発
- A252振りザシアンのきょじゅうざん2回+ダイマックス状態で命の珠反動ダメ1回を大体耐える
- C252振り命の珠レジエレキの10万ボルトを14/16耐え
- Sは遅めのグラードンを抜けるライン。S+2でスカーフカイオーガ抜き
選出率は約9割で、全対戦の約3割でダイマックスする第2のエース。
火力が足りないのでいのちのたまを持たせたが、HPが削れるのも痛いので一長一短。耐久ラインがぎりぎりなのでHPを維持するために特性さいせいりょく+じこさいせい。
連撃ウーラオス
対戦を締めるスイーパー。選出率は5割強で、グラードン軸と白馬バドレックス軸相手にはほとんど選出していた。
構築で唯一の高速アタッカーとして最後に残った相手を上から倒してほしいので、持ち物はこだわりスカーフ。厄介なリザードンの初手ダイマをスカーフがんせきふうじ+ソルガレオの岩技で対策している(リザードンの後発ダイマはホウオウで撃ち合える)。
ワタシラガのてだすけによって、実質スカーフ鉢巻ウーラオスでまもるさえ許さずに倒していく動きが強い。
オーロンゲ
〈調整〉
- C252振りカイオーガの雨しおふきダブルダメを確定耐えまでDに振って、残りB
選出率は3割強で、黒馬バドレックス軸・白馬バドレックス軸・ソルガレオ軸に対してワタシラガの代わりに選出するサポート要員。
バドレックスとソルガレオが役割対象なのでイカサマを採用した。イベルタル相手に選出することはないのでソウルクラッシュは不採用。
こうこうのしっぽを押し付ける相手とタイミングの見極めが重要。
マンムー
第2のスイーパー。選出率は6割強で、イベルタル軸相手にはほとんど選出していた。
ホウオウやワタシラガと並ぶことが多く、全体技が欲しかったので、じしんを採用した。10まんばりきが欲しい場面もあったが、4つの技はどれも外せないため不採用。
きあいのタスキを持っているので、どの相手にも選出したくなるが、トリックルーム軸や壁構築などの高耐久ポケモンが揃っている構築には刺さらない。
選出
①基本選出
先発: + or
後発:、、 のうち2体
②トルネロスや高速電気タイプを採用していない構築に対する選出。対リザードンもこの選出。
先発: +
後発:、、 のうち2体
③エレキ黒馬オーガなどの一部のアグロ構築に対する選出。
先発: +
後発: + α
全対戦のうち、7割近くが①の基本選出で、約2割が②の選出で、1割弱が③の選出。これら以外の選出をする割合は5%以下だった。
結果
最終5位 レート1957 73勝24敗
(別構築を含めたシーズントータルでは79勝28敗)
最終日には瞬間1位&レート2000超えを達成することもできた。最後は集中力が切れてプレイングミスを連発してレートを溶かしてしまったが、それでも最終5位になれた。
この構築を考えているときにはまさかここまで勝てるとは夢にも思っていなかった。ワタシラガを活躍させることだけを意識して構築を組んだので、それで勝てるかどうかはワタシラガのポテンシャルにかかっていた。つまりこの結果は、ワタシラガのポテンシャルが僕の想像よりも遥かに高かったことを示していると思う。
ワタシラガありがとう!
おわりに
ここまで読んでいただきありがとうございました!
今回の構築を使いこなすには、かなりの構築理解度とプレイング精度が要求されます。僕自身も高い集中力を保っているときでないと使いこなせませんでした。でも上手く動かせた対戦は、感動するくらい気持ちよかったので、ぜひ使ってみてください!
【s25ダブル 最終9位】ムゲン御三家
1. はじめに
こんにちは!コウです。
今回はランクバトルシーズン25で使用したムゲンダイナとキョダイマックスカメックスを軸とした構築を紹介します。
2. コンセプトと戦略
本構築のコンセプトは、
相手に応じて3つの戦略を使い分ける
です。
そしてその3つの戦略とは、
①基本的に交換をせずに攻撃技で押していく対面選出
②ムゲンダイナで圧力をかけつつサイクルを回し、有利対面を作ってダイマックスを切る攻撃的サイクル
③相手の攻撃をガオガエンやラッキー、ダイマックスの耐久上昇を使って凌ぎつつ、切り返していくカウンター狙い
相手によって戦略を使い分けるというコンセプトにした理由は、このルールでは圧倒的な力をもつ伝説ポケモンが複数おり、1つの戦略だけで様々な伝説ポケモンを対策するのは非常に難しいからです。例えば壁+チョッキカイオーガ+ダイマサンダーを攻撃的に崩していくのは難しい一方、黒馬バドレックス+ダイマボルトロスに対して受けに回るのは厳しいです。3つの戦略をどのように使い分けるのか、主要な伝説ポケモンに対する戦い方を紹介していきます。
<対ザシアン>
戦略:②攻撃的サイクル(基本)、①対面選出(対ダイマボルトロス)
序盤はムゲンダイナを中心に相手のHPを削ることを最優先に行動し、できるだけ早くカメックスのキョダイホウゲキが有効に通る状況を作ってダイマックスします。
キョダイホウゲキが通る条件は、
1. ダイマックスレジエレキなどの一撃でカメックスを倒せるポケモンが対面にいない
2. トリトドンがいない(or繰り出されてもグラススライダーで倒せる)
3. 対面がカメックスに強いポケモン+水タイプの組み合わせではない
です。この条件はザシアン軸のみならず、全ての相手に対して当てはまります。
味方のポケモンが多く残っているうちにキョダイホウゲキが通れば、ムゲンダイナ・ゴリランダー・エースバーンという強力なスイーパーと、猫だましで相手を止めて砲撃ダメージを蓄積できるガオガエンがいるのでかなり勝ちやすいです。
*なかなかキョダイホウゲキが通る状況を作れそうにない場合は、ガオガエンのダイマックスを通すプランで戦います。また、ダイマボルトロスに対しては序盤ガオガエンを展開できないので、カメックス(エースバーン)をダイマックスさせて対面的に戦います。
選出1 基本
先発:+α(ラッキー以外)
後発:から2体
先発:+()
後発:から2体
*ドラパルト入りに対しては特殊な選出をすることがあります。
<対カイオーガ>
戦略:③カウンター
カイオーガ軸は大きく2つに分けられます。
1. エルフーンやトルネロスのおいかぜ、レジエレキやエースバーンといった高速アタッカーを採用したビートダウン系の構築
2. オーロンゲ・ポリゴン2などのデバフ・素早さ操作要員、サンダー・メタグロス・フシギバナなどの安定感のあるアタッカーを採用したバランス型の構築
どちらに対しても序盤はムゲンダイナで圧力をかけつつ、カイオーガなどの特殊攻撃はラッキーで受け止めてうたうで切り返します。ビートダウン系に対してはカメックス、バランス型に対してはキョダイホウゲキが通る条件を満たしにくいのでエースバーンがダイマックスすることが多く、カイオーガはゴリランダーで倒すことを意識して立ち回ります。
*戦略はカウンターとしていますが、相手がサポート+アタッカーなどの場合は序盤から積極的に攻めます。ラッキーを使ったカウンター戦略をとるのは、カイオーガ+ダイマエースの並びを上手く展開されたときにムゲンダイナ、ゴリランダー、ダイマエースでは不利な択勝負になるからです。
選出1 対ビートダウン系
先発:+()
後発:から2体
選出2 対バランス型
先発:+()
後発:+()
<対黒馬バドレックス>
戦略:①対面選出(ボルトロス入り)、③カウンター(ボルトロスなし)
カメックスのキョダイホウゲキとゴリランダーのグラススライダーの通りがかなり良いので、序盤キョダイホウゲキで相手を削って、相手のダイマックスが終わった後にグラススライダーでスイープしていきます。ボルトロス入りに対しては襷エースバーンで序盤を戦い、ボルトロスがいなければ先発のゴリランダーを初手でガオガエンに交換して相手の攻撃を受けながらキョダイホウゲキで切り返します。
*脱出ボタンを持っていそうなエルフーンが先発してきた場合を除き、初手ダイマします。
選出1 対ボルトロス入り
先発:+
後発:+
選出2 対ボルトロスなし
先発:+
後発:+
<対白馬バドレックス>
戦略:②攻撃的サイクル(非トリル下)、③カウンター(トリル下)
トリックルームが展開されていない状況では、ガオガエンを使ってサイクルを回しながら、ムゲンダイナ、エースバーン、カメックスで相手を削っていきます。トリックルームが展開されたら、まもるやダイマックスの耐久上昇によって相手の攻撃をとにかく凌ぎにいきます。トリックルームが切れたところで一気に決めにいけるように残すポケモンを考え、カウンターを狙います。
*トリックルーム展開のとき、ダイマターンや砲撃ターンが足りなくなるため、初手ダイマはしません(先発レジエレキ+ウーラオスの場合を除く)
選出
先発:+
後発:+
<対グラードン>
戦略:②攻撃的サイクル(基本)、①対面選出(対ダイマボルトロス)、③カウンター(トリル下)
戦略②と③に関してはゴリランダーやラッキーを選出することがあるということ以外、対白馬バドレックスとほぼ同じです。戦略①も対ザシアン(ダイマボルトロス)のときとほぼ同じです。
選出1 基本
先発:+()
後発:()+α
先発:+()
後発:から2体
3. 各ポケモンの役割と採用理由
カメックス
カメックス@いのちのたま(げきりゅう・ひかえめ)
186(252)-×( )-120( )-150(252)-126(4)-98( )
しおふき/ふぶき/ハイドロカノン/まもる
ぽけっとふぁんくしょん!
役割
・ダイマックスエースとして相手に大きなダメージを与える
採用理由
4ターンの間ターン終了後に最大HPの1/6のダメージを与えられるという追加効果をもつキョダイマックス技「キョダイホウゲキ」が非常に強いため採用しました。この技は追加効果だけで4ターンの間に相手のHPを最大133%(1/6×2×4)削ることができる*1ため、伝説戦でも十分なパワーがあり、襷やまもる、みがわりなどのダイマックスターンを枯らす要素に対して強いです。ほぼ同じ効果の技を使えるフシギバナ、リザードン、セキタンザンを差し置いてカメックスを選んだ理由は、相性が良く一般的に対策されていない伝説ポケモン(ムゲンダイナ)が見つかったからです。
備考
・持ち物はキョダイホウゲキ・ダイアイスの威力を上げる命の珠。神秘の雫では火力不足。
・最大威力のキョダイホウゲキとダイアイスを使うため、しおふき(ハイドロカノン)とふぶきを採用
・しおふきはダイマックスせずに攻撃するときに最も火力の高い技(範囲技のためHP満タンで威力225、半分でも112)
・ハイドロカノンはダイマックスが終わった後、削れたカメックスが使うときに最も火力の高い技(げきりゅうが発動していると威力225の単体技)で、実質4ターン目のダイマックス技
ムゲンダイナ
役割
・先発で相手を削り、ダメージレースを有利に進める
・後発または一度引っ込めた場合にはスイーパーとして相手を倒しきる
採用理由
素早さ・火力・耐久すべてがトップクラスであり、ほとんどの一般ポケモンに対面有利を取れて、先発性能が非常に高いため採用しました。カメックスが苦手なレジエレキ(使用率2位)・ボルトロス(同9位)・サンダー(同19位)・カイオーガ(同10位)といった電気・水タイプに対して、耐性とメイン技の火力でザシアンよりも有利なことが決め手です。
備考
・りゅうのキバを持たせることでチョッキランドロス(使用率3位)・ウーラオス(同7・17位)・チョッキボルトロス(同9位)などへの確定数が変わる
・最速なのは意地っ張りザシアン、エースバーン、レイスポス(同速)意識。性格控えめだとダイマックス砲でh4ウーラオスが確定で倒せる(臆病だと68.8%)が、使用感として最速だから勝てる対戦のほうが多いと感じた
ゴリランダー
役割
・削れたポケモンを先制技グラススライダーで倒すスイーパー
・カイオーガ、バドレックス対策
・ウッドハンマーによって相手を削る
・ねこだましによって味方をサポート+ターン稼ぎ
採用理由
ムゲンダイナやカメックスは相手を削ることに長けているため、その削った相手を先制技で倒せるスイーパーとして採用しました。キョダイホウゲキの定数ダメージが入らない水タイプや、ムゲンダイナが特に苦手とする黒馬バドレックスに大ダメージを与えられる点が決め手です。
備考
・きせきのタネはスイーパーや削り要員としてグラススライダーで倒せる範囲、ウッドハンマーの負荷を上げるため
・物理耐久はa231ザシアンのきょじゅうざんを93.7%耐え。素早さは大体のカメックスとラプラスが抜けるようなライン
ガオガエン
201(244)-176(196)-115(36)-×( )-111(4)-84(28)
ぽけっとふぁんくしょん!
役割
・威嚇や突撃チョッキを含めた高耐久と耐性で相手の攻撃を受けて、後攻とんぼがえりでアタッカーを着地させるクッション要員
・威嚇やねこだましによる味方のサポート
・高威力の炎技を使えるサブアタッカー
採用理由
相手に対応して戦略を使い分けるというコンセプト実現のため、攻撃的サイクルの展開や受けからのカウンターに必要なクッション要員として採用しました。ムゲンダイナ・カメックス・ゴリランダーと耐性・攻撃面ともにタイプ相性が良いことが決め手です。
備考
・火力と特殊耐久を両立するため持ち物は突撃チョッキ
・インファイトはガオガエン・ポリゴン2意識。黒馬バドレックスをガオガエンで削ることはあまり考えていないので悪技は不要
・物理耐久は威嚇込み陽気ザシアンのインファイトを87.5%耐え(ゴリランダーと異なり陽気意識なのは、ムゲンダイナが意地っ張りザシアンより速いため、交換読みでインファイトは打てないと判断)
ラッキー
ラッキー@しんかのきせき(しぜんかいふく・ずぶとい)
326(4)-×( )-62(252)-×( )-157(252)-70( )
ちきゅうなげ/タマゴうみ/サイドチェンジ/うたう
ぽけっとふぁんくしょん!
役割
・圧倒的な特殊耐久とタマゴうみで特殊攻撃を受けきる
・うたうで相手を眠らせることで味方をサポート
・カイオーガ軸対策
・エルフーン+ドラゴン伝説対策
採用理由
壁や突撃チョッキなどを駆使した耐久力の高いカイオーガ軸に対しては、無理やり攻めるよりも受けに回る選択肢を用意した方が良いと考え、カイオーガ+特殊ダイマエースの受けとして採用しました。構築全体で厳しいエルフーン+ドラゴン伝説の対策にもなる圧倒的な特殊耐久と、うたうによる切り返し性能の高さが決め手です。
備考
・HB特化の方が総合耐久指数は高いが、今回は特殊受けが役割で特にカイオーガからの被ダメージが変わるのでBD振り
エースバーン
155( )-168(252)-95( )-×( )-96(4)-188(252)
ぽけっとふぁんくしょん!
役割
・選出の穴を埋める対面性能の高い器用なアタッカー
採用理由
ここまでの5体では対ボルトロス入りなどで対面的な選出をするときに、明らかに刺さっていないポケモンを選出することになり、選出に穴ができてしまうと考えました。そこで対面選出であればどんな伝説相手にも出せるアタッカーとして襷エースバーンを採用しました。先発でも後発でも強い、ダイマックス適正がある、先制技があるといった器用さと、対面選出の仮想敵であるボルトロスより速いことが決め手です。
備考
・ギガインパクトはサンダー+カイオーガ、ボルトロス+ザシアンにダイアタックを打つために採用
4. 構築完成に至るまで
僕が構築記事を書く1つの大きな理由は、この構築作りの過程の話を読んでもらいたいからです。ただの思い出話ですが、お付き合いいただけると嬉しいです。
11月初め
楽しかったダイマなしルールのシリーズ10が終わり、11月からは竜王戦ルールのシリーズ11が始まりました。このルールは好きでも得意でもなく、同じルールのシリーズ8のときは納得できる構築を1つも作れませんでした。
11/13,14の日程でリバティノートが主催するLCSという大会があり、この大会には強いプレイヤーが沢山参加すると思われたので、強い相手と戦うことが好きな僕は参加したいと考えました。そこでその大会で使うための構築を考え始め、良さげな構築が浮かんだら参加しようと決めました。
2週間で1から良い構築を作り上げるのは容易ではありません。それに加えてこの時期は忙しく、ランクバトルで練習する時間はほとんど取れないと考えられたため、頭の中だけで構築を作り上げる必要がありました。
まず構築の完成度の高さで勝負することは諦めました。シリーズ8の経験を活かした構築を使うプレイヤーやランクバトルで沢山練習して構築を改良してくるプレイヤーに対して、2週間頭の中だけで考えた構築の完成度が及ぶわけがありません。となるとアイデアで勝負するしかありません。他のプレイヤーが予想していない構築を考えるしかないと思いました。
初めに使用率の低い伝説ポケモンを軸に据えようと考えましたが、軸となる伝説+一般ポケモンの組み合わせで良さげな案が浮かびませんでした。次に目を付けたのが強力なキョダイマックス技を使える一般ポケモンでした。僕は以前キョダイマックスセキタンザンを使ってシーズン最終10位や公式大会30位という結果を残したことがあったので、追加効果で定数ダメージを与えられるセキタンザン、フシギバナ、リザードン、カメックスに着目しました。相性の良い伝説ポケモンを考えるとまずフシギバナ+カイオーガやリザードン+グラードンといった既に良く使われている組み合わせが浮かんできました。既存の構築はさすがだと感心しましたが、その組み合わせから新しく僕が構築を考えたところで完成度が及ばないことは目に見えています。
その後考える中で浮かんだ案の1つがカメックス+ムゲンダイナでした。カメックスの相方といえばザシアンだけど、カメックスが苦手なレジエレキに強いムゲンダイナも相性は良いのでは?と考えました。
取り巻きはカイオーガを倒せてカメックスと相性がいいゴリランダー、カメックスを先発させるのは難しそうなので先発からボルトチェンジでサイクルを回せる襷サンダー、不利対面の引き先になりつつアタッカーを速やかに展開できる脱出ボタンガオガエン、黒馬バドレックス対策と裏ダイマエースとしてポリゴン2に仮決定しました。一応1つ構築が浮かんだのでLCSの参加を決めました。
11月10日
少し時間があるときに、ポケモンを育ててランクバトルに潜り、スーパーボール級で対戦しました。そこでポリゴン2が要らない、カイオーガやディアルガなどの特殊伝説がきついと感じました。
11月12日
ポリゴン2の代わりに特殊技に対する引き先になれるラッキーを採用しようと考えました。ツイッターで小さくなるラッキーの4つ目の技のアンケートを取ったら1位サイドチェンジ2位うたうだったので、それを参考にうたうを採用しました。そしてできた構築がこちら
LCSはオープンシート形式で、このレンタルチーム画面は大会前に全プレイヤーに公開されました。オープンシートなのに拘り眼鏡や拘り鉢巻、脱出ボタンを使うの?と思われた方もいると思いますが、オープンシートで相手の守るの有無などがわかるからこそ技の一貫を作ったときの眼鏡や鉢巻の破壊力はすさまじいですし、相手も当然警戒するので強気な読みが通りやすいです。
ムゲンダイナがダブルではマイナーであることに加えて、周りの取り巻きもかなり独特な組み合わせになっており、他のプレイヤーが予想していない構築にはなったと思いました。このレンタルチームの画面を見ても、何をしてくるかよくわからない構築になっていると思います。しかし勝てるかどうかは微妙で強さには自信が持てませんでした。
11月13日
LCSDay1予選が行われ、なんとBo3で5連勝(10-2)で124人中3位でDay2進出を決めました。1勝できれば十分だと思って臨んでいたのでまさかの結果に驚きました。強いプレイヤーとの対戦は楽しかったです。
11月14日
Day2では、ムゲンダイビーム→シャドーボール、ギガインパクト→はたきおとす、ガオガエンのとんぼがえり→すてゼリフ、ちいさくなる→サイドチェンジに変えました。
LCSDay2予選の結果は3勝2敗(6-5)でした。3勝したものの、かなり運に恵まれた結果であり、全体を通してプレイングミスが非常に多く、前日の疲れもあって後半は頭が回っていませんでした。3勝2敗はオポネント次第で決勝トーナメントに進めるとのことでしたが、5戦目終了後はもう終わったという気持ちでした。全試合終了後、確定した予選順位を見ると僕は8位。あれ?決トナ行けるの?あまりにも頭が疲れていて全然実感が湧きませんでした。
結局決勝トーナメントは1回戦で負けてベスト8という結果になりました。終わった後の反省として、襷サンダーが微妙、ボルトロスがきついと考えました。
LCSが終わって燃え尽きた感があり、もうしばらくこのルールはやらなくていいわと思っていました。実際、この後11月のランクバトルシーズン24は1試合もせずに終わり、剣盾ダブルで初めてマスターボール級に到達しなかったシーズンになりました。
12月1日
前夜寝落ちした僕は、早朝3時頃に起きました。シーズン24の最終日だったのでマスターボール級まで上げようかと一瞬思いましたが、それよりも構築を考えたいという気持ちが出てきました。そこでLCSで使ったムゲンダイナ軸の改良案を考えることにしました。サンダーがいまひとつだったので、その代わりに苦手なボルトロスがダイマ型でも悪戯心型でも対応できる、いわなだれ(ダイロック)を採用した白いハーブ物理テッカグヤを採用しようと思いました。ダイマックス砲と集中してボルトロスを倒せればビーストブーストが発動するという点、ムゲンダイナと相性が良い点を評価しました。また、持ち物はムゲンダイナを命の珠、カメックスを神秘の雫、ゴリランダーを奇跡の種、ガオガエンを突撃チョッキに変えました。
12月4日
改良した構築でマスターボール級まで対戦したところ、ザシアン軸相手にテッカグヤが予想以上に活躍しました。そのためメインエースはカメックスよりもテッカグヤの方が強いかもしれないと考えました。そこでムゲンダイナとテッカグヤを軸に据えて1から構築を考え直すことにしました。
12月5日~9日
まず先発ムゲンダイナ・テッカグヤと組み合わせる後発2体を考えました。レジエレキ、ウーラオス、エンテイなど様々なポケモンの可能性を考えた末の結論は、ゴリランダーとガオガエンでした。
次にテッカグヤを選出しにくい相手に強い裏エースを考えました。ラプラス・アシレーヌ・ポリゴン2など様々なポケモンの可能性を考えた末の結論は、カメックスでした。
最後の6体目に満たしてほしい条件は、カイオーガや特殊ダイマ伝説に対する引き先になれること、黒馬バドレックスorグラードン+ダイマボルトロスに強いことだったので、HDポリゴン2に決めました。
持ち物はムゲンダイナ@竜の牙、テッカグヤ@白いハーブ、ゴリランダー@拘り鉢巻、ガオガエン@突撃チョッキ、カメックス@命の珠、ポリゴン2@しんかのきせきにしました。
結果的に見た目は前の構築からラッキーをポリゴン2に変えただけであり、メインエースを変えてもほぼ同じ組み合わせになるということは、各ポケモン同士の相性が良いのだろうと捉えました。
12月10日
新構築で対戦してみるとよく勝てましたが、ラッキーの硬さに慣れていたからかHDポリゴン2の耐久は脆く感じました。実際カイオーガや特殊ダイマ伝説を受けることはできないので、この枠はラッキーに戻すことにしました。
12月18日
ラッキーを戻して対戦してみた結果、この日もよく勝てました。ただ少し気になったのは、テッカグヤが活躍しなかったorテッカグヤを選出できなかったときに負けているということでした。これまでは逆にテッカグヤが活躍した対戦は勝っているという印象で肯定的に捉えていましたが、ここで初めて疑念が生まれました。
12月19日~26日
よく考えてみるとテッカグヤはカイオーガには出せず、黒馬バドレックス・グラードン・ソルガレオにはカメックスの方が強く、ディアルガに出しても勝てなかった。その上晴れザシアンやセキタンザン+ザシアンにはカメックスダイマだし、白馬バドレックスにもカメックスダイマの方が多い。あれ?テッカグヤが活躍する条件ピンポイントすぎない?疑念は確信に変わり、テッカグヤを外すことにしました。
一方で、テッカグヤがピンポイントでしか機能していなかったにも関わらず、よく勝てていたことから、多くの相手に対してムゲンダイナ・ゴリランダー・ガオガエン・カメックス・ラッキーの5体で戦えることがわかりました。そこで再びカメックスをメインエースに据えて、ラスト1体を考えることにしました。
6体目に求める条件は、ボルトロス入りのザシアン軸・黒馬バドレックス軸・グラードン軸に強いこと、白馬バドレックスに弱くないこと、サンダー・ナットレイ入りのカイオーガ軸に対してダイマエースとして戦えることでした。この条件にある程度当てはまるポケモンとして、エースバーンとエンテイが浮かびました。かなり悩みましたが、ボルトロスより速いという点を評価してエースバーンに決めました。
ここで構築が完成しました。
12月27日~31日
完成した構築を使ってランクバトルに挑みました。
5. 結果
ランクバトルシーズン25 ダブル
最終9位 レート1950 40勝13敗
(エースバーン→テッカグヤ、ラッキー→ポリゴン2のときを含めたシーズン全体では62勝19敗)
6. おわりに
自分で納得できる構築を作ることができたこと、最終9位という良い結果を残せたことがとても嬉しかったです。長文だったと思いますが、ここまで読んでいただきありがとうございました!
*1:1体のHPを100%、4体の合計を400%とした場合
【s21ダブル 82位】レヒレマゼンタ
はじめに
こんにちは、コウです。
今回は、ザマゼンタ(たてのおう)の考察と、シーズン21ダブルで最終82位となったザマゼンタ軸の構築の紹介をします。(以下常体)
前半 ザマゼンタ(たてのおう)の考察
1. ザマゼンタの特徴
【火力面】
長所:攻撃種族値が130と高い。インファイトやきょじゅうだんが高威力。
短所:相手2体に当たる範囲技がない。つるぎのまいやビルドアップなどの強力な積み技がない。持ち物で強化できない。いかくで攻撃が下がる。
【耐久面】
長所:防御・特防ともに非常に高い。特に防御は特性ふくつのたて込みだと全ポケモンでもトップクラス。鋼タイプなので半減タイプが多い。
短所:じこさいせいなどの強力な回復技がない。持ち物で回復ができない。弱点がメジャータイプ(炎、格闘、地面)。
【その他】
長所:素早さ種族値は128と高い。味方をサポートする技が豊富。
短所:ザシアン対策がそのままザマゼンタ対策としても当てはまりやすい。
- ザマゼンタは、カイオーガ・黒馬バドレックス・ザシアン・ゼルネアスのような派手な強みはないが、対面的な撃ち合い性能やサイクル戦の適正を考えると伝説の中でも上位クラスの強さだと思う。
2. ザマゼンタがあまり使われない理由
ザマゼンタの型は大きく3つに分けられる。ここからはそれぞれの長所と課題点を述べていく。
1つ目は、ASorHA振りのアタッカー。火力と耐久のバランスに優れ、1対1の撃ち合いに強く、少ない攻撃回数で相手を倒せる。しかし、アタッカーとしては耐久振りザシアンのほうが強いのではないかと考えられる。
2つ目は、HSorHD振りのアタッカー。攻撃回数をより多く確保できることが魅力である。しかし、火力が低く相手を倒すのに時間がかかり、ザマゼンタよりも耐久力の低い味方のポケモンを狙われ続けると厳しい。
3つ目は、HSorHD振りのアタッカー兼サポーター。行動回数の多さを活かしてとおぼえ・ワイドガード・バークアウト・コーチングなどで味方をサポートする。しかし、今のルールで伝説枠をサポーターにするなら、かなり相性が良い一般枠のアタッカーが必要だが、超高耐久のザマゼンタの隣に並んで強いポケモンはなかなかいない。
3つの型いずれも課題点があり、その解決が難しいためザマゼンタはあまり使われないのだと思う。逆に考えると課題点さえ解決できればザマゼンタは強い。今回僕は1つ目のASorHA振りのアタッカー型を使いたいと思い、耐久振りザシアンと比べたときのザマゼンタの強みを考えた。
3. ザマゼンタならではの強み
HS(HD)振りザシアンとAS(HA)ザマゼンタを比較する。
【火力面】
・A無振りザシアンとA振りザマゼンタは攻撃実数値はほぼ同じだが、特性ふとうのけんを考慮した実質攻撃力はザシアンのほうが約1.5倍高い。
・ザマゼンタがタイプ一致で使えるインファイトの火力だけはほぼ同じ。
【耐久面】
・HS(HD)ザシアンとAS(HA)ザマゼンタでは、特殊耐久はほぼ同じ。
・特性ふくつのたてを考慮すると物理耐久はザマゼンタの方が約1.5倍高い。
・耐性はザシアンの方が弱点は1つ少なく、半減以下のタイプは2つ多い。
【その他】
・HS(HD)ザシアンとAS(HA)ザマゼンタでは、素早さはザシアンの方が高い。
まとめると、AS(HA)ザマゼンタがHS(HD)ザシアンに対して明らかに勝っているのは、物理耐久のみである。一見、火力面で勝るザシアンの方が強そうだが、ザマゼンタの物理耐久の高さは使い方次第で、大きな強みになるのではないかと考えた。シーズン21を戦う中で僕が感じたザマゼンタならではの強みは3つ挙げられる。
1つ目は、物理アタッカーとの撃ち合いに強いことである。例えば使用率トップクラスのガオガエンに対して、ザマゼンタはインファイトで防御が下がっても相手のフレアドライブを耐えられるため、余裕を持って強気に動かせる。ザシアンはインファイトで防御が下がったりHPを少し削られていたりするとフレアドライブで倒される。
2つ目は、先制技で倒されないことである。ゴリランダーのグラススライダーを筆頭に、しんそくやアクアジェットなどの先制技はとても強い。特に自分のポケモンの残りHPが相手の先制技で倒される圏内(縛られている)だと、そのターンは実質1対2で戦うことになる。ザマゼンタは、物理先制技のダメージを非常に小さく抑えられるため、HPが削られていても先制技圏内に入ることはとても少ない。ザシアンも先制技に強いほうだが、ザマゼンタはそれ以上だ。
3つ目は、味方の盾となれることである。特性ふくつのたては自分への攻撃のみ低減できるいかくとも捉えられ、相手の物理技に対して受けだして切り返すというガオガエンや霊獣ランドロスのような使い方ができる。自らのHPを犠牲に味方のHPを温存する動きは、まさに盾の王の名にふさわしい。ザマゼンタならではの強みは、味方の盾となる動きと、アタッカーとして相手を攻撃する動きを両立できることであり、どちらの役割遂行能力もトップクラスを誇ることである。
後半 構築紹介
1. 構築経緯
ここまでザマゼンタの話をしてきたが、s21ダブルで使った構築はザマゼンタから組んだわけではない。まず白馬バドレックス軸の構築を考えていたときに、カプ・レヒレ、モロバレル、ガオガエン、ランドロスという4体の組み合わせがふと頭に浮かんだ。この4体のうち3体+伝説ポケモンの選出の対応範囲が広く、強いのではないかと感じた。この4体と相性が良い伝説ポケモンとしてザシアンを採用したかったが、ポケットモンスターシールドしか持っていない僕はザマゼンタを採用した…
???「これまで散々ザマゼンタを持ちあげておいて、もともとはザシアンの代わりだったのか⁉」
僕「はい」
盾の王ザマゼンタの考察はここから始まり、これまで述べてきたようにザマゼンタならではの強みがあるという考えに行き着いた。
構築経緯に戻ると、6体目としてはカイオーガとグラードン対策のタスキ枠としてエースバーンを採用した。
①
その後スカーフランドロスを霊獣から化身に、タスキ枠をエースバーン→エンテイ→サンダーに変えていった。③と④の構築でレート1900を超えることができた。
②
③
④
その後サンダーの持ち物をばんのうがさに変えるとレートを200溶かした。当然ばんのうがさサンダーは外したが、負けが続いた原因は他にもあると考え、ザマゼンタと役割や弱点が被るガオガエンも外した。その2枠をゴツメギャラドスとタスキエンテイに変えると、ザシアンやカイオーガ軸には強くなったが、黒馬バドレックスに全く勝てなくなった。
⑤
次にチョッキゴリランダー、ゴツメ霊獣ランドロス、スカーフエンテイ、タスキレジエレキを試したが、ゴリランダーとレジエレキは合わなかった。
⑥
シーズン最終日になり、ランドロスとエンテイは残してモロバレルを戻し、カイオーガやグラードン意識のタスキ枠としてマニューラを採用した。
⑦
ここまでの構築経緯で分かる通り、今回の構築は相性が良さそうなポケモンの寄せ集めであり、明確なコンセプトはない。しかし、1か月の試行錯誤によって、タイプやイメージだけでなく、処理速度などを含めた様々な面で相性が「良い」構築になったのではないかと思う。
2. 個体解説
ザマゼンタ@くちたたて
特性:ふくつのたて
実数値:169(12)-198(236+)-166(4)-*-166(4)-180(252)
・いかくやねこだましを受けたくないので余裕がある対面ではみがわりを積極的に使う。
・ワイドガードは黒馬&白馬バドレックス対策。
・アローラキュウコン、カミツルギ、ライチュウ、ラティアスを抜きたいのでAS振り。
カプ・レヒレ@ミストシード
特性:ミストメイカー
実数値:176(244)-*-136(4)-161(252+)-151(4)-106(4)
・ザマゼンタと相性が良い第2のアタッカー
・相手のタスキ枠が鬱陶しいので範囲技のマジカルシャインを採用。
・シャドーボールがないと黒馬バドレックス軸に勝てない。
・くろいきりはゼルネアス、ウルガモス、ラッキーの積み技対策+ザマゼンタの能力低下解除のため。対ツボラキはモロバレルのキノコのほうしと合わせてTODで勝てる(全勝)。
・ミストシードは黒馬バドレックスに対して耐久とシャドーボールの火力を両立し、ゼルネアス意識のくろいきりを採用するため。
モロバレル@バコウのみ
特性:さいせいりょく
実数値:221(252)-*-91(4)-105-145(252+)-31(-)
・ザマゼンタやカプ・レヒレと相性が良い第3のアタッカー
・くさむすびはカイオーガや連撃ウーラオス、ランドロスへの打点。
・ヘドロばくだんはゼルネアスやゴリランダーへの打点。
・キノコのほうしはイベルタルやムゲンダイナ、パルキアなどを眠らせられるのが強く、ザマゼンタのみがわりと相性が良い。
・アタッカーなので、いかりのこなよりも攻撃技が優先。
ランドロス(霊獣)@ゴツゴツメット
だいちのちから/いわなだれ/とんぼがえり/まもる
特性:いかく
実数値:196(252)-165-156(252+)-125-101(4)-99(-)
・ザマゼンタやカプ・レヒレと受けの相性補完が良く、レジエレキやザシアンなど様々なポケモンに受け出して、とんぼがえりでサイクルを回すために採用。
・味方が浮いていないのでだいちのちからを採用。
・調整はザシアンのきょじゅうざんを2耐え。
・ゴツゴツメットは連撃ウーラオス対策で、エンテイやザマゼンタを交代してすいりゅうれんだを受ける場面は多かった。すいりゅうれんだでランドロスは倒れるか9割削られるが、相手も半分削れるので苦手なポケモンの対策としては十分。
エンテイ@こだわりスカーフ
特性:せいしんりょく
実数値:191(4)-167(252)-105-*-95-167(252+)
・ザシアンや黒馬バドレックスに先攻して大ダメージを与えるために採用。
・スカーフ化身ランドロスやレジエレキはねこだましで止まるが、エンテイは怯まないしいかくも効かない。
マニューラ@きあいのタスキ
トリプルアクセル/うっぷんばらし/ねこだまし/こおりのつぶて
特性:プレッシャー
実数値:145(4)-172(252)-85-*-105-194(252+)
・カイオーガ軸のトルネロス・アマージョ・エルフーン・サンダー・イエッサンや、グラードン軸のグラードン・サンダー・チェリムに強い打点があるため最終日に採用。
・ついでに苦手なムゲンダイナの対策にもなった。
・黒馬バドレックス相手にはほぼ選出しないが、見せ合いでプレッシャーをかけられる。
3. 選出例
【対カイオーガ】
先発+
後発+
選出は対面的に戦うことを意識しているが、サイクルを回すこともある。最後にザマゼンタを通す盤面を作ることを意識する。
【対ザシアン】
先発+()
後発+
サイクルを回しながら戦う。みがわりザマゼンタかエンテイを通す盤面を作ることを意識する。
【対黒馬バドレックス】
先発+
後発+()
先発バドレックスなら、バドレックスにシャドーボール、隣にきょじゅうざんかインファイトから入る。後発バドレックスなら、一般ポケモンの技をランドロスに受けてもらう。おいかぜを枯らしてエンテイを通すことを意識する。
【対ゼルネアス】
先発+()
後発+()
ゼルネアスが出てきたらカプ・レヒレは普通に攻撃しつつ隣をモロバレルに変える動きが安定しやすい。ジオコントロールを使われてからくろいきりを使うのが基本。
先発+
後発+()
エンテイさえ倒せればなんとかなる。
4. 結果
シーズン21ダブル 最終82位 最終1925 139勝86敗
おわりに
とても楽しいシーズンでした。最終日9/1の午前0時の時点では4桁に落ちていましたが、そこから17勝3敗で2桁まで順位を上げられて嬉しかったです。また、この記事を読んでザマゼンタ構築に興味をもっていただけたら嬉しいです。ここまで読んでいただきありがとうございました。
【s13ダブル 10位】ファイヤグロス
1. はじめに
こんにちは、コウです。
今回はs13ダブルで最終10位となったガラルファイヤー軸の構築の紹介をします。(以下常体)
2. コンセプト
エースバーンの技で相手の弱点を突けることが多いので、その圧力を活かしてミロカロスやニンフィアの範囲技で削る。相手のダイマックスは襷エースバーンと壁やあくびで受ける。相手がダイマックスしなければダメージレースを有利に進めやすく、相手の先行ダイマックスに対しても隙を見せにくい。
- 後発ガラルファイヤーorメタグロス+ゴリランダー
後発ダイマックスエースのファイヤーまたはメタグロスは安定行動で相手に大ダメージを与えられる。ゴリランダーのグラススライダーも強力で、味方が削った相手を先制攻撃で倒せる。ファイヤーとゴリランダーはどちらも積み技を持つため高耐久ポケモンにも強いが、積み構築ではない。
3. 構築経緯
まず、ガラルファイヤーを軸にした構築を作ろうと考えた。ファイヤーの長所は、
- ダイジェットとダイアークの通りが良く、追加効果との相性が良い
- もともとの耐久の高さに加え、特性ぎゃくじょうによって実質的な耐久力がかなり高い
- 範囲技もえあがるいかりは威力・追加効果ともに優秀
- わるだくみを覚えるので耐久ポケモンに詰まされない
控えめに言ってめちゃくちゃ強い。ここに挙げた4つの長所は僕の好みにドンピシャで最高。ファイヤーは先発ダイマだと対策が容易なので、後発ダイマで使おうと考えた。
ファイヤー展開につなげる先発として、エースバーンとミロカロスを採用した。この2体の強みは先月の記事で書いたのでぜひ読んでください。
次にファイヤーとともに後発で選出するポケモンとしてゴリランダーを採用した。ゴリランダーはファイヤーが苦手なカプ・レヒレやレジエレキに強く、強力な先制技グラススライダーは削り性能の高い先発2体と相性が良い。ここまでは前シーズンの基本選出と一緒。
基本選出の4体では、使用率トップ100のポケモンのうち、ブリザポス・サンダー・ボルトロス・セキタンザン・レジギガス・レジドラゴ・パッチラゴンへの対応が難しいと考えた。そこでニンフィアとメタグロスを採用した。
ニンフィアは、ドラゴン技無効なのでレジドラゴに強く、サンダー・ボルトロス・セキタンザン・レジギガスに対してあくびが非常に有効である。
メタグロスは、ブリザポスのダイマターンをしのぐことと、レジギガス・マタドガスの並びに強いことという6枠目に求められた二つの条件を満たす。
- 対サンダー、対ボルトロス
前シーズンではダイマレジロックで相手していたが、今回はサンダーやボルトロス相手でもファイヤーを選出したいと考えた。そこで非ダイマでこれらを対策するために、ウツロイドのメテオビーム、ポリゴン2のトリックルーム、レジエレキのかいでんぱとリフレクター、モロバレルのキノコのほうしなどの様々な方法を考えたが、その中で「ニンフィアのあくび」が最も今回の構築に合っていると判断した。ニンフィアに確固たる決め手があったわけではなく、消去法で唯一残ったため採用した。
4. 個体解説
H:HP、A:攻撃、B:防御、C:特攻、D:特防、S:素早さとする。
エースバーン@きあいのタスキ リベロ
かえんボール/ダストシュート/とびひざげり/ふいうち
実数値:155-168(252)-95-*-98(20)-185(236+)
調整:Sはエルフーン抜きで最速エースバーンとの同速回避。D振りに意味はない。
選出率は最も高く、ほとんどの対戦で先発した。ダイマックスしたのは1回だけだった。技外し1回まではケアできることが多いが、2回外したらかなり苦しいのでそこは割り切って使った。ふいうちはかなり警戒されるので、相手の交換をケアできるときだけ使うほうがいい。適当に使っても普通に強いので、なぜ襷エースバーンが全然使われないのか不思議。
技の採用理由
かえんボール:メインウェポン。モロバレルやカミツルギへの打点。
ダストシュート:カプ・レヒレ、ピッピ、トゲキッスなどフェアリーへの打点。
ふいうち:威力の高い先制技。HPの少ない相手に攻撃技を使わせないのが強い。
とびはねる、まもる、アイアンヘッドも採用候補だが、4つの技よりは優先度が下だと思った。
ミロカロス@ソクノのみ かちき
だくりゅう/ふぶき/ひかりのかべ/まもる
実数値:196(204)-*-111(92)-156(172+)-146(4)-106(36)
調整:S+1で最速ランドロス抜き、C+2だくりゅうでASチョッキランドロスを乱数1発(75%)、HBは鉢巻陽気ウーラオスのあんこくきょうだ93.7%耐えで、総合耐久指数が最大になるように振り分けた。
サンダーやボルトロスに対して選出しなくなったので、前シーズンよりは選出率が低くなった。ニンフィアとどっちを出すかで迷うことが多い。基本は先発だが、後発で選出することもある。ダイマックスする機会はファイヤーとメタグロスに次いで多い。ターン数が長くなる遅い展開の対戦では強いが、高速展開の対戦は少し苦手。特殊エースにはひかりのかべがとても有効で、ひかりのかべミロカロスはぜひ一度使ってみてほしい。オボンのみやウイのみも試したが、現環境ではソクノが一番安定すると感じた。
技の採用理由
だくりゅう:メインウェポン。最大威力。
ふぶき:水技と相性補完の良いサブウェポン。
ひかりのかべ:特殊アタッカーを止める。ポリゴン2などの高耐久ポケモンの火力を削いで味方が積み技を使いやすくする。
まもる:ダイマターンやトリルターンなどを稼ぐ。
メインエースがダイアースやダイスチルを使う場合はじこさいせいの採用を考えると思うが、基本的にはミロカロスだけが残り続けても勝てないので不採用。さいみんじゅつ使うくらいならふぶきで凍らせよう。
ゴリランダー@きせきのタネ グラスメイカー
グラススライダー/ばかぢから/つるぎのまい/まもる
実数値:199(188)-190(220+)-110-*-103(100)-105
調整:AはグラススライダーでH振りカプ・レヒレを乱数1発(87.5%)、HBは鉢巻陽気ウーラオスのあんこくきょうだ93.7%耐えで、総合耐久指数が最大になるようにHDに振り分けた。
最強のスイーパー。相手にコータスさえいなければ選出できる。ダイマックスすることは稀にある。きせきのタネにしたのは、グラススライダーで倒せる範囲を広くすることがとても重要だからで、いのちのたまでないのは反動ダメージが大きいから。オボンのみを持たせてつるぎのまいを積極的に積む型も試したが、初動のグラススライダーの威力のほうが大切だと感じた。つるぎのまいによってポリゴン2などの高耐久ポケモンで詰むことがなくなり、いかくやおにびを受けても置物にならず、あくびで眠らした相手を起点にすることもできる。
技の採用理由
グラススライダー:メインウェポン。最強の先制技。
ばかぢから:ガオガエン、ポリゴン2、ヒードランへの打点。アームハンマーやドレインパンチでは威力が足りない。10まんばりきよりも格闘打点が欲しかった。
つるぎのまい:ポリゴン2などの高耐久ポケモンを倒す。いかくやおにびを受けても置物にならない。
まもる:味方の行動でゴリランダーの苦手な相手を倒すとき、ダイマターンを稼ぐときなどに必要。鉢巻やチョッキを使いたくないのはまもるを使えないからというほどに重要な技。
ねこだましはチョッキゴリランダーとの相性は良いが、今回は上の4つの技のほうが優先度が高い。はたきおとすやとんぼがえりは先発型やサイクル型なら有効だが、スイーパー型では優先度が低い。
ファイヤー@くろいメガネ ぎゃくじょう
もえあがるいかり/エアスラッシュ/わるだくみ/まもる
実数値:189(188)-*-111(4)-165(236)-146(4)-120(76)
調整:S+1でボルトロス抜き、Cは167と165でほとんど火力が変わらないので11nまで振って、余りは総合耐久指数が最大になるように。
エース。長所は構築経緯に書いた通り。選出は、他の5体の組み合わせでは対応できないときに選出するという本来エースとしてはあり得ない決め方をしていた。ファイヤーはどんな相手にも出せるがどんな相手にも大活躍はしにくいためである。この構築はファイヤーを中心に組んでいるので、この決め方でも選出率は高かった。ダイマックス率は1位。ちなみにわるだくみを積んでからダイマックスすることはほぼない。持ち物はダイアークともえあがるいかりの威力が若干足りないのでくろいメガネにした。いのちのたまは、反動ダメージが痛いのと持ち物がバレると相手がじゃくてんほけんを警戒しなくなる。じゃくてんほけんは、発動しなければ火力が足りない。
技の採用理由
もえあがるいかり:メインウェポン。
エアスラッシュ:ダイジェットの媒体。ぼうふうの方がダイジェットの威力は高いが、非ダイマ状態でウーラオスなどを安全に削れる方が大切だと思った。
わるだくみ:高耐久ポケモンやダイアースで特防を上げた相手を崩すため。
まもる:ダイマターンやトリルターンなどを稼ぐ
ニンフィア@オボンのみ フェアリースキン
ハイパーボイス/あくび/リフレクター/まもる
実数値:194(188)-*-112(212)-154(76+)-150(4)-84(28)
調整:S+1で最速60族、S+2で最速100族抜き。CはハイパーボイスでH振りファイヤーを乱数2発(96.5%)、HBは珠陽気ランドロスのダイアース87.5%耐えで、総合耐久指数が最大になるように振り分けた。D個体値30の妥協個体。
この構築のMVP。選出率は後半になるにつれて上がっていった。ミロカロスよりも高かったかもしれない。あくびとリフレクターで盤面をコントロールしていく。基本的に先発だが、後発で選出することもある。たべのこしを持たせていたときもあったが、集中攻撃を耐えられるようにオボンのみにした。
技の採用理由
ハイパーボイス:メインウェポン。もえあがるいかりと同様、高火力命中安定の範囲技は強い。
あくび:命の珠・弱点保険ダイマックス対策。ファイヤーやロトムのわるだくみ対策。
リフレクター:ブリザポスなどの後発ダイマックス対策。
まもる:場に残っていれば常に何かしら役割を持てるポケモンなので、HPを残すためにまもるは必要。
マジカルフレイム、ねがいごと、めいそう、でんこうせっかは採用候補だが、4つの技はいずれも外せないと感じた。
メタグロス@ラムのみ クリアボディ
実数値:187(252)-198(196+)-153(20)-*-115(36)-91(4)
調整:HBは陽気ウーラオスのあんこくきょうだ87.5%耐え。Aは11nで余りD。A特化にしたほうが良かったかもしれない。
裏エース。クロバットに次いで僕が2番目に好きなポケモン。最終日はメタグロスが大活躍だった。ブリザポスがいたら必ず選出する。レジギガスマタドガス相手には先発するが、それ以外は後発で選出した。ダイマックスすることが多い。持ち物はおにびやキノコのほうし対策のラムのみで、発動機会はかなり多かった。
技の採用理由
アイアンヘッド:メインウェポン。ダイスチルの防御上昇が強い。命中安定技が1つ欲しかったのと、怯みの追加効果が強い。
しねんのずつき:メインウェポン。マタドガスやモロバレルへの打点。ダイサイコは火力強化に加えて、ミストフィールド下で使ったあくびを通すために使うこともあった。
いわなだれ:ダイロックはサンダー+ガオガエンなどの飛行+炎のサイクルに一貫するのが強く、襷潰しやスリップダメージのために使うこともあった。
まもる:ダイウォールの媒体。ダイマックスターンを稼ぐのに使う。
ダイアイス、ダイサンダー、ダイアースを使いたい相手は味方と合わせて今回の3つの攻撃技でも十分対応できると考えた。
5. 選出
①先発+or 後発+
基本選出。ブリザポスかレジギガス・マタドガス入り以外の相手にはほとんどこの選出。
②先発+or 後発+α
基本選出。主にブリザポス入りに対する選出。
その他さまざまな選出パターンがあるが、その場で考えて試行錯誤しながら選出していた。正直まだまとまっておらず何がベストな選出か僕もよくわかっていない。困ったら上の2つのどちらかを出しておけばよいと思うが、僕が使っているときは柔軟に柔軟にと自分に言い聞かせていた。
6. 結果
ランクバトルシーズン13 ダブル
最終10位 レート2008 47-17(他の構築を使った結果を含めたシーズン全体では76-27)
7. 苦手な相手
- パッチラゴン
でんげきくちばしが受からないので最も戦いたくない相手。使用率が低いので対策は切った。
先発で出してくれればいいんだけど後発から出されるときつい。最終日前半にかなり負けて最終日後半は先発エースバーンニンフィア後発ミロカロス+αという選出にしたら勝てたけど…。後発にゴリランダーを選出すると大体後悔する。
- ウオノラゴン
エラがみの火力が高すぎる。ニンフィアが耐えないのがきつい。ゴリランダーとダイマポケモンでなんとかなることも多いけど選出歪まされるのが面倒。
8. おわりに
久しぶりに納得できるいい構築が作れて良かったです。目標としていたレート2000と最終トップテンも7カ月ぶりに達成できて嬉しかったです。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
【s12ダブル】エースバーンミロカロス
1. はじめに
こんにちは、コウです。
今回は、ランクバトルシーズン12で使ったエースバーンミロカロスという並びの紹介をします。前半はこの2体の並びの考察、後半はs12ダブルで最終66位の構築の紹介をします。
2. エースバーンミロカロスの紹介
・ダブルでのエースバーンの課題
(以下常体)
エースバーンは、シーズン12シングルにおいて、冠の雪原で解禁されたいわゆる準伝説たちを差し置いて採用率1位となった。しかし、シーズン12ダブルでの採用率は24位というなんとも微妙な位置である。
僕はエースバーンをシーズン12ダブルで使ってみたいと思い、まずはダブルで使う上での課題点を考えてみた。
【いのちのたまのダイマックス】
- 耐久が低めで、タイプ耐性もダイスチルを使ったとき以外は良くないので、1ターンで倒されることが多い
- 採用率の高いランドロスやガオガエンの特性いかくが苦手
- 高いすばやさを強みとしているため、相手のおいかぜやトリックルーム展開が苦手
【きあいのタスキ】
【こだわりスカーフ】
・エースバーンの型
- 耐久が低いポケモンを後発で選出するとサイクル戦がしにくいため、先発要員として使おうと考えた。
- ダイマックスを前提とするのは、課題点の克服が難しいのでやめた。
- 課題点のきあいのタスキの項で挙げたように、こだわりスカーフ以外だとレジエレキのエレキネットに対して非常に弱い。そこでまずはこだわりスカーフエースバーン入りの構築を組んでみたが、手ごたえが良くなかった。
- ここでレジエレキのエレキネットさえ対策すれば、きあいのタスキエースバーンは強いのではないかと思った。しろいハーブによるエレキネット対策は、持ち物こだわりメガネのレジエレキの10まんボルトで一撃で倒されるため、機能しない。
- 持ち物をきあいのタスキとして、隣のポケモンでエレキネットを対策するという方針が決まった。
・レジエレキのエレキネットの対策
エレキネットを対策する方法はいくつか考えた。
まず、エースバーンの隣で相手のレジエレキに対して初手から使う技として、ワイドガードは弱すぎるので却下。
ねこだましは相手のまもるなどを考えると、初手のエースバーンの行動で大きなアドバンテージを得ることは難しいので却下。ちなみにねこだましを使えるゴリランダーは、先制技グラススライダーを使えてレジエレキに強いため使ってみたが、エースバーンゴリランダーの並びは相手のいかくにかなり弱く安定しなかった。
そして残った選択肢が特性まけんきやかちきで牽制するという方法である。
・特性かちきのミロカロス
まけんきは能力が下げられるとこうげきが2段階上がる、かちきは能力が下げられるととくこうが2段階上がる特性である。
この特性を持つポケモンを先発で並べることで、相手のエレキネット+隣のポケモンの攻撃でエースバーンが行動する前に倒されても、こうげきまたはとくこうが2倍になったポケモンによって相手に大ダメージを与えられる。
現在のルールで使えるポケモンの中で特性まけんきやかちきのポケモンは進化前のポケモンを除くと15種類いる。この中からベストな相方を考えていく。
エレキネットを使われてエースバーンが行動する前に倒された場合、特性まけんきまたはかちきのポケモンの返しの技でレジエレキを倒すのがベストである。しかしレジエレキはきあいのタスキを持っている可能性も高いため、その場合を考えると相手2体にダメージを与えられる範囲技をメイン技として使えるポケモンが良い。(*範囲技とは、いわなだれなどの相手2体を攻撃する技やじしんなどの自分以外の3体を攻撃する技のことである)
15種類のポケモンのうち、メイン技として範囲技をもつのは、ハイパーボイスとマジカルシャインを使うプクリン、だくりゅうを使うミロカロスである。
両者を比較すると、相手に与えるダメージ期待値にはほとんど差がない。しかし、努力値256(とくこうに252振ると仮定)を耐久に割いたときの最大耐久指数がミロカロスはプクリンの約1.33倍であり、この差は非常に大きい。
そこで今回はミロカロスに決めた。
・ミロカロスの持ち物
結論から言うとミロカロスの持ち物は、でんきタイプの技のダメージを半減するソクノのみに決めた。
仮想敵であるレジエレキのこだわりメガネ10まんボルトを耐えるためには、ソクノのみかとつげきチョッキを持たせるしかない。しかし、とつげきチョッキを持たせるとまもるを使えないため、相手のダイマックスターンやトリックルームターンをしのぐのが難しくなって柔軟性が下がる。それが嫌なのでソクノのみにした。
なぜわざわざソクノのみを持たせてまでミロカロスをレジエレキ相手に先発させるのか?その理由はエレキネット対策以外に2つある。
2のほうは少し意味がわかりにくいと思うので説明する。
レジエレキは、苦手なじめんタイプの相手などが先発してきたらボルトチェンジを使ってダメージを与えながら交換できるのが強みである。ダブルでは2体のポケモンが並んでいるため、じめんタイプでないほうにボルトチェンジを使えるので、シングルよりも技の通りが良い。つまり、レジエレキ対策にじめんタイプを先発させても上手く逃げられてしまう。
ミロカロスは通りの良いみずタイプの範囲技であるだくりゅうを使える。つまり、レジエレキがボルトチェンジを使った場合、交換先のポケモンにそれなりにダメージを与えられる。実際はエースバーンのかえんボールやダストシュートを集中することも多いので交換先への負荷は大きい。その圧力によってボルトチェンジという強い動きを封じられる。
少し話が逸れるが、僕はレジエレキ対策としては、後発にじめんタイプやくさタイプを置くことが有効だと思う。そうすると仮にレジエレキがボルトチェンジで引っ込んでも最後にこちらが有利になるし、後発でレジエレキが選出されていても対応できる。
・長所①火力の高さ
ここからはエースバーンミロカロスの並びの長所を紹介していく。
まずなんといっても火力の高さが大きな魅力である。
- かえんボール(ほのお)の威力期待値は108、とびひざげり(かくとう)の期待値は117、ダストシュート(どく)の期待値は96と技威力が高い(*威力期待値とは、威力×命中率のことである)
- 技範囲が広いため、多くの相手の弱点を突くことができ、全ての技が半減されることはほぼない
- こうげき種族値が116と高い
- 特性リベロによって全ての技をタイプ一致で使える
- 範囲技のだくりゅうの実質威力期待値は121、同じく範囲技のふぶきの期待値は115と技威力が高い(*ダブルバトルで範囲技の威力は0.75倍される。しかし2体を攻撃するため、元の威力×0.75×2で実質的な威力は元の威力の1.5倍である。)
- みずタイプの技は通りが良く、半減されにくい
- とくこう種族値は100であり、すばやさを活かすために性格ようきで採用するエースバーンのこうげきは168であるのに対して、とくこうに特化できる性格ひかえめのミロカロスのとくこうは167とほぼ同程度の実数値になる
- 特性かちきによってデバフ技でとくこうを下げられることがなく、もし何かの能力を下げられたらとくこうが2段階上がる
そしてエースバーンミロカロスの並びの真価は次の通りである。
- ミロカロスの存在が特性いかくのポケモンを出しにくくして、エースバーンのこうげきが下げられるのを防ぐ
- 相手の弱点を突きやすい高火力単体技を使うエースバーン+相手に半減されにくい高火力範囲技を使うミロカロスという最高のコンビネーション
・長所②行動回数の保障
行動回数が保障されていることも大きな長所である。
- すばやさが高く、先制技のふいうちを使えるため、遅いポケモンと比べて行動回数が多くなりやすい
- きあいのタスキによってどんな攻撃も一度は耐えられる
- ミロカロスのおかげでエレキネットやバークアウトなどの能力を下げる範囲技を使われにくいため、きあいのタスキを活かしやすい
- もともと耐久が高く、弱点も少ない
- ソクノのみによってでんき技も耐えられる
- ひかりのかべによって味方全体の耐久を上げることができる
このように行動回数が保障されていると、先発で出し負けることがほとんどない。相手が初手ダイマックスでも、おいかぜやトリックルーム軸でも、天候パーティでも選出できる。実際にシーズン最終日の13試合のうち12試合でこの先発を出した。
また、少し余談になるが、「処理速度」という考え方を紹介する。処理速度とは、あるポケモンが相手をどれだけ早く倒せるか、相手にどれだけ早く倒されるかというスピード感を表すものである。ダブルバトルで隣に並ぶポケモンの処理速度が揃っていると、バランスが良いと僕は考えている。今回のエースバーンとミロカロスは火力も行動可能回数も同じくらいで、この処理速度が揃っていると思う。
・長所③ダイマックスの圧力
エースバーンもミロカロスもダイマックス適正が高く、相手にダイマックスを警戒させられる。特にダイマックスエースバーン+ミロカロスという並びは、シーズン7~9で使用率が高かったため、それを知っているプレイヤーはダイマックスをかなり警戒してくれる。ダイマックスの圧力は相手のプレイヤーにさまざまな影響をもたらす。
- ダイマックスエースバーンとの撃ち合いを想定して、初手ダイマックスする
- ダイマックスエースバーンを警戒して、てだすけ+ダイマックス技のように通常のエースバーンを倒すのには明らかに過剰火力の技を使う
- ねこだましを使いにくい
- 弱点保険持ちのメタグロスやテッカグヤが初手でまもるを使う
これらは実際に対戦していてあったことである。どれもこちらにとってありがたい方向に、ダイマックスの圧力が相手の行動を誘導するといえる。
また、エースバーンやミロカロスをダイマックスさせるという選択肢が常にあるということも長所である。ダイマックスしてもしなくても強いポケモンを採用することは構築全体の柔軟性を高める。実際にはエースバーンをダイマックスさせることはあまりなかったが、かちきが発動したミロカロスをダイマックスさせる場面は多かった。
3. 構築紹介
・構築のコンセプトと選出
先発エースバーンミロカロスから入って序盤戦で隙を見せず、終盤はダイマックスエースのファイヤーorレジロックorガオガエンを通していく。
選出①先発+ 後発+or
基本選出。スイープ能力の高いゴリランダーとダイマックスエースで押し切っていく。ボルトロスや原種サンダーがいなければファイヤー、いればレジロックを出す。
選出②先発+ 後発+or
ゴリランダーを選出する必要がないときに出す。具体的にはカプ・レヒレが相手に採用されておらず、フシギバナコータスやテッカグヤが採用されている場合など。どのポケモンをダイマックスさせるかは柔軟に。
①②以外の選出をしたのは1割以下だった。
・それぞれのポケモンの役割
*実数値や努力値は左から順にHP-こうげき-ぼうぎょ-とくこう-とくぼう-すばやさである。
- 実数値 156-168-95-74-95-188
- 努力値 4-252-0-0↓-0-252↑
きあいのタスキを盾に暴れる先発要員。
- 実数値 186-72-107-167-146-110
- 努力値 124-0↓-60-252↑-4-68
ソクノのみを盾に相手を削る先発要員。
- 実数値 182-194-110-58-116-105
- 努力値 52-252↑-0-0↓-204-0
先発2体が削った相手をグラススライダーで倒したり、最後に場に出してダイマックスエースとともに相手を倒していく後発要員。カプ・レヒレが相手に採用されていた場合の被選出率はほぼ100%なので、ゴリランダーで倒す。
- 実数値 196-94-111-167-146-111
- 努力値 244-0↓-4-252↑-4-4
この構築のメインエースで、後発ダイマックスから相手を倒していく。サンダー・ボルトロス・ブリザポス以外には強い。ダイマックス技の通りが良く、ダイアークからのもえあがるいかりは非常に強力。
- 実数値 187-167-220-63-121-70
- 努力値 252-252↑-0-0↓-4-0
ファイヤーが苦手なサンダー・ボルトロス・ブリザポスに強い第2のエース。ダイロックは通りが良く、クリアボディで能力を下げられないため、相手に与えるダメージは見た目の印象より大きい。ぼうぎょが尋常じゃなく高いため、物理技を受けるときは実質的に弱点がない。
- 実数値 202-183-110-90-111-80
- 努力値 252-252↑-0-0↓-4-0
フシギバナコータス+ブリザポスや、テッカグヤ軸などゴリランダーとレジロックが選出しにくい相手に出す。要検討枠。
・結果
シーズン12ダブル 最終66位 レート1965
ガオガエンの枠で別のポケモンを使っていたときも含めたこの構築での対戦成績は、29勝9敗だった。
4. おわりに
シーズン12の対戦は新しく解禁されたポケモンたちがたくさんいて楽しかったです。この記事を読んでエースバーンミロカロスに興味をもっていただけていたら嬉しいです。レンタルチームを公開しているので良かったら使ってみてください。ここまで読んでいただきありがとうございました!
【s9ダブル(77位)】後発ダイマキッスサイクル
1.はじめに
こんにちは、コウです。
今回はs9ダブルで最終日に使って、レート約1750から1941まであげて最終77位になった構築を紹介します。
この構築の原案は以下の構築で、今回は下の記事を前提として書きます。
2.構築経緯
(以下常体)
s9最終日はもともと別の構築で潜り始めたが、いきなり4連敗して400位から1000位以下まで順位を落としたため、構築を変えようと思い、日本一決定戦で使った構築をアレンジして完成度を高めて使おうと思った。この時点で8月31日の午後4時である。シーズン最終日やインターネット大会当日に構築を考えるのはいつものことだから、焦りは全くなかった。
ミロカロスの持ち物はリンドのみも考えたが、ゴリランダーに対してはサイクルを回して対処したほうがいいので持ち物は変更なし。技はれいとうビームをふぶきに変えた。ふぶきの火力の期待値はれいとうビームよりもかなり高い(ふぶき115.5, れいとうビーム90)。また、ドラパルトが仮想敵なのでサイドチェンジを無視できるのは大きい。命中安定よりも期待値が大事。
ガオガエンはDDラリアットをうっぷんばらしに変えた。ドラパルト軸相手はミロカロスサマヨールの先発で迎え撃つことが多いが、後発ドラパルトへのケアとしてうっぷんばらしを採用した。トゲキッスかサマヨールと並ぶ場面が多いのでダイホロウを撃たれなければそもそも大きなアドバンテージで、撃たれたら倒すよという構えになる。
パッチラゴンは対ジバコイル以外で全く使わない10まんばりきをちょうはつに変えた。モロバレルやサマヨールなどサポート型ポケモンを半分機能停止に追い込むことが狙いである。トリル返しの阻止にも使えるし、相手のトリル阻止にも使える。すばやさは日本一決定戦の反省から、最速バンギラス抜きにした。
バンバドロはカバルドンに変えた。両者は種族値が似通っていて、異なるのは技の豊富さと特性である。技はカバルドンのほうがはるかに豊富で、あくび・なまける・のろいといった変化技とダイマックスしたときに技範囲が広がる三色牙などを覚える。バンバドロは特性じきゅうりょくによって物理アタッカーに対する詰め性能やタイマン性能が高い。カバルドンは特性すなおこしで天候を変えられ、きあいのタスキなどを潰すことができる。
カバルドン採用の決め手は環境にとても多いコータス入りの晴れパに強いことである。また、バンバドロはダブルバトルではアタッカー型しか使われていないが、カバルドンはあくびでかき回す型もいるため、相手にその可能性を意識させることができるのも良い。実際に体感先発アシレーヌは増え、先発テラキオンは減った。
このような変更によって原案と比べてかなり完成度が高くなったと感じている。構築のパワー・安定感・バランスが1段階上がったと思う。
3.個体解説
実数値 173-63-115-189-135-120
絶対的なエース。選出率は依然と比べて高くなった。相手のエースがセキタンザン、ドラミドロ、パッチラゴンなどでなければトゲキッスをダイマックスさせることを選出段階で考える。しかし意外と他のポケモンをダイマックスさせる展開になることも多いので、そこは柔軟に。後発ダイマトゲキッスと言っているが、先発させることも先発でダイマックスさせることもある。
この構築を使う時はどのポケモンを通すか、どのポケモンのHPを残しておくか、相手のどのポケモンを先に削るか、相手のどのポケモンを攻撃する必要がないかということを常に先を見据えて考えることが必要である。その中でトゲキッスを通せるときはその判断が比較的楽なので勝ちやすい(ゴリランダーをあらかじめ削る必要はないなど)。最終日にはめちゃくちゃ急所に当てた。
実数値 147-75-187-80-163-27
構築に安定感をもたらす存在。以前は先発が基本だったが、後発で選出することも増えた。日本一決定戦では全試合先発で出していたが、あれはたまたまで、何も考えずにとりあえず選出するのは良くない。サマヨールはかなり対策されていて、サマヨールを倒せる先発が来ることも多いため、あくまでサイクルのパーツとして考える。
トリックルームはカバルドンを通す展開か、相手のすばやさ操作に対応してするかのどちらか以外ではあまりしない。こいつの地味な削りが相手をトゲキッスのダイジェット圏内に押し込む。サマヨールの硬さはとても信頼してる。
実数値 202-72-99-158-145-110
ミロカロスは絶妙なポケモン。アシレーヌのほうがアタッカーとしては強いがミロカロスのほうが安定感がある。先発したときに不利なポケモンが少なく、また不利なポケモンがわかりやすいため、対戦のプランニングがしやすい。
遅い展開の構築相手に強く、壁構築やトリル、中速スタンなどが相手の時によく活躍する。ダイホロウダイアークを躊躇させるのも魅力だが、エースバーン+こだわりメガネイエッサン♂などには勝てない(D-1でワイドフォースが耐えられない)ので、ストリンダーなども含めた範囲技持ちのダイアークビートには注意が必要。
ミロカロスなど高耐久ポケモンのひかりのかべはもっと流行ってもおかしくないと思うくらいとても強い。ミロカロスのまもるは採用率が低いためかダイマックス技がよく飛んできた。次のシリーズでもこの型は強いと思う。
実数値 202-176-111-90-116-82
サイクルの中で受けを担当することも多いが、相手を倒す攻め駒としてもとても強い。この構築においてダイマックスせずにくさタイプを一撃で倒せるのはこいつだけ。またエスパー無効はワイドフォース環境では必須級。
まもるはガオガエンを使う上でとても重要だと思うけど採用率は低いのが不思議。ただそのおかげでまもるが読まれにくいというメリットがあるので、まもるを切って使っていたプレイヤーには感謝してます。
すてゼリフやとんぼがえりがないので先発させることは少ない。もともと僕は先発ガオガエンを高く評価していないこともあるけど。後発から受けだしたあとは、場に残り続けると弱いので、素引き(普通に交代)することが多い。
持ち物は混乱実よりオボンのみのほうが発動条件と見返りのバランスがいいので、僕はオボン派。
実数値 167-167-111-90-91-125
最終日のMVP。今期の環境にはとても刺さっていた。日本一決定戦では命中率50%と張り切りすぎて空回りしていたが、最終日は9割くらい技を当ててくれた。
先発させることが多いが、後発に潜ませておくのも強く、パッチラゴンを警戒せずにダイマックスした相手のみずタイプを何度もでんげきくちばしで沈めてきた。
<強い動き>
ダブルではこうかくレンズを持たせている人が多いが、命中率を少し上げて中途半端な安心感を得るより、きあいのタスキやロゼルのみを持たせて行動回数を増やすほうが強いと思う。90%を99%にするときのこうかくレンズは強いけど80%を88%にしてもどうせ命中不安だから、外しを考慮したプレイングをしなきゃならないのは変わらない。
実数値 215-180-138-88-93-46
唯一先発では出したことがない。ダブルでカバルドンピン差しの構築は珍しいと思う。
ダイアース・ダイスチルで隣のサマヨールを強化する動きが強い。バンバドロ同様、パワーは低めで技の通りは悪いが、詰め性能の高さから相手にこいつを倒すことを意識させてゲームプランを崩すことができる。対晴れパや対トリルで強かった。
のろいは結局一度も使わなかったので変えてもいいが、ほかに欲しいと感じた技も特になかったので、強力な勝ち筋になり得るのろいを採用した。
持ち物はトリル下のモロバレルやコータスの催眠技や、しっとのほのお・ねっとうによるやけどがうっとうしいのでラムのみ。
4.選出
選出パターンは20種類以上あるため、主なものだけ紹介する。
①先発+ 後発+or
基本選出。相手にドラパルトがいるときは大体この選出。後発はガオガエンのほうが安定感があるが、相手にみずタイプがいるときはパッチラゴンを出すことが多い。
②先発+ 後発+
ミロカロスの刺さりが悪い時や、行動保障のあるパッチラゴンを先発させたいときにする選出。
③先発+ 後発+or
先発ですばやさ操作が必要ない場合にする選出。初手のパワーが高い。
④先発+or 後発+or
選出を決めるのが難しい不利な相手にする選出。トゲキッスの先発ダイマ、トゲキッスを一度引いて再度繰り出して後発ダイマ、トリルからのカバルドンダイマなど状況に合わせた動きができる。
⑤先発+ 後発+or
対セキタンザン・対ドラミドロ・対トリルパでする選出。
⑥先発+ 後発+or
対晴れパ・対ラプラスでする選出。
対面パ同士の対戦とは異なり、こちらはサイクルパであるため、選出択になることは少なく、どのポケモンが必要でどのポケモンが必要でないかを時間をかけて考えれば自然と4匹決まるようにはなっていると思う。
ただ1分30秒の選出時間で最適な選出を見つけ出すのは難しい。選出の段階で立ち回りまで考えなければ最適な選出は選べないし、対戦中も一つでもプレイングミスをすると負けにつながる(逆にミスをしなければかなり高い確率で勝てる)ので、毎ターンごとにとても頭を使う。使っていて疲れる構築なので、この記事を参考に構築を考えるのはあまりお勧めしない。僕の場合は、少しM気質なところがあるので、その大変で疲れるところが楽しいと思っていて、他の楽に勝てる構築よりこの構築が好きだけど、そんな人は少ないよね。。?
5.結果
ランクバトルシーズン9 ダブル最終77位 レート1941
最終日に使い始めた構築なので、成績はこの構築のみによるものではないけど、レート1750・1000位前後からこの構築を使って順位を上げた。勝率は9割を超えていたので、もう少し潜ればさらに上位が狙えた可能性はあったけど、15戦対戦して疲れたのと深夜はプレイングミスをしやすいので撤退した。
6.おわりに
対面パばかりの環境で火力を上から押し付けあうことだけがダブルバトルではないと思うので、このようなディフェンシブなサイクル構築にも興味をもつ人が増えてくれたら嬉しいです。
今回の構築記事は前回とはかなり異なる形で書きました。前回は分かりやすさを重視してコンパクトにまとめた(つもりな)のに対して、今回はだらだら思ったことを書いていきました。今後の参考にしたいので、どちらのほうが好みかコメント欄やTwitterのリプライ等で一言でもいいので意見・感想を送っていただけると嬉しいです。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
7.おまけ
このあとは「構築記事」を書くときに考えていることについて書きます。
「行間を読む」という言葉があります。「行間を読む」とは、文章に文字では書かれていない隠れた意味を読み取るということです。
構築記事を書くときに、自分の書きたいことをとりあえず連ねていくと、僕の場合とんでもない文字数になります。実際にはそこから大きく文章を削ってまとめたものを公開しています。しかし、もともと書きたかったこと・伝えたいことをただ削るのはもったいないです。そこで、残した文章にもともと伝えたかったことの要素を含めることで、文章を読んだ人がものすごく深読みをすれば削った文章を察することができるように意識して書いています。
例えば、usumウルトラルールで使った構築のカイオーガの採用理由は以下の通り書きました。
「4世代伝説ルールからのイメージで最強のポケモンだから。」
何を言ってるんだこいつはと思われるでしょう。適当すぎると。しかしこの一文には削られた前後の文章の要素が含まれています。
- 4世代伝説ルールにおいて、スカーフカイオーガは非常に強かった。
- スカーフカイオーガは、天候を雨に変えることができ、超高火力の範囲技であるしおふきを先制して使えるからである。
- しかし、6世代でゲンシグラードンが登場して、通常カイオーガのあめふらしではおわりのだいちによる天候おおひでりを変えられなくなった。ゲンシカイオーガも登場したが、グラードンは天候おおあめでもメインのじめん技が使えるが、カイオーガは天候おおひでり状態では非常に弱い。
- 6世代ではレックウザと並べるオーガレックが世界大会で優勝したものの、7世代ではグラードン軸が世界大会でも優勝し、カイオーガ最強のイメージをもつ人は少なくなった。実際、オーガレックを使っている人でもメインはレックウザという人が少なくなかった。
- それでも天候あめ(おおあめ)状態で、通りの良いみずタイプの超高火力のしおふきやこんげんのはどうを使えれば最強であることに変わりはない。体力満タン雨しおふきは全ポケモンの中でも最高クラスの火力を誇る。
- つまり、カイオーガはグラードン・ゼルネアス・レックウザ・ネクロズマなどの他の伝説ポケモンより下だと思われることがあるが、僕はいまだに最強であると考えている。なぜなら、通りの良い超高火力の範囲技を使うことにおいて、このポケモンの右にでるものはいないと思っているからである。
最後の太字の部分が伝えたかったことです。これを察しろというのは無理ですね。
今後も構築記事などを公開することがあると思いますが、ぜひ「行間を読む」ということを意識して読んでいただけると新たな発見があるのではないかと思います。